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2017/02/10 | KAJIMOTO音楽日記

●アジアの新旧・名ピアニストが6月来日!―― ハオチェン・チャンとダン・タイ・ソン、まもなく先行受付開始。


昔はアジア出身の演奏家というと、多大なる努力・辛苦の末に西洋の文化であるクラシック音楽をものにし、スターダムへと一歩一歩進んでいく、という「苦労」のイメージがありましたが、今やラン・ランやユジャ・ワンなどの姿を見ていると隔世の感。
6月に相次いで来日する、名匠ダン・タイ・ソンとライジングスターであるハオチェン・チャンを同時に思い浮かべると、まるでそんな歴史を垣間見るようです。

この2人の、カジモト・イープラス会員限定先行受付が、来週から始まります。

[ハオチェン・チャン ピアノ・リサイタル]
6月8日(木)19時 紀尾井ホール

(曲目)
シューマン: 子供の情景 op.15/交響的練習曲 op.13
リスト: 超絶技巧練習曲集から 第5番「鬼火」/第12番「雪あらし」
ヤナーチェク: 霧の中で
プロコフィエフ: ピアノ・ソナタ第7番 変ロ長調 op.83「戦争ソナタ」

カジモト・イープラス会員限定先行受付
2月14日(火)12時 ~ 18日(土)18時  ●お申し込み
一般発売
2月25日(土)10時~  ●お申し込み


[ダン・タイ・ソン ピアノ・リサイタル]
6月22日(木)19時 紀尾井ホール

(曲目)
ショパン: 前奏曲 嬰ハ短調 op.45
      マズルカ 変ロ長調 op.17-1/ヘ短調 op.7-3/嬰ハ短調 op.50-3
      スケルツォ第3番 嬰ハ短調 op.39
リスト: 巡礼の年第1年「スイス」から ジュネーヴの鐘
シューベルト: ピアノ・ソナタ第21番 変ロ長調 D960(遺作)

カジモト・イープラス会員限定先行受付
2月16日(木)12時 ~ 20日(月)18時  ●お申し込み
一般発売
2月26日(日)10時~  ●お申し込み




まずはハオチェン・チャンから。
彼は若いとはいえ、既に日本でもファンが多く、多分それは2009年のヴァン・クライバーン国際コンクールに優勝して(辻井伸行さんと同時優勝)、脚光を浴びた時から。
最近のハイライトとしては、北欧のかの有名なBISレーベルと契約を結び、初のアルバムをリリースしたということが挙げられますが、BISからCDを出すというのは結構スゴイことです。演奏家のクォリティを厳選して良質なCDを出すことでファンの信頼も厚いBIS。オスモ・ヴァンスカ指揮ラハティ響のシベリウス交響曲全集や、鈴木雅明指揮バッハ・コレギウム・ジャパンのJ.S.バッハ「カンタータ」全集は大絶賛・大注目されていますし、パーヴォのお父さん、ネーメ・ヤルヴィもここから面白いアルバムをたくさん出しています。日本人でも尾高忠明さんや田部京子さん、小川典子さんがBISに録音しています。

ハオチェン・チャンがこのBISからリリースしたのはシューマン・アルバム。この中に入っている「クライスレリアーナ」は、前回の来日公演のときにとりわけ感心させられた曲のひとつです。
ハオチェン・チャンのピアニズム、テクニック、指さばきというのは、これはもう見事なものなのですが、「クライスレリアーナ」という曲が含む動と静・・・沸き立つような情熱と心の内面へと降りていく静けさ・・・その両方ともを確実に、「心をもって」詩的に弾き得ていて、「ピアノを弾く」=「音楽をやる」という、当たり前のようで意外と当たり前にできないことをしっかり実現していました。とっても感動的でしたね。

また彼のプログラミングというのはいつもバランス、という以上に古今東西、多岐にわたるものを聴いてもらいたい、という意欲が満々に表れていて、今回もシューマン「子どもの情景」「交響的練習曲」のほか、リスト、ヤナーチェク、プロコフィエフとバラエティに富んだ音楽たちをぜひ楽しみにしていてください。それを表現するハオチェン・チャンのみずみずしいピアニズムとともに。

***



1980年にショパン国際コンクールでアジア人(ベトナム出身)として初めて優勝して以来(ポゴレリッチが出場した年!)、40年近く地道ながら、美しい演奏を世界中で続けるダン・タイ・ソン。
そう、ダン・タイ・ソンと言えば、まずあの誰とも似ていない、彼のものとすぐわかる清澄な美音。西洋のピアニストたちとは違った質感の、すみきった山間の清流のような音。あれはアジア人の音、というものを超えて、ダン・タイ・ソンの謙虚できれいな心の反映なのだなあ、と今になって聴くたびに思ったりしています。
ショパンはもちろん、この数年はフォーレやドビュッシー、ラヴェルなどのフランス作品で、その美音を100%活かした演奏でファンは魅せられてきたものですが(ところでそれはベトナムが旧フランス領であり、言語も文化もそうした影響を受けてきたことは見逃せないところ。ソンさんもモントリオール在住ですし)、
今度のリサイタルで注目すべきは、まずシューベルトの最後のソナタがあることです。
このシューベルトの深遠な音楽は、「ピアノを超絶技巧で華々しく弾く」こととは対極にある世界で、そのようなこととは(ほとんど)関係のない次元に成立している音楽。ただただ優れた音楽家が精神と知・・・心を内面に集中して初めて弾くことができる音楽なので、ダン・タイ・ソンがついにシューベルトの最後のソナタを手掛けるのか!というのはとても感慨深いです。あの美音が、あの謙虚な人柄がシューベルトに相応しくないはずがありませんから。

そういう意味で言うと、得意のショパンとそのシューベルトの間に、リストの名技的な作品を置くのはバランスとしてのコントラストなのかな?と。
ピアニストとして、こうした外向きな「動」の音楽へもレパートリーを拡大していくのは、きっとソンさんの生理的なバランスなのだろう、と想像しますし(もちろん聴き手にとっても)、やはりここへと話が戻ってきますが、あの美音でのリストもまた聴いてみたい・・・。

これは私としてのひとつの楽しみ方ですが、どうかたくさんの方々にそれぞれの楽しみ方、発見をしていただければ、と願っています。

(A)



■お申し込みはこちら

ハオチェン・チャン
カジモト・イープラス会員限定先行受付
2月14日(火)12時 ~ 18日(土)18時  ●お申し込み
一般発売
2月25日(土)10時~  ●お申し込み


ダン・タイ・ソン
カジモト・イープラス会員限定先行受付
2月16日(木)12時 ~ 20日(月)18時  ●お申し込み
一般発売
2月26日(日)10時~  ●お申し込み


 

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