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2019/04/29 | KAJIMOTO音楽日記

●ラ・フォル・ジュルネ TOKYO 2019 直前連載 ――出演アーティストへ突撃インタビュー!Vol.1. ヤン・ミサ(ヴァイオリン)


ラ・フォル・ジュルネTOKYO 2019(LFJ)までいよいよ1週間を切りました。
今年も、一流の音楽家2,000人あまりが世界中から集まります。

ここで開催直前連載。東京より一足先、2月に開催されたLFJの本拠フランス・ナントにも出演していたア-ティストへのインタビュ-を掲載します。

トップバッタ-は、ヴァイオリニストの梁美沙[ヤン・ミサ]さん。
大阪生まれ。パリ国立音楽院でオリヴィエ・シャルリエ、ジャン・ジャック・カントロフに師事。2000年、若い音楽家のためのメニュ-イン国際コンク-ル第1位。先日彼女がヴァイオリンを弾くトリオ・レゼスプリのCDがソニ-から発売されましたが、世界で活躍するヴァイオリニストです。

聞き手は音楽ライタ-の高坂はる香さんです。

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◆梁美沙[ヤン・ミサ]さん インタビュ-




-大阪で生まれ育ち、フランスで勉強されたということで、日本でステ-ジに立つときのご気分は?

 日本は最初にヴァイオリンを勉強した場所ですし、子供の頃から高校生までお世話になった先生がいて聴きに来てくださったりもしますから、いい演奏で恩返しをしたいという気持ちになります。日本で演奏することはいつも嬉しいですし、感慨深いです。

-体を動かしながら楽しそうに演奏されている姿が印象的でした。

 そうなんです、動きますよね(笑)。子供の頃はもっとすごくて、発表会の映像を見ると、くるくる回ってしまっています。地に足がついていない感じ(笑)。
 小さい頃から、音楽を表現しようとすると自然とそういう反応が起こるというか、体に染み付いてしまっているんです。しゃべる時に、手が動くような感じですね。そして私にとっては、ヴァイオリンを弾いて表現するほうが、しゃべって表現をすることよりも楽です。

-ミサさんの音楽的なキャラクタ-のベ-スに影響を与えたものはなんでしょうか?

 ヴァイオリンを習い始めた頃のことは、フラッシュバックのように記憶に残っています。スズキメソッドのクラスでみんな一緒に弾くことがすごく幸せで、特にドヴォルザ-クの「ユモレスク」が大好きでした。
 ヴァイオリンは、多くの場合誰かと演奏することが多い楽器です。小さな頃から、音楽を通してみんなとつながる感覚が好きだったのだと思います。先生にも恵まれ、のびのびとした指導で力を伸ばしていただきました。

-どのようにして音楽と出会ったのですか?

 音楽との出会いは、初めてのレッスンの時だと思います。まだ3歳でしたが、この時のことも少し覚えているんです。前髪が長く、顔が隠れている男性の先生がちょっと怖くて、泣きました(笑)。でも、習ってみたら優しい方でしたけれど。
 ヴァイオリンはバイブレ-ションが強く、表現も声に近いので、音楽に入り込み、自分を表現するうえで、私にとっては一番なじむ楽器でした。

-その後フランスに留学されて、音楽的にどのような変化がありましたか?

 ヨ-ロッパはいろいろな国が近くに集まっているので、学生も先生もいろいろなところで学んだ人たちで、さまざまな文化に触れることができました。刺激を受けて、広がりましたね。

-理想としている音や目指している音はありますか?

 言葉で説明するのは難しいですが……ヴァイオリニストとして何かの音を目指すというよりは、音楽を伝えるということを目標としているので、例えばそれがヴァイオリンの音に聞こえなくても、表現したいことが伝わればいいなと思っています。自分が思うことを自由自在に表現できることが理想です。

-その表現したいことは、どのようにご自身の中で見出したり組み立てたりしていくのでしょうか?

 私はもともと、頭で考えて組み立てていくというよりは、感じたものを自然に正直に表現していくタイプです。一番大切だと思っているのは、体で感じること。頭でっかちにならないように、言葉で説明できないことも、音楽でダイレクトに伝えることが一番だと思っています。
 LFJはお客さんの反応もナチュラルで、リラックスした雰囲気で聴いてくださっているので、私も楽しんで演奏することができます。みなさんの表情がパッと目に入るだけで、元気づけられたり、集中しなくちゃと思ったり、私の演奏も変わります。お子さんもたくさん聴きにきていて、とてもいい音楽祭ですね。コンサ-トをとても楽しみにしています。


(聞き手・文:高坂はる香)
 




■LFJ出演公演
公演番号:144
幻想の旅 ~チュニジアの砂漠とスコットランドの風景
https://www.lfj.jp/lfj_2019/performance/timetable/detail/144_modal.html
 

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