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こんなときだから…公演プログラム冊子より、はみ出しページを特別蔵出し!(9)── ロイヤル・コンセルトヘボウ管編 こんなときだから…公演プログラム冊子より、はみ出しページを特別蔵出し!(9)── ロイヤル・コンセルトヘボウ管編

今日は、昨年11月に来日したパーヴォ・ヤルヴィ指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団のプログラム冊子から。


A男:コンセルトヘボウ管の日本ツアー、今回は首席指揮者と一緒じゃないわけだけれど、それって1986年のヨッフムとアシュケナージ、2012年のヒメノに続いて3度目かな。

B子:これだけのスペシャルなオーケストラになると、むしろ“素“の部分が見られて面白いんじゃない?プログラムも彼ららしい万全なものだし。

A:万全?僕はベートーヴェン&ショスタコーヴィチのプロが異色だなあ、と。

B:あら!A男くんにしては偏った見方じゃない。コンセルトヘボウ管のレパートリーでは、ショスタコーヴィチは重要な作曲家よ。冊子中の舩木篤也さんのエッセイにもコンセルトヘボウ管が彼の交響曲を公演で数多く取り上げてるって書いてあるし(400回以上)、かつて首席指揮者だったハイティンクはこの楽団とロンドン・フィルと半々ではあるけれど、1970~80年代にかけて(当時の)西側で初めてショスタコーヴィチの交響曲全集を作った指揮者よ。

A:そうだ、そうでした…。舩木さんが採り上げてくれた、KAJIMOTO作成のwebに上がってるリストを見ても錚々たる指揮者たちが。ショスタコーヴィチが、20世紀においてオーケストラがその最新の曲をいち早く演奏したがった作曲家だというのが伝わってくるね。
コンドラシンとか、その曲をソ連で世界初演した指揮者も、初演から間をおかずに客演して。

そういえば昔、音は悪いけど、交響曲第7番「レニングラード」をクーベリック指揮のCDで聴いたことがある。あれは1950年の録音だから初演から8年ほどたってはいるけど、すごく生々しい演奏だった。

B:ぐっと時代を下っても、シャイーがこの作曲家の「ジャズ・アルバム」とか「フィルム・アルバム」を録音していたり。コンセルトヘボウ管のDNAの中にあるのよねえ。

A:そうだそうだ。僕はなんでそれらのことを忘れていたのだろう?さっきのクーベリックの録音もそうだし、ハイティンクの全集でもヤンソンスとのRCOライヴでも、コンセルトヘボウ管の演奏するショスタコーヴィチはオーケストラの没入感というか、うわべだけの音は聴こえないし、全身で彼の音楽の悲痛さを響かせている手応えがあるよ。

B:今回のもうひとつのプロ…ワーグナー、ベートーヴェン、ブラームスでこの楽団の伝統の美点が存分に味わえるのは間違いないとして、こちらも楽しみでしょ?ましてや、パーヴォ・ヤルヴィはこの交響曲第10番、得意なんだから。N響との演奏、聴いた?

A:聴いたさ!ヨーロッパ・ツアーでも演奏されたんだよね。その前の定期公演での演奏、全身が総毛だつほど凄かったよ。

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