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2016/06/24 | KAJIMOTO音楽日記

●レナード・スラットキン&リヨン管弦楽団withルノー・カプソン来日!―― これまでのリヨン管来日を振り返って(1)


いよいよスラットキン指揮フランス国立リヨン管弦楽団が来日しました。今日の札幌コンサートホールKitaraの公演からスタートし、5公演をクラシック音楽のコンサート、2公演をジョン・ウィリアムズ映画音楽公演と、計7回。

「クラシック音楽でも映画音楽でも、いい音楽はいい音楽」と言い切る名匠中の名匠レナード・スラットキン率いる、粒ぞろいのフランス精鋭集団であるリヨン管弦楽団による、今回の特色あるツアーをぜひ楽しみにしていてください。
(先日SNSでちょっとつぶやかせてもらいましたが、コンサートマスターがアラン・ギルバートの妹ジェニファー・ギルバート、ティンパニがシルヴァン・カンブルランの弟ブノワ・カンブルラン、という奇遇にもマエストロたちの兄妹が多い不思議なオケ・・・)

現場スタッフから写真やレポートが来るのを待ちつつ
ここでリヨン管のこれまでの来日公演を振り返ってみましょう。


初来日の1979年は、当時の音楽監督セルジュ・ボドの指揮で、しかしながら、弊社の招聘ではなく、ついでに言うと私もまだ小学生でしたのでもちろん聴いておりません(汗)
ただ、当時聴いた方の話を伺いますと、良くも悪くもフランス人たちらしい、個人プレーが際立っていて面白かったけれど、アンサンブルは雑だった、とか。

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そして次の来日は1994年まで飛びます。
指揮はそのときの音楽監督エマニュエル・クリヴィヌ。クリヴィヌはこの頃、「カール・ベーム仕込みの」モーツァルトをシンフォニア・ヴァルソヴィアと続々と録音していた頃で、そのキレと流れから活き活きと湧き上がる音楽性が評判で、すごく期待をもたれていた指揮者の一人です。
 そのクリヴィヌ率いるリヨン管、そしてソリストにマリア・ジョアン・ピリス(ピアノ)とオーギュスタン・デュメイ(ヴァイオリン)を加えた曲目は、協奏曲が前者とショパン「ピアノ協奏曲第2番」、後者とメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲。そしてベルリオーズ「幻想交響曲」にサン=サーンス「交響曲第3番・オルガン付」や、デュカス「魔法使いの弟子」、ビゼー「アルルの女」など。



 この公演は、妙な書き方ですが、今で言うハイ・コスパ(コスト/パフォーマンスが高い)で注目され?―― つまり安いチケット料金でこれほどのクォリティの演奏会が!?と驚かれたものです。それくらい(ソリストのクラスはもちろんのこと)クリヴィヌ&リヨン管の、自発性に満ちながらパシパシッと小気味良くリレーする、水も漏らさぬアンサンブルが見事でした。そのアンサンブルと固有の音色によって、どんな曲でもそのあるべき姿が立ち現われるという・・・。クリヴィヌのトレーニングは余程厳しかったのだと思われます。

クリヴィヌとリヨン管弦楽団の来日公演は、その後1996年、99年と続きます。
1996年は、ムソルグスキー(ラヴェル編)の「展覧会の絵」やラヴェル「ボレロ」、それにチャイコフスキー「第5交響曲」やストラヴィンスキー「火の鳥」というロシア作品。また当時若かった愛らしきチェリスト、アンヌ・ガスティネルによるサン=サーンスのチェロ協奏曲第1番と、加藤知子のヴァイオリンによるラロ「スペイン交響曲」。
この時は、ガスティネルのソロとクリヴィヌの指揮ぶりのお互いのクリアでシャープな部分が相まって、目の覚めるようなサン=サーンスだったのと、チャイコフスキーの交響曲での快速な流れの中、リヨン管の(特に木管の)色彩感がロシア作品と非常に相性がいいのだ、ということを痛感させられたものです。(歴史的にもフランスはロシア文化を好んで取り入れていたのですしね)

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次の1999年の来日で注目されたのは、なかなか日本では演奏されないベルリオーズ「イタリアのハロルド」がわが国の誇る名手、今井信子のソロとともに演奏されたこと。そしてもう一つのメイン・プロにベートーヴェン「英雄交響曲」が置かれたことです。

前者が、さすが今井さんのソロ、そしてフランスの精鋭オーケストラが演奏すると、なるほど「イタリアのハロルド」とはかくも面白い曲だったか!というのが味わえ、後者ベートーヴェン、「英雄交響曲」ともなるとオーケストラの基本性能(?)が試されますから、その意味でリヨン管の技量がついにここまで達したか!ということが印象づけられました。
もちろん全体としてドイツ系のオーケストラの重厚さとは対照的な軽量さですが、透明感や、またピリオド(古)楽器の演奏法が若干採り入れられていたり、興味深いものがありました。

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・・・すみません、思ったより長くなってしまい、2007年と2014年の来日公演については次回に・・・(汗)


■チケットのお申込みはこちらまで

6月30日(木) 19:00開演 サントリーホール

【グレイテスト・ヒッツ: J.ウィリアムズの映画音楽】
6月27日(月) 19:00開演 フェスティバルホール/大阪
6月29日(水) 19:00開演 NHKホール/東京

 

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