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2013/07/05 | KAJIMOTO音楽日記

●さらに上へ、高みへ。次元の階段を上っていく鬼才、イーヴォ・ポゴレリッチ発売開始!

一昨日から巨匠アンドラーシュ・シフの先行発売が始まりましたが(好評です。ありがとうございます!)、王道正統派から一転、今度は弾く度に論議が巻き起こる鬼才・・・いや、しかし全くごとき天才ピアニスト、イーヴォ・ポゴレリッチのカジモト・イープラス会員限定先行受付がスタートします。

[イーヴォ・ポゴレリッチ ピアノ・リサイタル]
12月6日(金)19時 ミューザ川崎シンフォニーホール
12月8日(日)19時 サントリーホール

カジモト・イープラス会員限定先行受付
7月5日(金)12時 ~ 7月9日(火)18時  ●お申し込み
一般発売
7月14日(日)10時~  ●お申し込み



「弾く度に論議を・・・」と書きましたが、まさにポゴレリッチという人は、ショパン・コンクールの時に標準的な(?)ショパン演奏からあまりにもかけ離れているために審査員に理解されず落選、それに抗議し「だって彼は天才よ!」の伝説的な一言を残して途中帰国してしまった審査員の一人、アルゲリッチのエピソードから始まり、レコーディングや数々の来日公演を通じ、今なおこの論議が終わったことはありません。しかしその最初のショパン・コンクール時のライヴCDなどを聴いても、確かに変わっている・・・その音の扱い、その部分のテンポ・・・どうしてそうなるのだ??と理解しがたい困惑を与えられても、一方で恐ろしいほどの吸引力、説得力に襲われ、全体が成立している、という奇跡的な手応えを感じずにはいられないのです。
しかし、私もそれを否定する方がいても仕方がない、とは思います。殊に、例えばルービンシュタインのようなポーランド的正統派ショパン、コルトーのようなフランス風きまぐれと詩的な味わいが入り混じったショパン、またはポリーニのような彫塑的でカッコいい(?)ショパンを心から愛し、自らのスタンダードと沁みこませて方にとっては。

そしてポゴレリッチも、一度コンサート活動からドロップアウトしてからの復帰した2005年の来日公演では、さすがにこの人はどこへ行ってしまうのか?とファンにですら戸惑いを与えるような、極端の上にも極端なことになってしまった時もありました(テンポが遅い、というのを超えて、音符の一つ一つが離れすぎて?もはやどういう曲かわからない・・・というくらい)。 しかしそれは一時的なことで、次第に振り子の幅が戻ってきているようで、前回2012年のリサイタルでも――やはり変わっていても――何かこう、光さす前進、高みを目指す天才芸術家の音楽を聴かせてくれていました。

変わってる・・・のですが、そもそもポゴレリッチの演奏に、その場での即興とか恣意的な部分は少なく、それこそ度を超えた綿密さで構築されたものです(そこの部分はまるでミケランジェリを連想させます)。私は彼の、びっしりとおびただしいほどの楽譜への書き込みを見たことがあります。それはそれはすごいもので、演奏構築へのすさまじい苦闘、執念を感じました。
ただ、それで、前述したようになぜそれがこのテンポ?このアーティキュレーション?またここの副次的な音やメロディーを表に出す必要が?という部分的なものにはさっぱりわからない(笑)ということが多く、そこが好悪を分かつわけですが、私などは最終的に、その完成された全体から訴えかけてくるものに説得され、しびれてしまうわけです。

この得体のしれない、深い底に孕んだ巨大な力は、彼がクロアチア(旧ユーゴスラヴィア)というロシア圏の近くで生まれ育ったルーツからこう感じるのか、ドストエフスキーの作品を読むような圧倒的な“何か”を感じずにはいられません。

***

さて、今回の2つのプログラム。
1つは前回2012年に弾いたものと全く同じ。1歳違いで親交のあった2人のロマン派ピアノの巨人、ショパンとリストのプロ。(ポゴレリッチ十八番のリスト:ロ短調ソナタが、まさに天使の隣りに悪魔がいるという、この曲の真価を明らかにしてくれた演奏だったのに身震いしました)

そして本邦初公開、オール・ベートーヴェンです。ポゴレリッチの「悲愴」「熱情」ソナタを日本で聴ける日が来るとは正直思いませんでした(笑)。
このプログラム、既に今年に入って母国クロアチアで弾いており、その後欧米では何度か弾くことになっているので、相当練りあがってからの来日になると思います。
私がこれまで聴いたポゴレリッチのベートーヴェンは、「テンペスト」「テレーゼ」そして第32番でしたが、いずれも強固に構築された演奏で、ただその構築の仕方が、いわゆるドイツ・オーストリアの“ベートーヴェン弾き”とは全く違っていて・・・違っているのにベートーヴェンの意志や思い、崇高さ、また曲の仕組みの面白さなどが強く伝わるものでした。

いずれにしてもポゴレリッチを聴く、という行為は、自分の“器”とか、そういったものが問われる気がします。楽しみです!
どうぞご期待下さい。


■チケットのお申しこみはこちらまで

カジモト・イープラス会員限定先行受付
7月5日(金)12時 ~ 7月9日(火)18時  ●お申し込み
一般発売
7月14日(日)10時~  ●お申し込み


イーヴォ・ポゴレリッチ プロフィール

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