NEWSニュース

2015/12/11 | KAJIMOTO音楽日記

●続いて「ワールド・ピアニスト・シリーズ2016」の先行受付まもなく開始!

「ワールド・ピアニスト・シリーズ2015」も、先日のチョ・ソンジン(第17回ショパン国際コンクール優勝者コンサート)をもって無事終了。今年は「シリーズ」というには数が少なかったのですが、来年は質・量ともに充実しすぎる(?)くらいのものとなり、シリーズも2つに分けさせていただきました。
先行受付のスタートはもうまもなくです!

[ワールド・ピアニスト・シリーズ2016]
【A Series】
マウリツィオ・ポリーニ
4月21日(木)19時 サントリーホール
ユリアンナ・アヴデーエワ
10月28日(金)19時 すみだトリフォニーホール
イーヴォ・ポゴレリッチ
12月10日(土)*開演時間未定 サントリーホール

【B Series】
ユジャ・ワン
9月7日(水)19時 サントリーホール
ファジル・サイ
11月17日(木)19時 紀尾井ホール
アレクセイ・ヴォロディン
11月22日(火)19時 浜離宮朝日ホール
ラン・ラン
12月4日(日)14時 サントリーホール

カジモト・イープラス会員限定先行受付 ●お申し込み
12月18日(金)12時 ~ 22日(火)18時
一般発売 ●お申し込み
12月25日(金)10時 ~ 29日(火)18時

ピアノの演奏会というのも面白いものです。同じ曲を同じ楽器で弾いて、何故こんなにまで違ったものになるのか?白と黒だけの無機質な鍵盤の並びから、何故奏者の人間性やそれを超えた世界観までが表出されるのか?

さて「ワールド・ピアニスト・シリーズ2016」、こちらも駆け足でご紹介させていただきます。

KAJIMOTO Concert誌の方で、音楽評論家の柴田克彦さんが書いておられるように《A Series》はショパン・コンクール発の天才たち、《B Series》は西欧以外の国々出身の俊才たち、となっています。


【A Series】

マウリツィオ・ポリーニ



1960年、18歳でショパン・コンクールに優勝した現代最高のピアニスト、ポリーニも今や73歳。マエストロに30歳頃のような感じで弾いてほしい!とリクエストしても、それはどんな人にだって無理な話ですが、しかしポリーニの音楽の独創性や強力なピアニズムというのは不変です。彼にとっての演奏は、古代ローマ時代から脈々と続く地中海=イタリアの偉大な芸術・・・ダ・ヴィンチやミケランジェロと同じく「彫塑的」なもの、そこにもう一つのイタリア人の重要なDNAである、類稀なる美しきカンタービレの感覚が加わり、ポリーニ以降こうした天才をもって楽曲を「彫り上げる」「歌う」ピアニストはいません。現代において、少々強引ですがわかりやすい比較でいえば、フェラーリやランボルギーニの車を見るときのような美しさ、センス、カッコよさがポリーニのピアノ演奏に通じるといったところでしょうか?
さらにそこから、若い頃にはなかったような深遠さ、幅、といったようなものが至純の高みへと昇っていくのです。こういうショパンやシューマン、ドビュッシーを再び聴いてみたいと思いませんか?
近年は世界でも演奏回数を減らしているポリーニ、1回1回の来日が、今や貴重な機会です。


ユリアンナ・アヴデーエワ



2010年のショパン・コンクールで、アルゲリッチ以来45年ぶりの女性優勝者となったアヴデーエワも、例えば、先日トゥガン・ソヒエフ指揮ベルリン・ドイツ響とのベートーヴェン「ピアノ協奏曲第3番」を聴かれた方なら頷いていただけると思いますが、「ショパン・コンクール」の枠は関係なく、音楽の深さを目指し、完璧な美を極めようとする立派な音楽家となりつつあります。彼女の演奏には“プロフェッショナル”という言葉がとても似合います。
今回の、バッハからショパン、リストに至る堂々たるプログラムを、ぜひ余すことなく楽しんで下さい。


イーヴォ・ポゴレリッチ



1980年のショパン・コンクール落選、それに納得いかず猛抗議の上帰国してしまった審査員のアルゲリッチ。「だって彼は天才よ!」の一言は、以来、ピアノ・ファンなら知らない人はいません。破壊行為(?)ともいえる楽曲の解体の上、「何故こう弾く?」という彼のやり方で、強靭で千変万化のタッチのもと再創造されるポゴレリッチのピアノからは、誰もが知らなかった、気付かなかった「美」や「真実」が浮かび上がります。このマエストロの歩みも決して順調ではなく、途上で停滞した時期もありましたが、近年は完全復活、これまで弾かなかった新たなレパートリーにも取り組み、今回もシューマン「ウィーンの謝肉祭の道化」(←A.B.ミケランジェリの得意曲でした)は、これまでまったく手がけてこなかった曲のハズ。

