NEWSニュース

2015/10/09 | KAJIMOTO音楽日記

●すごいな!ベルリン・ドイツ響 ―― 名オーケストラを巡る座談会Vol.3《ソヒエフとの現在編》

さて、来日まであと2週間ちょっととなったベルリン・ドイツ響を巡る座談会も、今回で最終回。
前回の「ベルリン・ドイツ響はドイツのロンドン響」(!?)という意見にも驚きでしたが、考えてみればとても納得できる見解。

最終回は、現・音楽監督トゥガン・ソヒエフとの今のコンビを語った「現在編」です。
どうぞご一読下さい!

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

柴田(以下:柴):
さて、今回のソヒエフとのコンビ。彼についてはどう思われますか?



満津岡(以下:満):
個人的には、若手の中では注目株の一人です。色彩感やドライブ感があり、それでいて合奏の精度が荒くならない。実演でもCDでも素晴らしさが感じとれる、実はいそうでいないタイプだと思います。


先だってソヒエフにメール・インタビューしたら、DSOとの初共演は2003年とのこと。意外に付き合いが古いですね。


DSOは、レコードで聴くと“20世紀もの”や“知られざるレパートリー”のイメージがあるのですが、実演ではドイツらしさを感じさせられることが多い。つまりオーケストラ自体が有する伝統的なレパートリーの蓄積が、結構大きいと思うのです。その面をソヒエフが自分の感覚で上手く引き出していけば、とても期待できる気がします。


長き手兵のトゥールーズ・キャピトル国立管からは、フランスならではの色彩感を上手く引き出してますから、今度はドイツのいい面が強調されるのではないかと思います。彼は基本的にポジティブな、音楽が前に出る演奏をするし、生では特にそう。その意味でもライヴ感のある愉しい演奏が期待されます。

石:
オペラが得意だけあって、ドラマティックですよね。


それに今回のドイツ物は想像がつかないので、凄く楽しみ。


一見するとドイツの「王道名曲」プログラムですが、ソヒエフが振ることを思えば非常に面白いですよ。


ヘンゲルブロックがハンブルク北ドイツ放送響と最初に来日した時も、なぜこんなド真ん中のプロで?と思ったけど、あのブラームスの交響曲第1番はめちゃくちゃ面白かった。今回も同様の可能性はありますね。

石:
ソヒエフは、メータの代役でウィーン・フィルにデビューしたとき、ブラームスの4番を指揮していますが、伝え聞いた話では、自分の音楽を表現し、“歌”を引き出していたとのことです。


彼のドラマティックな持ち味からすれば、ブラームスの1番、ベートーヴェンの「英雄」や7番なども合っていそう。聴衆が求めるドイツ的な響きや解釈を満足させた上で、新しい形の古典を聴かせてくれる気がします。それにソリストのアヴデーエワも、鮮度の高い演奏をするピアニストだし、ピリオド楽器も弾いているのでベートーヴェンの解釈が興味深い。神尾真由子も最近深みを増していますので、どうなるか楽しみです。とにかく、全てにおいて通り一遍の演奏にはならないでしょう。

石:
終演後に会場の方々がどんな会話が交わされるかが楽しみですね。


(2015年9月 KAJIMOTOにて)

構成・文: 柴田 克彦


<ベルリン・ドイツ交響楽団 公演情報>
2015年11月3日(火・祝) 14:00開演 サントリーホール
指揮: トゥガン・ソヒエフ
ピアノ: ユリアンナ・アヴデーエワ

メンデルスゾーン: 序曲「フィンガルの洞窟」 op.26
ベートーヴェン: ピアノ協奏曲第3番 ハ短調 op.37
ブラームス: 交響曲第1番 ハ短調 op.68

【チケットのお申し込みはこちら】
 

PAGEUP