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2013/03/07 | ARK NOVA

◆可動式ホールが音楽を届ける~ルツェルン・フェスティバル「アーク・ノヴァ」が今秋、宮城県松島町でスタート


クラウディオ・アバド指揮ルツェルン祝祭管弦楽団 来日中止のお知らせ


東日本大震災からまもなく2年が経とうとしております。
私たちは、時間の経過とともに復興支援への機運が風化してはならないことを改めて確認し、また一音楽事務所として今後、どのような支援ができるのか、自問し行動していきたいと思っております。

さて、今年75周年を迎えるスイスのクラシック音楽祭「ルツェルン・フェスティバル」が、可動式ホールを携えて東日本大地震の被災地に音楽をお届けする「アーク・ノヴァ(旧称:ARK NOVA~東日本への贈りもの)」を発案したことは、当ホームページで以前にお伝えいたしました。

※可動式ホール(500席)の詳細は以下をご参照ください


2011年8月には、そのプレゼンテーションと、クラウディオ・アバド指揮 ルツェルン祝祭管弦楽団による追悼演奏を、東京国際フォーラムでのパブリック・ビューイングおよびインターネット上で皆さまにご覧いただきました。

今秋、このプロジェクトがようやく宮城県松島町にて、「ルツェルン・フェスティバル アーク・ノヴァ 松島 2013」として実現することになり、
去る3月5日(火)、在日スイス大使館 大使公邸でその内容を発表する記者会見が行われました。詳細は以下の通りです。


***


『ルツェルン・フェスティバル アーク・ノヴァ』
オフィシャル・サイト= www.ark-nova.com/matsushima/jp/index.html

「ルツェルン・フェスティバル アーク・ノヴァ 松島 2013」
会場= 宮城県松島町
会期= 2013 年9 月27 日(金)~10 月14 日(月・祝)(予定)
主催=
アーク・ノヴァ実行委員会
松島実行委員会(松島町、松島町教育委員会、株式会社ゴーズ他)
アーティスティック・ディレクター= ミヒャエル・ヘフリガー(ルツェルン・フェスティバル芸術総監督)
磯崎新(建築家)
アニッシュ・カプーア(彫刻家)
坂本龍一(音楽家)
梶本眞秀(アーク・ノヴァ実行委員会実行委員長/KAJIMOTO代表取締役社長)

プログラム企画・制作協力= KAJIMOTO
建築設計協力= 株式会社イソザキ、アオキ アンド アソシエイツ
ファウンディング・パートナー= UBS AG、Nestlé S.A.、武田薬品工業株式会社
助成協力= 公益財団法人文化財保護・芸術研究助成財団
プロジェクト基金= ルツェルン・フェスティバル アーク・ノヴァ基金
(事務局:株式会社河北新報社)

協力=
■音楽プログラム(詳細は以下をご覧ください)
仙台クラシックフェスティバル事務局、公益財団法人仙台フィルハーモニー管弦楽団
■こども音楽プログラム(詳細は以下をご覧ください)
松島町教育委員会、松島町立中学校、こどもの音楽再生基金
■市民プログラム(詳細は以下をご覧ください)
社団法人松島観光協会、定禅寺ストリートジャズフェスティバル実行委員会(予定)
■瑞巌寺杉プロジェクト
松島青龍山瑞巌円福禅寺(瑞巌寺)、宮城中央森林組合、石巻工房
 

<音楽プログラム>

 「ルツェルン・フェスティバル アーク・ノヴァ 松島 2013」は、ルツェルン・フェスティバルが監修するプログラムと、東北発で企画される伝統、市民、こどもたちなどのプログラムで構成されます。加えて坂本龍一など、ルツェルン・フェスティバル アーク・ノヴァに賛同する世界で活躍するアーティストやミュージシャンによるスペシャルプログラム等が加わります。

■プログラム1 ~ルツェルン・フェスティバル監修によるプログラム~
ルツェルン祝祭管弦楽団、ユース・オーケストラ・オブ・カラカスなどクラシック音楽を中心とした、世界の音楽家の演奏を予定しています。
■プログラム2 ~東北発で世界に発信し、音楽と地域が一体となって奏でるプログラム~
仙台フィルハーモニー管弦楽団などの公演が計画されており、クラシック音楽の他、地域の伝統芸能、こどもを中心とした音楽プログラム、市民によるプログラムなどで構成されます。

こども音楽プログラム
通年で東北地域における音楽教育プログラムを実施。音楽祭期間中は東北被災地域のこどもたちによる吹奏楽、管弦楽、軽音楽など多ジャンルの音楽表現の他、伝統芸能、震災をテーマとしたパフォーミングアーツ(演劇、ミュージカル)などを上演予定です。また坂本龍一等のアーティストとの共演を予定しています。

