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サー・アンドラーシュ・シフが語る、今回の公演プログラムへの想い─ サー・アンドラーシュ・シフが語る、今回の公演プログラムへの想い─

来日する今月末まであと少しとなった、現代最高のピアニストのひとり、サー・アンドラーシュ・シフ。今回のプログラムは「J.S.バッハ、ハイドン、モーツァルト、シューベルト」らの作曲家の作品の中から事前に発表せず、公演当日にステージ上で、シフ本人の解説トークを交えながらステージ上で発表されます。このプログラムについて、シフ本人からメッセージが届きました。

今回の演奏会は、確かに私が普段おこなっているレクチャーやレクチャー・コンサートの延長線上にありますが、それだけにとどまりません。このアイデアが頭に浮かんだのは、私たち演奏家が演奏する機会を失ったパンデミックのさなかでした。クラシック音楽には、どんな未来が待っているのでしょう? 

昨今、コンサートはきわめて“予測可能なもの”になりつつあります。果たしてそれは良いことでしょうか? 私たちピアニストは、幸運なことに、信じられないほど豊富なレパートリーに囲まれ、あまたの傑作の中から演奏曲を選ぶことができます。しかし、その選択は自発的であるべきです。今回の私の選択は、その時の気分のみならず、会場や、その音響、さらに楽器によって変わります。当日の朝にコンサートホールへ行き、インスピレーションを得て、その日の夕刻に自分が何を弾きたいのか思いめぐらすことになります。もちろん、そのためには沢山の曲を手の内に収めておく必要がありますが……。さらに舞台上でのトークによって、聴衆と演奏家のあいだに在る壁や境界を取り払うことも、企画のねらいです。私たち演奏家は、聴衆の方々と同じ人間であり、他の惑星からやって来た生き物ではないのですから。
聴衆の皆様には、ぜひサプライズと新しい発見を体験していただきたいと思っています。
きっとお楽しみいただけると思います。

サー・アンドラーシュ・シフ



どうぞ、このひらめきに充ちたプログラムをお楽しみください。

11月1日(火)19:00 開演(18:15 開場)東京オペラシティコンサートホール
11月4日(金)19:00 開演(18:15 開場)東京オペラシティコンサートホール

サー・アンドラーシュ・シフ ピアノ・リサイタル

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