江口玲は、ホロヴィッツが最も愛した伝説の楽器として有名なスタインウェイ&サンズの1912年製ピアノ、「CD75」を演奏して7枚のCDをリリースしておりますが、今度は待望の8枚目となる「Liszt II」が、6月19日浜離宮朝日ホールのリサイタルで先行リリースされました。

この「CD75」は、伝説ともなったホロヴィッツ1983年の初来日にＮＨＫホールでも使用されたもの。特筆すべきピアニシモの音の延びによる表現力の豊かさと、低音域から最高音域に至るまで驚くほど音量バランスが良いというこの楽器により、リストのヴィルトゥオジティはもちろん、江口が魅了されていると語る、その根底に流れる「歌」を余すところなく表現したアルバムとなっています。

－江口玲のメッセージ－
リストの膨大な作品群を目にして見えてくるのは、ヴィルトゥオジティを極めた華やかなピアニストでありながら、古典派から近現代をつなぐ大きな役割を果たした前衛作曲家、そして僧衣を纏う聖職者の姿である。遡ればバッハもモーツァルトも半音階に魅了され曖昧な調性の持つ世界を目にしたのであるから、リストのような天才がそれを近現代音楽へ橋渡ししても全く不思議はない。
しかしながら同時に僕が魅了されるのは、むしろその根底に流れる「歌」の部分にある。技巧をひけらかそうが、和声を捻じ曲げようが、神の姿を目にしようが、常に溢れ出るロマンティシズムがその音楽を支えている。

（24年6月19日 浜離宮朝日ホールのリサイタルプログラムより）

リストII　江口玲
煌めく高音、極上のピアニシモ、魂を揺さぶる重低音。《CD75》は、このソナタのために存在する。
【収録曲】リスト／ピアノソナタ ロ短調 S.178 他
【価格】3,300円（税込）
【品番】NYS-24619
【録音】2024年4月8～10日　秩父ミューズパーク音楽堂
好評発売中
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今後とも、江口玲の活動にご注目ください。