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2016/03/07 | 大切なお知らせ

■古楽界を切り拓いた闘士、ニコラウス・アーノンクールの訃報に寄せて





バロック音楽や古典音楽など、古楽の世界を切り拓いた偉大なパイオニアの一人、指揮者のニコラウス・アーノンクール氏が3月5日、逝去されました。
86歳でした。

アーノンクール氏は1929年ベルリン生まれ。オーストリアのグラーツで幼少期を過ごしました。1952年から69年にかけてウィーン交響楽団のチェリストを務めましたが、その頃から、ルネサンスから古典に至る作曲家、楽曲、または演奏について研究・実践を重ね、ピリオド(古)楽器の演奏技術とその音の可能性などを学んでいました。
この目的を達成するべく、アーノンクール氏は夫人や仲間たちとともに1953年、ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス(CMW)を結成。その後半世紀以上にわたって古楽演奏のパイオニアとして、同時代のグスタフ・レオンハルトやフランス・ブリュッヘン(2人とも故人)と共に、モダン楽器の伝統的なメジャー・オーケストラの指揮をして古楽のエッセンスを彼らに与えることなども含め、その発展に大いに貢献しました。

弊社がアーノンクール氏を招聘したのは2006年と2010年。2006年は実に26年ぶりとなる、音楽ファン待望の来日で、ウィーン・フィルとモーツァルトの後期三大交響曲を、CMWとはモーツァルト「レクイエム」、ヘンデル「メサイア」などを指揮。
また2010年には、J.S.バッハ「ミサ曲ロ短調」やハイドン「天地創造」、そしてモーツァルトの交響曲第35番「ハフナー」とセレナード第9番「ポストホルン」を指揮しました。
いずれも“普段聴き慣れた”演奏とは一線を画した革新的なものであり、時には思いがけない優しさがにじみ出た演奏が私たちをより高い世界へと連れて行ってくれ、また刺激を与えてくれました。

マエストロからは、後に弊社に何度か手紙をいただきましたが、「日本ツアーは本当に楽しかった」とそこに記してあったことは、弊社のみならず、音楽ファンの皆様にとっても誇りとして良いのではないでしょうか?

最後まで、自分の対峙する作品を極限まで追究し、そこにある真実を追い求め、妥協を許さず演奏としていったその姿は、ファンにも、若い音楽家たちにも大きな影響を与えたことと思います。古楽演奏のエッセンスが個々の音楽家、合奏団、オーケストラに様々なかたちで消化され、今や多様な表現方法としなって世界に響いているのです。

こうして、日本にも素晴らしい音楽を届けてくれた氏に深い感謝の意を表したいと思います。弊社としても、偉大な音楽家アーノンクール氏の晩年の来日公演に携われたことは幸せなことと、改めて感謝しております。

心からマエストロ・アーノンクールのご冥福をお祈り申し上げます。



 


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