NEWSニュース

2014/05/30 | KAJIMOTO音楽日記

●こんなのもあります!フィラデルフィア・サウンドとディズニーの素敵な関係

巷で聞かない日はないという程に大ヒット中の「Let it go」。この曲はディズニー映画『アナと雪の女王』の挿入歌ですが、この曲に限らずディズニーアニメで使用される楽曲が世界中でヒットするのは珍しい事ではありませんよね。
ディズニーアニメと名曲は切っても切れない関係ということは周知の事実ですが、フィラデルフィア管弦楽団もその一端を担っていたのです。それは―――『ファンタジア』!


ディズニーアニメ歴史、初期の話です。
創業者、ウォルト・ディズニーは『蒸気船ウィリー』(1928年)に代表される、“ミッキーマウスが主役を演じる”シリーズと並行し、『シリー・シンフォニー・シリーズ』 (1929年~1939年)と呼ばれる、その名の通り“作品の主役を音楽”にした短編シリーズの制作を進めていました。
後に当時としては実験的で革新的な映画制作となるこのシリーズから、世界初のカラー映画『花と木』、世界一有名なアヒル“ドナルドダック”のデビュー作『かしこいメンドリ』などの数々の名作が産まれました。

そんな中、ウォルトは両方のシリーズの中間ともいうべき“クラシック音楽を基にしたキャラクターアニメ”を発想します。
それはポール・デュカス作曲「魔法使いの弟子」をミッキーマウスが演じる、という奇抜なアイディアでした。





芸術性の高い作品を仕上げたかったウォルトは、当時のフィラデルフィア管弦楽団の音楽監督レオポルド・ストコフスキーに相談。ここでの話から話は盛り上がり、この作品をステレオ音声にて制作することが決まったそうです。さらに『魔法使いの弟子』の制作を終えた頃、ウォルトはこの映画を発展させ、まるでアニメーションによるクラシック・コンサートに仕立てる、というアイディアを思いつき、それは短編アニメ8本をまとめた長編映画となって完成したのです。

これがご存知「目で見る音楽・耳で聴く映像」と銘打って1940年に公開(日本公開1955年)された『ファンタジア』でした。

この作品でウォルトがこだわったのは音響です。
それまでサイレント映画が主流だったアメリカにおいて音声が伴うようになったのが1920年頃。その頃からウォルトは映画における「音声・音楽」にこだわりを持ち続け、壮大な交響曲に包み込まれるようなコンサート会場の臨場感を、映画で実現するという夢を持ち続けました。そしてついに現在のサラウンドシステムの前身ともいえる<ファンタサウンド>を構築したのです。
これはフィラデルフィア管弦楽団の演奏を9本のマイクを使用して録音し、スクリーンの両サイドだけでなく各所にスピーカーを設置するというものでした。(録音は1939年4月)

ちなみにサウンドトラック全収録曲目のうち「時の踊り」と「アヴェ・マリア」はストコフスキーにとって唯一の録音、「魔法使いの弟子」と「春の祭典」は最後の録音、「田園」と「禿山の一夜」は最初の録音と言われています。(※出典:Wikipediaより。この点に関してはオーケストラに現在確認中です。)
そういった面から見ても非常に貴重な録音となったわけです。

1932年に自らの指揮で米ベル研究所によってステレオ録音(これは現存する世界最古のステレオ録音!)を行ったストコフスキーと、初のトーキーによるアニメーション映画を作成したウォルト・ディズニー、ともに「サウンド」にこだわりのある二人が出会ったからこそ、現在の芸術的なディズニースタイルが確立していったと言えるかもしれませんね。



しかしこのストコフスキーという御仁、新しいもの好きの一端を感じるのは私だけでしょうか?
史上初のステレオ録音、ステレオサウンド映画への参加(出演も!)、理想のバランスを求めてのオーケストラ配置の実験、日本では初めて武道館で演奏会を開いた外国人、「春の祭典」を含めた数々の初演…
この様に新しいものに挑戦する彼の姿勢が、今日のフィラデルフィア・サウンドを作り上げたのかもしれません。

そしてストコフスキーが作り上げたフィラデルフィア・サウンドは長い時を経てもその輝きを変える事はなく、歴代の指揮者と演奏者たちがそのサウンドを継承していきました。
もちろん現在のフィラデルフィア管と指揮者ヤニック・ネゼ=セガンもストコフスキー精神の立派な継承者!
ディズニーにも影響を与えた「フィラデルフィア・サウンド」を体感しにサントリーホールへお越しください!


<ネゼ=セガン指揮 フィラデルフィア管弦楽団 2014年ツアー>

【チケットのお申込みはこちらから】

6月2日 (月) 19:00 開演 サントリーホール(詳細)
  チャイコフスキー: ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op.35(ヴァイオリン: 諏訪内晶子)
  チャイコフスキー: 交響曲第6番 ロ短調 op.74 「悲愴」

6月3日 (火) 19:00 開演 サントリーホール(詳細)
  モーツァルト: 交響曲第41番 ハ長調 K.551 「ジュピター」
  マーラー: 交響曲第1番 ニ長調 「巨人」
PAGEUP