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2015/06/02 | KAJIMOTO音楽日記

●ヘンゲルブロック&ハンブルク北ドイツ放送響・来日直前!(5)―― マーラー「巨人」(1893年ハンブルク稿)

いよいよ本日来日したトーマス・ヘンゲルブロック&ハンブルク北ドイツ放送交響楽団。今回のハイライト曲は、まずなんといってもマーラーの交響曲第1番「巨人」の1893年ハンブルク稿ですが、彼らが演奏し、ヘンゲルブロック自身が校訂にも加わった今回の国際マーラー協会最新版は、まさに明日の大阪公演が日本初演になります。
これまでヘンゲルブロックのインタビューはじめ、様々なところで語られてきたこの“途中プロセス”というにはあまりにも魅力的なバージョンを、簡単におさらいしてみましょう。




(1) 標題付きの全5楽章
現行版の各楽章にはシンプルな速度標記、ニュアンス標記しかついていませんが、この「ハンブルク稿」は下記のような、後にカットされる第2楽章「花の章」を含め、次のような饒舌なくらい(?)雄弁な標題がついた全5楽章となっています。

マーラー: 交響曲第1番 ニ長調 「巨人」 [1893年ハンブルク稿]
      (交響形式による音詩「巨人」)

 第1部 「青春の日々より」 花の絵、果実の絵、茨棘の絵
      I.「春、永遠に」
        (ゆっくりとひきずるように - 最初は非常におだやかに)
      II.「花の章」
     III.「順風満帆」
       スケルツォ: (力強く躍動して。ゆっくりとしたワルツのテンポで)

 第2部 「人間喜劇」
     IV.「座礁!」(カロ風の葬送行進曲)
         (厳粛に威厳をもって、ひきずらないで)
      V.「地獄から」
         (嵐のように躍動して)



(2) 随所にあるオーケストレーションの違い
ここにすべてを記述するわけにはいきませんので(と言いますか多すぎてムリ!)、ほんの一部だけ。
例えば第1楽章で、原稿版では序奏が始まり高いA音が静かにのばされる中、クラリネットのファンファーレ(のような音型)が鳴りますが、「ハンブルク稿」では、その次に鳴るトランペットのファンファーレの先取りとしてホルンがそれを吹く、とか、
また、スケルツォのティンパニのリズムの違いや、第4楽章の冒頭が現行版のようにコントラバス1本ではない、とか。
随所に「あれ、あれっ??」という箇所が続出します。かなり面白いです。やっぱり直して正解だったな、と思われるところ、逆にシンプルにし過ぎたんじゃないか?直さない方がよかったんじゃ、と思えるところなど様々。さあマーラー好きの方々、どれだけそれらを指摘できますでしょうか?友人同士、帰りに一杯飲みながらそんな話で盛り上がるのも一興かもしれません。

また韓国や中国公演に同行したスタッフの話では、視覚的にも「えっ?」という演出がいくつかあるらしいです。

色々楽しみにしていて下さい!


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<来日公演情報>
富士通コンサートシリーズ
ハンブルク北ドイツ放送交響楽団

指揮: トーマス・ヘンゲルブロック
ヴァイオリン: アラベラ・美歩・シュタインバッハー

東京: 6月4日(木) 19:00 サントリーホール
大阪: 6月3日(水) 19:00 ザ・シンフォニーホール
名古屋: 6月6日(土) 15:00 愛知県芸術劇場コンサートホール

(曲目 東京・大阪)
メンデルスゾーン: ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 op.64
マーラー: 交響曲第1番 ニ長調 「巨人」(1893年ハンブルク稿)

(曲目 名古屋)
ドヴォルザーク: 序曲「謝肉祭」op.92
メンデルスゾーン: ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 op.64
ベートーヴェン: 交響曲第7番 イ長調 op.92

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