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2011/09/13 | KAJIMOTO音楽日記

●パッパーノ&サンタ・チェチーリア管、来日直前特別編その1――絶賛の2007年来日

この名コンビの来日もいよいよ近づいてきました。弊社HPでも、特集連載やパッパーノのメッセージなどを逐一掲載してまいりましたが、これからいくつか「特別編」と称して、彼らに直接関係あることや間接的な話など、色々と綴っていきたいと思っています。
最初は、ちょっと振り返って、パッパーノ&サンタ・チェチーリア管のコンビ初来日となった2007年の批評や記事などを、改めてご紹介しましょう。

ちなみに、彼らの公演は、この年の「音楽の友」誌ベスト・コンサートで第3位に選出されました。(M.ヤンソンス&バイエルン放送響と同位)







ベルリオーズの序曲「ローマの謝肉祭」。鳥肌がたつほどの鮮やかさで音が立ち上がり、一瞬にしてモノクロがカラーになったような衝撃を受ける。とくに耳を奪ったのはイングリッシュ・ホルンの独奏ではじまる「愛の二重唱」。ヴィオラからヴァイオリンへ輪を広げ、すべての楽器が加わると、まさにアマーレ(愛する)、カンターレ(歌う)の世界。恋人たちの甘いシーンが広がる。-(中略)- 後半は陽光の降り注ぐローマの音風景。レスピーギの交響詩「ローマの噴水」は、靄に煙る朝の空気を感じさせるシンフォニックな立体音像が美しい。「ローマの松」になると、パッパーノの奔放さが加速し、楽団の明朗な気質とシンクロする。

 

白石 美雪(2007 7/6朝日新聞)


(マーラー第1交響曲の)冒頭の、例のカッコウが鳴く早暁の趣からして、茜色の空を見つめる思いを湧かせるまでに冴え冴えとしたものがあった。以降、どの楽章も、イタリアらしく「歌うこと」にかけては手だれの楽員たちを見事に操りながら、色彩感に富み奥行きも欠けていない、魅力的な「巨人」像を、パッパーノは指し示した。ゲルマン系あるいは東欧・北欧系とは異色、暖色の甘美さと官能性を湛えながら、同時に引き締まった造型性を持つ演奏は、マーラーの他の曲もこの指揮者、このオーケストラからぜひ聴いてみたいとの思いを抱かせた。

濱田 滋郎(2007 7/17毎日新聞)


音楽監督アントニオ・パッパーノが「イタリア系」の曲を指揮、豊麗かつ艶麗、開放的な明るい音色で活気あふれる演奏を披露した。
ベルリオーズの「序曲《ローマの謝肉祭》」では冒頭から艶のある弦がはじけ、金管が痛快に吹き上げる。パガニーニの「協奏曲第1番」でも、これほど活気のある管弦楽パートの演奏は滅多に聴けないだろう。レスピーギの「ローマの噴水」の〈真昼のトレヴィの噴水〉での全合奏の華麗な音色、《ローマの松》の〈カタコンブの松〉での弦の厚みのある壮麗な響きなど、いずれもこのオーケストラの卓越した力量を印象づける。

東条 碩夫(音楽の友 2007年9月号)



また実演からCDに話は移りますが、この年に彼らがレコーディングした、レスピーギ「ローマ3部作」(ローマの噴水、祭り、松)は満票を獲得して2007年度レコード・アカデミー賞を受賞しています。

上記の賞を出している音楽之友社「レコード芸術」誌では、後日に連載「現代名盤鑑定団」でレスピーギ「ローマ3部作」を取り上げた際、
「あのトスカニーニ盤と同じ線上で比較できる録音がようやく現れた」
「見事に揃った『本場もの』のレスピーギを久々に満喫。これぞイタリアの音」

と絶賛の座談会が行われ、
さらに時を遡りますと、その折の来日直前に出された「チャイコフスキー:交響曲第4、5、6番」のCD評では、故・小石忠男さんが
「パッパーノがオーケストラ指揮者としてサンタ・チェチーリア管弦楽団としての初録音がチャイコフスキーというのは異様に感じる人もあるかと思うが、古くからイタリア音楽はロシア音楽の源流であり、両者の関係が濃厚であったことを思えば、まったく不思議ではない。しかもイタリア特有のカンタービレが、チャイコフスキーにどれほど有効かということが如実に示されている。」
と書いていらっしゃることが、まさに今回の来日公演を洞察しているのでは?