ポゴレリッチがピアノを弾けば必ず賛否両論。しかし聴き手の、音楽を受け取る器量を試される貴重な「時」でもあるのです。


【B Series】

ユジャ・ワン



今秋のロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団との共演における、チャイコフスキー「ピアノ協奏曲第2番」および、4曲(!?)にもわたるアンコールで、またしても会場を興奮の坩堝と化させたユジャ・ワンの破格のピアニズム。“天馬空を行く”とはこのことです。
一体どんな身体構造をしているのだ?という驚きとともに、例えばシューベルトの「糸を紡ぐグレートヒェン」を弾くときに見せた静かな叙情には感じ入るものがありました。
要するにすべてが素直で自然なユジャのピアノ、さあ、どこまで伸びていくのか?
今度のリサイタルはショパン、スクリャービン、バラキレフと、彼女の本領が発揮できる曲ばかり。ぜひ多くの方々と共に、長い間ずっと楽しみに見守っていきたいスター・ピアニストだと思います。


ファジル・サイ



トルコはイスタンブールという、西洋と東洋の狭間、遠い昔なら正に洋の東西にまたがる大帝国だった地の出身であるファジル・サイ。サイはそんな一種神秘的な土地で生まれ育ったせいか、世に出る頃には、まず西洋にはない感覚で、新鮮で無垢、手垢のついていない、とびきり活き活きとしたモーツァルトを弾いていました。このモーツァルト(そしてハイドンやスカルラッティ)の清新さの一点だけを言えば、まるでグレン・グールドのよう。

その後彼はピアニストとして成長するに従って、ベートーヴェンやリスト、ラヴェルやプロコフィエフ、そしてコンポーザー・ピアニストの名に恥じぬ自作を日本公演でも披露して賛辞を浴びてきましたが、それでも「サイのモーツァルト」は特別。
官能的で、炊きたてのお米のようにつやつや、ピカピカな音で弾かれるサイのモーツァルト・プロを聴いて、どうぞ心自由に羽ばたいて下さい。


アレクセイ・ヴォロディン



「ロシアン・ピアニズム」という言葉には色々なタイプ、流派が含まれ、一概に「こんな感じ」とは言えないのですが、ヴォロディンのそれは、かつての大家でいえばエミール・ギレリスに近いでしょうか?鋼鉄のタッチでバリッと弾き進み、そのヴィルトゥオジティによって楽曲の構成を堅固にしていく、といった。
このようなヴォロディンですから、ゲルギエフからプロコフィエフのピアノ協奏曲のソリストに幾度となく指名されるのは当然。今年の夏のロンドン・プロムスでも、ゲルギエフ&ロンドン響の「プロコフィエフ・ピアノ協奏曲全曲演奏会」に、トリフォノフやババヤンらと共に再び抜擢され、「第4」を鮮烈に弾ききったとのこと。
今回のリサイタルでも、そのプロコフィエフやラフマニノフなどの作品を演奏します。ヴォロディンの「ロシアン・ピアニズム」が最大限発揮されること、必至です。


ラン・ラン



ほとんど説明をする必要のないほどの大スター・ピアニスト、ラン・ラン。
世界各地での超一流指揮者&超一流オーケストラとの共演有名音楽祭や主要音楽都市でのコンサートは相変わらず引きもきらず。加えて教育活動、そしてビッグなメディアへの露出と、スター街道まっしぐら。
昔、彼が18歳くらいの頃、ある中規模ホールで演奏会を開いた際、「ボクの音楽にはこのホールでは足りないなァ」と豪語(!)していたことを思い出します。
有言実行。

しかしスケールの大きいラン・ランのピアニズムではありますが、彼の凄いのは(そういうところはアルゲリッチなどもそうですが)、向き合っている対象である作曲家の核心部分までいともたやすく自然に降りていってしまう、とでも言いますか、例えばシューベルトのような一見ラン・ランのレパートリーとは異質に見えるような音楽でも、すっと寄り添ってしまう、という。

さて今回の公演では、チャイコフスキーの「四季」やショパンのスケルツォ全曲などを弾きますが、これらはつい先日CDがリリースされたばかり。しっかり手の内に入れて練られた状態でのリサイタルになりますので、一層のご期待を!
 

■セット券のお申し込みはこちら

カジモト・イープラス会員限定先行受付 ●お申し込み
12月18日(金)12時 ~ 22日(火)18時
一般発売 ●お申し込み
12月25日(金)10時 ~ 29日(火)18時
 

PAGEUP