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2016/09/30 | KAJIMOTO音楽日記

●決定版シューベルト「冬の旅」 ―― パドモア&フェルナーのデュオは、まもなく発売開始。


タイトルに“決定版”と書いてしまいましたが、現代にはごく限られたいくつかの“決定版”があり、テノールのマーク・パドモアとピアノのティル・フェルナーによるシューベルト「冬の旅」は間違いなくその1つ。

秋になりかけキンモクセイの香りがしても、今ひとつ涼しくならない・・・そんな季節ですが、冬に思いを馳せ、来年2月に行われるこのコンビの「冬の旅」、まもなくカジモト・イープラス会員先行受付の開始です。



[マーク・パドモア(Ten)&ティル・フェルナー(Pf) 「冬の旅」]
カジモト・イープラス会員限定先行受付  ●お申し込み
10月6日(木)12時 ~ 10日(月・祝)18時
一般発売  ●お申し込み
10月15日(土)10時~


マーク・パドモアは歌曲(リート)やオラトリオ、そして特に近・現代のオペラにおいては現代きってのテノール。
イギリス出身のリート歌手というのは、ドイツの歌手とはちょっと趣が違うところがあって―― シェイクスピアを生んだ国だからでしょうか?言葉やフレーズを“演じ”させる、演唱とでもいいますか、歌と語りと演技が渾然一体となったような歌唱をする人が多い。(大げさに芝居がかってる、という意味ではありません)

私が思い浮かべるのは、かつてブリテンのパートナーだったピーター・ピアーズ、小澤征爾さんがよく起用していたフィリップ・ラングリッジ、ガーディナーとともにJ.S.バッハのオラトリオの名演を繰り広げたアンソニー・ロルフ・ジョンソン、そしてこのマーク・パドモアや、もう少し先鋭的になるとイアン・ボストリッジとか。(皆、テノールですね)

***

パドモアがウィーンきっての名ピアニストで、知的な音楽家ティル・フェルナーと出会ったのは、かのアルフレッド・ブレンデルの息子でチェリストのエイドリアンが2人の共通の友人で、2人の共演を勧めたからだそう。(フェルナーは父ブレンデルに学んでいました)
日本でも、この2人による「冬の旅」は2011年に続き、2度目になりますから、当然その間もこの曲の演奏機会は多く、相当練り上がったものになっているはずです。

今年2月にも、パドモアとフェルナーは東京・トッパンホールの「シューマン・プロジェクト」で来日しており、私もシューマンの「詩人の恋」のほか、ベートーヴェンの「遥かなる恋人に寄せて」、ハンス・ツェンダーの新作を演奏した日の回を聴きました。
パドモアが細身の澄んだ声で、言葉に対し、音楽の流れに対し鋭敏に深く対峙していく歌唱が印象的で、特にベートーヴェンは一途な青年の想いが強く迫り、それでいて、作曲家のこの歌曲集で行った創意工夫も見事にかたちになって浮かび上がる、といった演奏でした。
またシューマンでは、ロマンティックな音楽に対してやや淡彩な声の色を、フェルナーの、これまたよくコントロールされた、名ピアニストならではの内から発露される多彩な音色が補完、精神的背景として調和するという、聴いていて実に新鮮な思いがしました。

今度は「冬の旅」―― ドイツ歌曲の最高峰です。
恋に破れた青年の魂のさすらい。“死”ですら友となりえない絶望と、その先にある一縷の光。その旅を音楽としたシューベルトに対して、2人が演奏として出す答えは?
パドモアは言います。(*演奏会場で配布しているチラシに後藤菜穂子さんが寄稿してくれました)
「シューベルトの三大歌曲集の本質は『美しく歌う』ことにあるのではなく、心理的に興味深い物語を伝えることにあります。『冬の旅』での主人公は人生に対してストイックで、冬の厳しい地を歩いて旅しながら生きる意味を模索する。そして最後の『辻音楽師』の姿を見て、人生をやり直す決意をする・・・」

マーク・パドモアとティル・フェルナーによる「冬の旅」、ご期待ください。


*2人のインタビュー動画を追って公開いたします。


なお、パドモア&フェルナーが今年2月にトッパンホールで行った公演の模様が10/10(月・祝)AM5:00からNHK-BSプレミアム「クラシック倶楽部」で放映されます。
あわせて、ぜひご覧ください!


■チケットのお申込みはこちらまで
[マーク・パドモア(Ten)&ティル・フェルナー(Pf) 「冬の旅」]
カジモト・イープラス会員限定先行受付  ●お申し込み
10月6日(木)12時 ~ 10日(月・祝)18時
一般発売  ●お申し込み
10月15日(土)10時~
 

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