では最後に、その前回来日直後に「音楽の友」9月号に掲載された、コンサートマスターをはじめ、アレッシオ・アレグリーニ(ホルン)やルイジ・ピオヴァーノ(チェロ)ら首席奏者たちの対談の言葉をご紹介しましょう。

「パッパーノと相性がいいというだけでなく、楽員の世代交代の結果、息のあうメンバーが数多く揃ったからだと思います。今、オーケストラはとても良い方向に向かっています。」
「チャイコフスキーの後期交響曲の録音をリリースしましたが、その際、パッパーノがイタリア的なチャイコフスキー解釈というものを自らの中で発展させていくのを共に体験することができました。チャイコフスキーの時代のロシアは貴族的な社会で、イタリアに通じるものがありました。そうしたチャイコフスキーの原点とも言うべきものがここで実現できたと思っています。」

「(イタリアではシンフォニー・オーケストラの活躍は顕著ではない印象を受けるのだが-という質問に対し)
それは歴史的な原因によると思います。イタリアではオペラが大いに発展したのに対し、シンフォニーの作曲家はほとんど出ませんでした。そのため、オーケストラ・コンサートの機会が少なく、トスカニーニはアメリカに行くことになったのです。それとともに、オーケストラに対する補助が万全ではないのも一因でしょう。とはいえ、レスピーギ(サンタ・チェチーリア音楽院出身である)らによって近代の管弦楽法が大成されたことも忘れないで下さい。」



【ローマ・サンタ・チェチーリア管弦楽団 2011年10月 来日ツアー】
アントニオ・パッパーノ(指揮)
ボリス・ベレゾフスキー(ピアノ)

ローマ・サンタ・チェチーリア管弦楽団 プロフィール
ボリス・ベレゾフスキー プロフィール


■2011年10月1日(土) 14:00 名古屋/愛知県芸術劇場コンサートホール 【プログラムB】
~第29回名古屋クラシックフェスティヴァル~
【問】中京テレビ事業 052-957-3333

■2011年10月2日(日) 15:00 京都/京都コンサートホール 【プログラムC】
【問】京都コンサートホール 075-711-3090

■2011年10月3日(月) 19:00 東京/NHKホール 【プログラムD】
~NHK音楽祭2011~
【問】NHKプロモーション 03-3468-7736

■2011年10月5日(水) 19:00 東京/東京オペラシティ コンサートホール 【プログラムA】
【問】カジモト・イープラス 0570-06-9960 → チケットのお申し込みはこちら

■2011年10月6日(木) 19:00 福井/ハーモニーホールふくい 【プログラムE】
【問】ハーモニーホールふくい チケットセンター 0776-38-8282


【プログラムA】
プッチーニ: 交響的前奏曲
ラフマニノフ: ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 op.18 (ピアノ:ボリス・ベレゾフスキー)
  ***
R=コルサコフ: 交響組曲「シェエラザード」 op.35

【プログラムB】
R=コルサコフ: 交響組曲「シェエラザード」 op.35
  ***
チャイコフスキー:交響曲第6番 ロ短調 op.74 「悲愴」

【プログラムC】
ロッシーニ: オペラ「ウィリアム・テル」序曲
ヴェルディ: オペラ「アイーダ」序曲 (*)/オペラ「運命の力」序曲
  ***
R=コルサコフ: 交響組曲「シェエラザード」 op.35

【プログラムD】
ヴェルディ: オペラ「アイーダ」序曲 (*)
リスト: ピアノ協奏曲第1番 変ホ長調 (ピアノ:ボリス・ベレゾフスキー)
  ***
チャイコフスキー:交響曲第6番 ロ短調 op.74 「悲愴」

【プログラムE】
ロッシーニ: オペラ「ウィリアム・テル」序曲
プッチーニ: 交響的前奏曲
ヴェルディ: オペラ「アイーダ」序曲 (*)
  ***
チャイコフスキー:交響曲第6番 ロ短調 op.74 「悲愴」

(*) ヴェルディのオペラ「アイーダ」では、通常冒頭に「前奏曲」が演奏されますが、
今回の「序曲」は「前奏曲」とは別に作曲された、演奏機会の少ない希少な曲です。


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