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2016/04/01 | KAJIMOTO音楽日記

●マウリツィオ・ポリーニ、間もなく来日!―― ちょっとその前に


「間もなく来日」は、エイプリルフールではありません(笑)

東京は桜が満開!こういう時期にポリーニさんをお迎えできて嬉しいです。
きっとお花見を喜んでくれるのではないかなあ?




ところで今回の公演そのものに直接関係はないのですが、昨秋でしたか、DVDで発売されたポリーニのドキュメンタリーをようやく見ました。
http://www.universal-music.co.jp/maurizio-pollini/products/73-5212/

これは、音楽ドキュメンタリーを撮ったら世界最高の存在で、グレン・グールドやスビャトスラフ・リヒテル、またはピョートル・アンデルシェフスキらのドキュメンタリーで高名なブルーノ・モンサンジョンの作品。この3人のものに比べると、さらっとした短編フィルムのような作りですが、インタビューの合間に挿入される若き日のポリーニの姿、演奏(また2002年の東京での「ポリーニ・プロジェクト」なども)、そしてインタビューそのものにはやはり惹かれるものがありました。
このインタビュー・コメントは、グールドやリヒテルのものなどとは違って、最初はちょっと肩すかしを食うくらい単純だったりする部分もあるのですが、まずポリーニが自らの思い出を語ることが珍しい、ということと、次第にその単純さが、マエストロの真面目で、正直で、まっすぐで、いつも一所懸命で、ちょっと不器用で、そう、それこそ良い意味での「単純」「シンプル」「直截」なのだ、と感じられてきます。ポリーニが生み出すピアノ音楽の「美」はこういうところから出てくるのかな、と。
ショパン・コンクールの時のこと、その後数年間演奏活動を半ば休止し、何を目指したか、ルービンシュタインやミケランジェリに何を教わったか等々、面白かったです。


今年1月ベルリン・フィルと共演したポリーニ


さて、もうひとつ。今度の来日公演のことでちょっと注目したいこと。
ポリーニがミューザ川崎シンフォニーホールで弾くのは今回が初めてです。マエストロがこれまで弾いてきた、東京文化会館やサントリーホールとまた違ったこのホールで、ポリーニの「音」が「音楽」が、どう響くか?

いえ、これは単に「音」マニア的な話をしているのではありません。例えば昨秋弊社では、ハイティンク指揮ロンドン響とヒメノ指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ管がサントリーホールとミューザ川崎の両方で公演を行いました。その折に、ホールのアコーティックの違いに伴ったオーケストラの響きの違いが、驚くほど演奏そのものの質的違い、ひいては音楽の性格の違いに結びつく、という経験をしたものですから、このような言い方をしたのです。

どう違ったか? ロンドン響では前者で演奏したマーラー「第4交響曲」がまるで「美の魔窟」のように官能的、甘美であったことに対し、後者でやったブルックナー「第7交響曲」では若々しく清々しい音が大伽藍のようにみるみる目の前に構築されていく様をみるよう、といったように。これ、曲が違いますが、本当に同じオーケストラかと思うくらいの違いがあり、コンセルトヘボウ管のときも同様でした。

そうなるとポリーニのような、誰が聴いてもポリーニのそれ、とわかるあの冴えて澄み渡った透明な音と、彫刻作品を彫るような造形美、カンタービレがどんな風に違って感じられるのだろうか、と。また初めて弾くホールの音で見えてくるような、ポリーニの「初めてな」音楽の一面があるのではないだろうか、と。
そういうことを楽しみにされている方々も、実は多いのではないでしょうか?私たちスタッフも非常に楽しみです。


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