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こんなときだから…公演プログラム冊子より、はみ出しページを特別蔵出し!(1)── NDRエルプフィル編

新型コロナウイルス感染拡大防止、ということで、外出自粛、Stay Home…色々な場面で忍耐を強いられ、日本中が四苦八苦している中、一方で家で退屈な時間を過ごしている方も多いかと思います。
弊社も数々の公演の中止、延期を余儀なくされてしんどい日々を送っており、当HPにもなかなか明るい記事やニュースが載せられない昨今。。。

そこで、少しでも賑やかし…と言ってはざっくばらん過ぎる言い方かもしれませんが、ここ数年、弊社の公演プログラム冊子に掲載しているはみ出しページ、「スタッフ休憩中」からいくつかを連日特別に“蔵出し”させていただきます。

今日はNDRエルプフィル。(2018年11月来日 指揮:アラン・ギルバート)


A男:B子はNDRエルプフィル…当時のハンブルク北ドイツ放送響(以下NDR)を、ギュンター・ヴァントの指揮で聴いたことあるんだよね?

B子:あるよ。2000年のあの伝説の公演。東京オペラシティ・コンサートホールで3晩連続、シューベルト「未完成」とブルックナー「第9交響曲」という“未完成プロ”を。

A:いいなー!それは未だにすごく羨ましく、聴けなかったことを悔やむ公演の1つ。

B:当時から色んな方が口々に語っているから、私なんかが言うのは気が引けるけど、ホント素晴らしかったし、凄かったわね。心の奥底までぐっと刺さってきたし、その巨大な世界にすっぽり包まれ、圧倒されたわ。なんというかな…それはマエストロ・ヴァントとNDRそのものの巨大さというより、職人技の極致というか。

A:職人技。

B:宮大工の作る国宝の建物とか、超一流の陶芸家の作品って、その精緻さのあまり、底光りがして犯しがたい気品をもっていたりするでしょう?日頃見ているそこらの建物や陶器とはまったく違う雰囲気があって、それに心が一気にとらわれるの。
そういうこと、ない?

A:うん、わかる気がする。そこまでヴァントとNDRは音を彫琢して、磨き上げたってことだね。

B:シューベルトもブルックナーもそうだったわ。きっとオケの皆さんは大変な緊張感と高いモチベーションをもってマエストロの指揮に対峙した、と思うんだけど、そういう意味でもNDRは凄いと思ったわね。

A:僕も今回の来日公演前に色々予習してさ、この冊子でも奥田佳道さんがエッセイに書いているけど、NDRの結成って、戦後ドイツの復興の夢がつまってるんだよね。そこに未だに続くオーケストラのクォリティや強さがあるんだなあ、って改めて思った。

B:どういうこと?

A:占領軍のあるイギリスの将校がハンブルクにいて、ここの復興には文化面も重要で、それにはオーケストラだ!って考えて、後に初代首席指揮者となるハンス・シュミット=イッセルシュテット…この人は非ナチスだった…に相談するんだよ。そこで色んな夢が生まれるんだな。戦時に不遇だった名演奏家を集めて、素晴らしい力をもったドリーム・オーケストラを作りたい、ベルリン・フィルとウィーン・フィルをプラスしたような弦楽器群、コンセルトヘボウ管とボストン響をさらに高めたような管楽器群を併せ持ったような。それからレパートリーも普通のオケにはできないようなものにまで広げたい、とかね。

B:素敵な夢。ちょうど今のルツェルン祝祭管弦楽団みたいね。

A:そうそう!NDRのもつ剛毅さとか、前首席指揮者のヘンゲルブロックのHIP(Historical Informed Performance)の考え方を柔軟に採り入れる進取気質とか、DNAは初めからそこにずっとあったんだよ、きっと。

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