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2019/03/29 | ニュース

◆シャルル・デュトワがパリでフランス国立管を指揮―― 十八番のベルリオーズ「ファウストの劫罰」で大成功!




去る2/3(日)、大指揮者シャルル・デュトワが久しぶりにフィルハーモニー・ド・パリのステージに登場、フランス国立管を指揮して彼の十八番中の十八番、ベルリオーズの劇的物語「ファウストの劫罰」を指揮し、大成功を収めました。

以下、その公演評です。

エクトル・ベルリオーズの没後150年に寄せて、ラジオ・フランスはフランス国立管弦楽団と現音楽監督エマニュエル・クリヴィヌによる《ファウストの劫罰》の公演を企画していた。体調不良により降板したクリヴィヌの代役としてフランスの舞台に「復帰」したのは、シャルル・デュトワである。

デュトワ個人が抱えている一連の問題と、彼とフランス国立管の長きにわたる(音楽監督:1991~2001年)、しかし良好とは言いきれない関係ゆえに、公演の前にはある種の緊迫感が表面化し、実際、デュトワに対する抗議の声もあがっていた。ただし彼が指揮をしたベルリオーズの作品だけに言及するならば、諸々の状況を物ともせず、あらゆる表現がまばゆく光り輝いていた。もともと傑出した「ベルリオーズ振り」として定評のあるデュトワが、4部から成る、この上なく特異な「劇的物語」を演奏会形式で指揮した--現在82歳の彼であるが、その情熱とエネルギーがつゆも減じていないことは誰の目にも明らかである。そして彼は、この強烈にドラマティックで徹頭徹尾あふれんばかりの想像力を湛える無比の傑作、《ファウストの劫罰》への愛情を全く失っていない。デュトワのアプローチは、極端な表現や腕力ないし勢いの誇示を是が非でも追求するそれとは一線を画している。むしろ彼は、内省、苦悩、あるいはメフィストを取り巻く冷笑的な諧謔など、一つ一つの瞬間を深く掘り下げることで、均整の取れた巨視的なヴィジョンを差し出した。加えて彼は、フランス国立管を豊満に鳴らし(〈深淵への旅〉や〈ハンガリー行進曲〉)、ソロを担う器楽奏者たちを最大限に輝かせたのである(〈トゥーレの王のバラード〉など)。

(2/6 Olyrix)


「作曲家ベルリオーズ」が、「指揮者ベルリオーズ」と不可分であることには疑問の余地がない。その事実を何にもまして裏づけるのが、この実験的な作品[《ファウストの劫罰》]に具わった特異な性格である。この音楽を鳴らすには、卓越した指揮技術や感性はもとより、横溢する表現に溺れないある種の力量と、多様な次元を扱う絶妙なバランス感覚も求められる。だが去る日曜に、シャルル・デュトワはこれらの難題を乗り越えた。というのも彼は、終始、独唱陣・合唱・児童合唱による完璧なまでに見事な歌唱に花を持たせながら、この作品がもつ、あらゆる繊細さを追求していったからである。おまけに彼の目の前には、うってつけの相棒が陣取っていた--フランス国立管弦楽団は、まるでこの楽団のために書かれたかのような《ファウストの劫罰》を通して、最上の演奏を聴かせたからである。フランス国立放送合唱団および同児童合唱団の快演も相まって、音のタピスリーは会場を包み込み陶酔させた。

(2/5 Toute La Culture)



*シャルル・デュトワは、5月に以下のように大阪フィルハーモニー交響楽団の定期公演を指揮します。

5月23日(木)、24日(金) 両日とも19時開演
フェスティバルホール

[曲目]
ベルリオーズ: 序曲「ローマの謝肉祭」op.9
ラヴェル: バレエ「ダフニスとクロエ」第2組曲
ベルリオーズ: 幻想交響曲 op.14
https://www.osaka-phil.com/schedule/detail.php?d=20190523
 

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