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2012/04/05 | KAJIMOTO音楽日記

●LSOブラス・クインテット来日迫る!コラムVo.2「金管-それぞれの楽器の魅力」

先週から始まりました、ロンドン交響楽団ブラス・クインテット来日記念ブログ、第2回目は「ブラスの楽しみ~金管楽器」と題してお贈りします。
オーケストラや吹奏楽、ジャズ、ビッグバンド、サンバ、スカ等々さまざまなところで目に耳にする金管楽器。最近ではAKB48のメンバーもバンドのホーン・セクションとして金管楽器の演奏にチャレンジしていますね。

オーケストラの中の金管楽器といえば、ここゾ!というときに入ってきて、曲を盛り上げ、華やかでダイナミックな演奏には欠かせませんし、一方ブラームスの交響曲なんかでは、コラールのような部分でどの楽器にも真似できないような、神秘的かつ優しく暖かい音色で会場を包みます。
それではまず今回、LSOブラス・クインテットで活躍する楽器をご紹介!




◆花形スター「トランペット」



(プレーヤー:フィリップ・コブ / ニアール・キートリー)

金管楽器といえば、まず思い浮かべるのがこの楽器。
オケでもバンドでもトランペットは、上記の"ここゾという時のリーダー"。基本的に主旋律(メロディー)を担当し、言ってみれば一番の目立ち屋です。
しかし今でこそ、ハイトーンをビュンビュン吹いてまわりを圧倒、金管楽器の王様トランペットですが、数千年以上前は、(もちろん今のように音が自在に変わるものではありませんが)宗教的な儀式や呪術に使われていたと考えられています。つまりトランペットの起源は、金管楽器の起源なのです。
その後(まだ紀元前です!)ギリシャ、ローマ時代からは戦争の際の信号として使われます。大●製薬「ラッパのマークの~」のCMでもお馴染みのアレです。兵士はその音を聞いて「突撃!」とか「打ち方始め!」なんていう指示を受けていたのですね。


◆狩りには欠かせない?!「ホルン」



(プレーヤー:ティモシー・ジョーンズ)

金管楽器の中で唯一"後ろ向きな"・・失礼。
ベル(音の出てくるところ)が後ろを向いていて、丸っこくてなんだか可愛らしい、ホルン。
ベルは後ろを向いていますが、オーケストラの中では吠えるように鳴らすこともしばしば、実は存在感バツグンの存在です。一方、金管楽器では珍しくモーツァルトやシューマンのようなクラシックの王道作曲家が好んで協奏曲を書いていますね。(「いきなり!黄金●説」でよく流れています!?)
ではなぜベルが後ろに向いているのでしょうか。
・・それはどうやら、中世ヨーロッパの"狩り"に関係があるようです。

当時、馬に乗って狩猟をしている際、
「獲物を見つけたぞ!後ろの者どもよ、続け!」
「・・・と言いたいところだけれど後ろを振り返る余裕なんてな~い(泣)」

と、そんな時、後ろにベルのついたホルンが生まれたのです。馬に乗りながら後ろに合図を送ることが出来たホルンは大活躍。そのときの名残が残っているのですね。
そうそう、丸くて可愛いなんて侮るなかれ、うずまきの様に管がまかれたホルンは、伸ばして測ると約2.8m~3.7mもの長さがあるのです(!)


◆神の楽器「トロンボーン」



(プレーヤー:ダドリー・ブライト)

スライドと呼ばれる長い管を伸び縮みさせ、ユニークな動きを魅せるのが「トロンボーン」。他のどの楽器にも無いこの「スライド」ですが、どうやって音を変えているの?と思う方も多いはず。これは言葉で説明するよりも実際に体験した方が理解できるかと思いますが、敢えて言うなれば「スライドと息のスピードや唇を駆使して音を変えている」といったところでしょうか。

さて、その昔トロンボーンは「神の楽器」と呼ばれていました。
18世紀に入り合唱の伴奏をするようになったトロンボーン、その場所は「教会」!
つまり神に一番近い場所で、讃美歌と一緒に演奏していたのです。(戦争や狩りに使われた楽器とは違い、エラく荘厳ですね~)
そこから作曲家も宗教的な音楽でのみ扱う、神聖な楽器となりました。
また、音色が男性テノールの音域と音色に一番近いといわれ、基本的に3名~4名でハーモニーを作って演奏されるのも特徴。スライドがあることによって他には真似のできない純粋で美しいハーモニーが創り出せる魅力が「神の楽器」の理由かもしれません。


◆縁の下の力持ち「テューバ」



(プレーヤー:パトリック・ハリルド)

"テューバ"といえば、あの一番大きい金管楽器。トランペットの何倍あるのかわからないくらいの大きさの楽器をよく吹けますよね・・テューバ奏者の肺活量はどうなっているのでしょう・・・。
もっとも、レクイエムで登場する「Tuba mirum(不思議なラッパ)」にあるように、"テューバ"という言葉自体はラッパ族全般を表す言葉でした。
今の形のテューバが発明されたのは19世紀と、実は歴史の浅い楽器ですが、最初は蛇のような形をした(!)"セルパン"という楽器、次にはロマン派時代のオーケストラで大活躍したフランス生まれ"オフィクレイド"という楽器がテューバのポジションで活躍していました。
普段、低音でメロディーとハーモニーを支えているテューバ、金管五重奏の中では沢山主役として活躍しますから、ぜひご注目を!


今回は長すぎたのでここまでにします。(前回「3回の連載」なんて書きましたが、若気の至り、4回になってしまいましたお許しください・・!)
LSOブラス・クインテットのメンバーが、こんなルーツをもつ楽器をそれぞれ吹きこなしている名手なんだな、とイメージしてもらえれば嬉しいです。

次回はこれら金管楽器が集結した「金管五重奏の楽しみ」について書こうと思います。


■2012年4月19日(木) 19:00開演 浜離宮朝日ホール
  ロンドン交響楽団ブラス・クインテット

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