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2016/09/29 | KAJIMOTO音楽日記

●祝!バンベルク響創立70年・来日を前に(3)―― バンベルク響をめぐる会話 Vol.1


読者の方々は覚えていらっしゃるでしょうか? 6月に来日したフィラデルフィア管の時に、同団のことをめぐって弊社の編集担当A、B男、C子が対談を繰り広げたことを。
彼らが帰ってまいりました。 (←大袈裟)

今回は、11月に名誉指揮者ヘルベルト・ブロムシュテットと来日する、今年創立70年を迎えるバンベルク交響楽団が記念にリリースしたBOX・CD(ユニバーサル ミュージックより発売)を聴きながら、3人が同団の歴史からくる魅力等を追いかけていきます。

ぜひ楽しんでお読みいただければ。

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A: なんだかまた3人が集まっちゃったけどね、前のときみたいに「おさらい」というよりは、私もバンベルク響のこんな昔の録音を聴くのは初めてかもしれないし、聴いて感想を言い合いながら、色々なことを考えていこうよ。

B&C: ど~~ん!これ、17枚組!!

A: もちろんセレクトするけどさ。じゃ、聴いてみようか。

(翌日・・・)

B: 疲れましたけど、案外楽しかったっスね。

A: 「案外」ってなんだよ。

C: 私、聴いてよかったです。

A: 最初に結論めいたこと、言ってもいい?

B&C: えっ?もう!・・・というか、結論って?

A: バンベルク響って、結成当時から最近の録音に至るまで、ここに聴こえるサウンドの「根っこ」のようなものが変わらないんだなあ、って。

B: ああ、そういうことですか。 最近になってくると演奏にモダンな感覚が加わってる気もしますが、それはそれとして確かにそんな手ごたえというか・・・

C: 響きの本質的なところが。やわらかくて厚みがあってあったかい、ってところ。

A: そうだよね。
バンベルク響の歴史については、マエストロ・ブロムシュテットがインタビューで熱く語っているので詳細はそっちにゆずることにして、まずは楽団のルーツがボヘミアにある、ということ。出発点となったプラハ・ドイツ・フィルを、後にバンベルク響の音楽監督となったヨーゼフ・カイルベルトが指揮している演奏があったけど、これには驚いた。モーツァルトの「プラハ」交響曲の演奏(1946年録音)。



B: すっごく速いデンポでしたよね。すべてが風のようにさ~~っと流れていく。普通テンポをゆるめるところもそうしないで一直線!ですね。

A: そのイン・テンポぶりはカイルベルトの指揮の特徴かもしれないけれど、確かに速いよね。でも爽やかというか。音色も含めて。

C: 速さはともかく、チェコのオーケストラみたいな感じがします。その爽やかで自然な疾走感が。

A: そうだよねえ。喜び勇んで駆け抜けていくような・・・。
このプラハ・ドイツ・フィル・・・プラハに住んでいたドイツ人演奏家たちが中心となったオーケストラであるわけだけど、ソ連の侵攻によってドイツ人メンバーは国外脱出せざるをえなくなった。そんな彼らが見出した土地が、チェコ国境近くのバンベルク。そして、その土地の音楽家と合流してバンベルク響となったというわけだ。

B&C: なるほどー。

A: そのことを改めて考えたから、ってわけではないのだけれど、同じカイルベルトが、今度はバンベルク響を指揮したスメタナの「モルダウ」(1961年)は、これもチェコ・フィルが演奏しているようだよねえ。水の流れ、しぶき、風のそよぎ、そして厳しいドラマが一体となって。
で、2人はどの演奏が気に入った?古い時代のものでは。



C: 私は、ウィーンの大指揮者クレメンス・クラウスが振ったR.シュトラウス「ばらの騎士」のワルツ(1953)や、ウェーバー「オベロン」序曲(1953)。彼の録音はウィーン・フィルとのものでいくつか聴いたことがありますけど、ここでも貴族的な雰囲気がするのと、それと同じくらい自在に音楽が踊っている感じがするの。

B: 僕はこの人知らないんですけど・・・フリッツ・レーマンという指揮者のチャイコフスキー「ロメオとジュリエット」(1952)。さっきのプラハ・ドイツ・フィル時代のモーツァルトじゃないですけど、すごく速いテンポと迫力で一直線に盛り上がる。指揮者もそうだけど、楽員がうぉーっ!と爆発しているような。それと静かな部分との対比が極端に広い。
あと、カイルベルトが指揮するベートーヴェン「コリオラン」序曲(1954)や、渋い名匠ヨッフムさんの「エグモント」序曲(1985)かな。やっぱりドイツの指揮者&オケの組み合わせって剛直だよなー、って思わざるをえないズシッとした手応え。ちょっとした部分でふと感じ取れる「祈り」の強さもなんともいえなかったっス。

AC: (なんでヨッフムだけ、「さん」なんだ?・・・)


(続く)


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