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2016/12/16 | KAJIMOTO音楽日記

●12/21の前に・・・タケミツを予習しよう


今月21日の「没後20年 武満徹の映画音楽」、いよいよ直前に迫ってきました。出演者のひとり、ギタリストの鈴木大介から「来てくださる皆さんの予習にもなれば」と、熱い原稿が届きましたので、早速ご一読ください!





フライヤーの裏面に武満眞樹さんが書かれているように、このバンドは2008年、リンカーンセンターで行われたジャパン・フェスティバルでの演奏のために組まれました。
各曲の編曲は、最初に分担して持ち寄ったものを、リハーサルを通して全員が膨らませました。何せ、最初のリンカーンセンターの時は現地で2日間みっちりの練習があったので、その時に決まったアレンジの大枠は変わらずに、以来、サイトウ・キネン・フェスティバル松本、八ヶ岳高原音楽堂、ニューヨークのカーネギーホールでのサイトウ・キネン・フェスティバルの引っ越し公演、そのついでに僕らだけで行ったロス・アンジェルスのオレンジカウンティ、またまたサイトウ・キネンにくっついて行った北京と上海、そして今年の神戸の兵庫県立芸術文化センターと佐世保のアルカスSASEBO、に至るまで、実に8年にもわたって、時折の再会とさらなる鍛錬を繰り返してまいりました。

以下簡単にそれぞれの曲と内容について。

フォリオスI
これは、今回、私たちが武満さんの映画音楽を自由に編曲させてもらう出発点というか、道標のようなものとして何か一曲はオリジナルの作品があった方が良い、ということで、プログラムの最初に僕がソロで弾きます。

不良少年
続いて、香津美さんとのデュオでギターのためのオリジナルの映画音楽である不良少年からの一部を演奏したのち、イントロダクションのモチーフのリフに基づいたインプロヴィゼイションと、オリジナルテーマの後半の明るい部分を演奏します。アドリブパートからは全員が加わって、いよいよコンサートが本格的に始動します。

伊豆の踊り子
ギターとアコーディオンによる繊細なアンサンブル。もともとの映画音楽はストリングスと京琴、ハープで演奏されていますが、ギターとアコーディオンで演奏されると良い意味で現代的なシャープさが加わります。香津美さんの編曲。

どですかでん
cobaさんの編曲。最初の部分は映画の中の曲を基にした爽やかながら徐々に熱くなるアップテンポ・セッション、そのあと、香津美さんと僕がCDに録音している部分と同じ主題曲が演奏されます。

日本の青春
これはもともとがギター2台とハーモニカの曲なので、同じくリード楽器であるアコーディオンで演奏されるのにはうってつけ。昭和の郷愁が漂う美しいテーマです。cobaさんの編曲。

太平洋ひとりぼっち
僕がブランドン・ロスさん、ツトム・タケイシさんと一緒に録音したアレンジを基にしてはいますが、最初の明るい透明感に溢れるテーマの後に、ブルージーなマイナーのメロディが演奏されジャズ風なセッションののち、“嵐”の部分へ突入、ヤヒロさんを中心にしたインタープレイが静まると最初のテーマがアップテンポで演奏され旅の終わりの喜びを高らかに歌います。

Tribute to Toru
いつもはここで、香津美さんとヤヒロさんによる武満さんへのトリビュート演奏がデュオで披露されます。武満さんはまだ知り合う前から香津美さんのライヴに行っていたらしいのです。

ホゼー・トレス
アルバム「どですかでん」で香津美さんと僕が演奏している「訓練と休息の音楽」のデュオバージョンに、cobaさん、ヤヒロさんも加わってインプロヴィゼイションのパートがさらに盛り上がり、その後の休息の場面での美しさもいっそう引き立ちます。

狂った果実
このバンドのセッションのための香津美さんの編曲です。オーケストラのようにアレンジされたスコアとアドリブの応酬はまさにジャズ・スピリット。アコーディオンのハーモニーのゴージャス感とギターのリズムのキレがからみ合います。

最後の審判
これはいわゆる、この映画の中で使われた武満さんのポップソング、「三月の歌」です。香津美さんによる、情緒溢れるイントロとアウトロのついた、耽美的な名アレンジです。

他人の顔
cobaさんの編曲。ワルツが怒涛の速度で駆け抜けて行きます。もともとキャバレー・ソング風な旋律を現代風にスタイリッシュかつアグレッシヴに聴かせる、まさにモダン・キャバレーとも呼ぶべき新しいジャンルなのではないでしょうか(??)。ヤヒロさんの真骨頂である3拍子と2拍子のクロス・リズムの妙技をご堪能あれ。

写楽
「青春群像」というこのテーマ曲は、もともとディキシーランド・ジャズのスタイルで書かれていて、それに基づく賑やかなジャム・セッション。なぜかこれを弾くといつも励まされた感じになります。


さてさて21日はこのほかに、あのカルメン・マキさんによる香津美さんとのセッションで武満さんの歌を聴くことができるとか。僕も今からわくわくしています。聴く方が楽しみすぎて弾く方を忘れないようにしないといけません!!



■没後20年 武満徹の映画音楽
2016年12月21日 (水) 19:00 開演 (18:30 開場)
オーチャードホール

(出演)
ギター: 渡辺香津美
アコーディオン: coba
ギター: 鈴木大介
パーカッション: ヤヒロトモヒロ

★スペシャルゲスト
ヴォーカル: カルメン・マキ

全席指定¥6,500

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