市民プログラム
音楽を愛する人すべてに開かれた音楽プログラムを実施します。毎年秋に仙台で開催される日本最大の市民音楽祭「定禅寺ストリートジャズフェスティバル(予定)」と連携した、松島の街全体が音楽に包まれる市民イベントを行うことを予定しています。

伝統プログラム
東北は太鼓、神楽など民族芸能が豊かな地域であり、多種多様な習俗が展開しています。各地域の神楽衆が集まり東北地方に根付く伝統芸能を軸に、全国からも上方芸能から民俗芸能が集まる伝統プログラムを行います。
*スペシャルプログラム他、コンテンツの詳細については後日発表します。
 

<ルツェルン・フェスティバル アーク・ノヴァのコンセプト>

 ARK(アーク)は“方舟”、NOVA(ノヴァ)は“新しい”を意味する言葉です。旧約聖書・創世記に登場する有名な大洪水伝説では、主人公ノアが家族や動物たちを方舟に乗せ、洪水の引いた後に虹の掛かる物語が描かれました。この物語に因んで、プロジェクトが再生のシンボルになるよう願いを込めて、「新しい方舟」=アーク・ノヴァと名付けました。
 もちろんアーク・ノヴァに人や動物を乗せて災害を凌ぐことはできませんが、文化・精神の長期的復興への視点において、この方舟には音楽を中心にさまざまな芸術を詰め込んで巡回させることが構想されました。
 一方で、日本には民俗学者折口信夫が「まれびと」という言葉で表した鍵概念があることを思い起こしました。異邦からの客人(まれびと)が信仰や祭事をもたらし社会を活性させてきたという概念ですが、芸術発生の原理ともいえます。アーク・ノヴァは「まれびと」として被災地の津々浦々を訪れますが、土地の方々との交流の中で、各場所を主役とした活動が発生していきます。
 震災がきっかけのプロジェクトであると同時に、単なる再生を超えて“ARS(アルス=芸術)NOVA(ノヴァ=新しい)”が創られる仕組みとなることめざしています。


<可動式コンサート・ホール 仕様概要>

 磯崎新とアニッシュ・カプーアによってつくられるコンサート・ホール「アーク・ノヴァ」は、空気膜構造のバルーンでできており、内部に舞台や音響に必要な装置が配置されます。膜は折たたみ、各装置は分解してトラックに収納し、各地を巡回できるように考えられています。内部は一つの連続した空間となっており、装置の配置変えによってオーケストラから室内楽、ジャズ、パフォーミングアーツ、あるいは展覧会まで、さまざまな催しに対応できるマルチステージの形式となります。
 オーケストラ公演時に500 名の客席を想定し、幅30m×長さ36m、高さ最高18m 程度の大きさになる予定です。

《建築スタディ模型》


《磯崎新によるスケッチ》

 

<ルツェルン・フェスティバル / ルツェルン祝祭管弦楽団とは>

 ルツェルン・フェスティバルは、1938年、ルツェルン湖畔のワーグナーの邸宅前で開かれたアルトゥーロ・トスカニーニ指揮によるガラコンサートに始まった音楽祭で、今年75周年を迎えました。1938年に続く数十年の間に国際的に重要な音楽祭へと発展をとげ、ヨーロッパ屈指の絶景に囲まれた中世の町に、世界のトップクラスのオーケストラ、指揮者、演奏家たちが集まるようになりました。2001年から正式名を「ルツェルン・フェスティバル」として、春のイースター音楽祭、夏の音楽祭、秋のピアノ音楽祭と年間3つの音楽祭をおこなっています。
 ルツェルン祝祭管弦楽団(ルツェルン・フェスティバル・オーケストラ)の歴史も、音楽祭の創立とともに始まりました。第1回フェスティバルが行われた際、欧州の優れたソリスト、室内楽奏者が集結し、トスカニーニの指揮により演奏しました。それが後に、音楽祭常設のオーケストラとして定着し、スイス祝祭管弦楽団として1993 年まで活動を行っています。この伝統は、2003 年のルツェルン祝祭管弦楽団の設立をもって、新しい一章を迎えました。
 クラウディオ・アバド(同楽団芸術監督)とミヒャエル・ヘフリガー(同フェスティバル芸術総監督)によって創設され、著名な音楽家で構成されるこのオーケストラは、毎年夏に開催されるルツェルン・フェスティバルに参加しています。


 

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