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2011/09/06 |

★圧倒的!M.ゲルネ in サイトウ・キネン・フェスティバル松本

先日、10/16に東京オペラシティで行われるゲルネのリサイタルについて、「曲順か変わること」「途中休憩がないこと」の2点をお知らせさせていただきましたが、これは一体どのような意図があるのだろう、と気になった方も多いのでは?
これは追って、近日彼のコメントなどを含め、改めてお知らせさせていただきます。今回は、ちょっと日がたってしまいましたが、先日のサイトウ・キネン・フェスティバル松本におけるオペラ「青ひげ公の城」に出演したゲルネのレポートを。
様々な新聞にも絶賛評が出ておりましたが、ここでは現地に行った弊社スタッフからお送りします。

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バルトークの「青ひげ公の城」は、有名なペローの「青ひげ」などを基に新しい構想をもってオペラ化されたものです。青ひげの新たな妻ユディットが、彼に城の7つの秘密の扉を一つずつ開かせていく様子がすごく不気味で、若き日のこの作曲家の激烈さと闇の静けさが同居しています。
さて青ひげの得体のしれない不気味さと、人としての苦悩を存分に歌いだすゲルネですが、何といってもまず彼の「声」。ひと声聴いて「おー!」と声をあげそうになりました。あのビロードのようなツヤも、底知れない深さも、声量すら以前よりグレードアップしていて(!)、鋭い声をもつユディット役のツィトコワとは好対照。舞台上で、ユディットの刺すような欲望を、深く広大な海のような声で包み込むように空間が生まれ拡がっていきました。まさに圧巻でした。

考えてみれば彼も今年44歳。歌手としてちょうど声が練りあがり、恐らく最高に達する頃でしょう。黒光りするようかんみたいな密度。

そしてその声を駆使した表現力。以前はちょっと強弱を誇張して、たまに不自然なところも見られたゲルネだったのですが、今回はすべてが自然。ちょっとした声の変化、仕草の変化で驚くほど劇の中に起こる「何か」をリアルに感じさせてくれます。雄弁この上ありません。
私が観た日は(残念ながら)小澤征爾さんがキャンセルされた日だったので、これが小澤さんのドラマティックな指揮によるサイトウ・キネン・オーケストラだったら、どれだけ凄いことになったか(でも代役のヴァレーはかなりよくやっていました)、想像するだけで鳥肌が立ちそうでしたが、このゲルネの凄みは、「声」と「演技」だけでなく、
ハンガリー語をしっかりマスターし、言葉と音楽が一体化していたことが要素として大きそうです。

ゲルネはドイツ人。 私はこの見事さに感動し、終演後の楽屋で「日頃からハンガリー語を話すのですか?この役はかなり歌いこんでいるのですか?」と聞いたら、
「この役を歌い始めてからまだ日が浅いし、ハンガリー語を日頃使う機会なんかないよ。だから半年くらい、マスターするまでしっかりと勉強したさ」
と真面目な顔で話してくれました。
(その瞬間の表情を皆様にも見せたかった・・・。すみません、その時の写真は撮りそこねたのですが、その後のものを・・・)





こういうところがやはり当代随一のリート(歌曲)歌手だと思うのです。言葉を聴き手に伝える技術がしっかりしている、いないでは随分演じる深みや世界が違ってきますし。
急に思い出したのですが、かつて20世紀を代表する偉大なメゾ・ソプラノのクリスタ・ルートヴィヒが、「優れたオペラ歌手になるためには、うんとリートを勉強しないといけない。優れたリート歌手になる必要があるわね」と言っていました。確かに歴史的な名歌手たちを見ているとそうですよね。ドイツの歌手でなくても、テレサ・ベルガンサやレナータ・スコット、レナート・ブルゾンはオペラの傍ら、母国の歌曲をリサイタルでよく歌っていましたっけ。


10月の東京オペラシティでは、シューマンとマーラーという、ロマン派の巨人2人と対峙するゲルネ。その声と表現力が創り出す世界にどうぞご期待下さい!



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マティアス・ゲルネ プロフィール


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