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2011/09/20 | KAJIMOTO音楽日記

●素顔のベレゾフスキー:彼の将来の夢とは!?

以前、当ブログにて、ボリス・ベレゾフスキーの動画「悪魔の手を持つヴィルトゥオーゾが語る"超絶"」をご覧いただきましたが、本日は音楽ライターの飯田有抄さんによる、彼の素顔に迫ったインタビューをご紹介したいと思います。



幼い頃のピアノ練習の思い出、将来の夢についてなど、彼らしい豪快な回答が飛び出しますので、彼のまもなくの来日への準備として、ぜひお楽しみください。
それでは飯田さん、宜しくお願いいたします!

***

動画インタビューでも、そのフレンドリーな笑顔と語りで日本のファンへメッセージを届けてくれたベレゾフスキー。今回はさらに、彼の音楽や日本への想いに迫ってみたいと思います。

──アントニオ・パッパーノ氏率いるローマ・サンタ・チェチーリア管弦楽団との共演が迫ってきましたね。

ベレゾフスキー(以下、B.)
このオーケストラはヨーロッパの中で最も優れた楽団のひとつです。どんなに素晴らしいオーケストラでも、指揮者との相性によっては演奏の結果に結び付かないことがありますが、パッパーノとの組み合わせは最高ですよ。彼らとはもう何度も共演してきましたが、とても情熱的な演奏をしてくれます。


──リサイタルではリストの「超絶技巧練習曲集」全曲を披露されますが、この高度な演奏技術を要する作品を、ベレゾフスキーさんは非常に軽々と、そして迫力満点に演奏されます。「まるで、ベレゾフスキーのために書かれた作品のようだ」と絶賛する聴衆もいるほどです。

B.
優れた音楽作品の美しさは、非常に民主的なものだと思うんです。美術作品の最高傑作はなかなか直に触れることができないですし、文学の傑作も、手にとって読むことはできても受身になってしまいがちです。ところが音楽の場合は、最高傑作であるのに誰もが実際に弾いてみることが許されている。リストの「超絶」は、実際かなりの上級者向けですが、世界中のピアニストが演奏しています。だから、「僕のために書かれた」なんて、全然思えないですね(笑)。


──ベレゾフスキーさんの情熱的で詩的な演奏はもちろん美しいですが、その高度なテクニックにはやはり息を呑みます。こうした高い技術を身につけるための秘訣は何ですか?

B.
少年時代は、技術的に伸び悩んだ時期がありましたよ。でも、素晴らしい先生のもとでレッスンを重ねたことで、確かなテクニックを身に付けることができたと思っています。一般的に、音楽的な才能に加えて、自分に合った先生のもとで学ぶことは非常に大切です。練習時間は、僕はあまり多い方ではありませんでした。親はピアノの横に時計をおいて「3時間練習しなさい」なんて言うんだけれど、こっそり自分で時計の針を進めちゃうような子供だったんです(笑)。



──3月の東日本大震災発生後、日本では多くの海外アーティストが来日をキャンセルしました。しかしベレゾフスキーさんは、今回のラ・フォル・ジュルネの際に迷う事なく来日して下さり、多くのファンを喜ばせてくださいました。どのような気持ちから来日を決意されたのでしょうか。

B.
個人的には、日本に来ることに対しては、去年までと何も気持ちは変わりません。さまざまな面で秩序を重んじる日本の社会がとても好きなんです。日本の方々はとても勇気のある人々だと思います。彼らのために演奏できるのは大きな喜びです。
出発の時点で、今回自分が訪れる(日本の)都市の放射線量が、特に問題のないレベルだと判断しました。もちろん、大きな余震がやって来る可能性はあるわけですが、それに対する安全対策は十分だと判断したのです。
そもそも、人の死はいつやってくるかはわかりません。これは世界中、どこにいても避けられない。神のみぞ知る、です。車の事故で死を迎えるのかもしれないし、僕の故郷のロシアだったら冬に巨大なつららに刺さって死んでしまうことだってある。何万人もの人々が、蚊に刺されて命を落とす事例だって世界にはあります。運命論的な考え方かもしれないけれど、僕は自分の運命からは逃げられないと思っているんです。


──日本の文化や風土で、特に印象的なものはありますか?

B.
日本の生活様式、文化、美学・・・どれもとても魅力的ですね。細部にこだわる美しさが特に。建物、文学、美術、詩、全てが素晴らしいし、もちろん食べ物もおいしい。好物を挙げたら長いリストができてしまいます。特に寿司、刺身、それから焼き鳥・・・日本食なら基本的に何でも!
それから、日本の子供たちはものすごく可愛いですよね!生まれたての赤ちゃんも、2~3歳の小さな子供たちも。世界中の子供たちの中でも、日本の子供は特に可愛い。この世のものとは思えないくらいの可愛さです(笑)。



──最後に、ベレゾフスキーさんの将来の夢は何ですか?

B.
ニューカレドニアに家を持つこと!!(笑)美しいところだから!!周囲にたくさんの島があるんです。とても高額なので難しいとは思うんだけれど・・・。仮にたくさんのお金があっても、許可がなければ建物を建てられないらしいんです。リゾート地が自然と共存しているところが特に魅力的だと思います。

(2011年5月 東京にて)


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飯田有抄(いいだ・ありさ)
音楽ライター/翻訳家。1974年北海道生まれ。東京藝術大学音楽学部楽理科卒業、同大学院修士課程修了。Macquarie University 通訳翻訳修士課程修了(英語/日本語)。楽譜やCD、コンサート冊子に解説および翻訳、音楽雑誌に取材記事やエッセイを執筆。書籍に「あなたがピアノを続けるべき11の理由」(ヤマハ・ミュージック・メディア)がある。
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■ボリス・ベレゾフスキー ピアノ・リサイタル
10月7日(金) 19:00 東京オペラシティ コンサートホール [詳細とお申し込みはこちら]

■アントニオ・パッパーノ指揮 ローマ・サンタ・チェチーリア管弦楽団 東京公演
10月5日(水) 19:00 東京オペラシティ コンサートホール [詳細とお申し込みはこちら]
[ベレゾフスキー演奏曲目] ラフマニノフ : ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 op.18

■ボリス・ベレゾフスキー ピアノ・リサイタル <大阪公演>
10月6日(木) 19:00 いずみホール(大阪) [詳細はこちら]


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