去る11月17日(日)、イーヴォ・ポゴレリッチがスイスのルツェルン・フェスティバルに急遽、出演しました。

これはピアニストのグリゴリー・ソコロフ氏が同音楽祭への出演を取りやめたことを受け、ポゴレリッチが自身の本拠ルガーノ(スイス)より同地に駆けつけ、実現したものです。
ポゴレリッチは、来る12月6日 (金)にミューザ川崎シンフォニーホールでも取り上げるショパン&リスト・プログラム(
詳細)を携え、ルツェルン・フェスティバルの舞台に久々に登場(
詳細)。
公演は地元紙で以下のように報じられました。
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30年ものあいだ、ルツェルン・フェスティバルの舞台から遠ざかっていたイーヴォ・ポゴレリッチ。代役として登場した彼が、特異な演奏で聴き手を興奮させた。
ポゴレリッチがリストの「ピアノ・ソナタ ロ短調」の名録音を発表したのは1990年代のこと。日曜に[ルツェルン・フェスティバルの本拠]KKLホールに登場した彼は、傑出した熟練でこのソナタを取り上げ、ふたたび私たちを魅了することになった。
ポゴレリッチはこのソナタを“幻想曲”としてとらえ、すぐれた描写によって自由に、そして強烈な感情を込めて弾き進めていく。曲の進行と時間とに意識の多くを向けるポゴレリッチは、テンポを多様に揺り動かし、音楽を自由に形作っていく。これは一見、非常に不真面目な行為にもみえるが、しかしそこでは、彼独自の方法によってテンポがしっかりとコントロールされている。存在と不在とから生じる緊張と弛緩――そのサウンドの効果、そして旋律の流動性が、実に偉大な芸術を形成していた。
一音一音にいかなる生命や意味を与えるべきかを知るポゴレリッチは、いわば人の心を強くとらえるストーリー・テラーである。 “語るべき何か”を持つ音楽家なのだ。
固唾をのんで見守っていた聴衆は、彼に熱狂的な拍手を浴びせた。素晴らしいインスピレーションに満ちたこの夜に居合わせた者は、なぜこの芸術家が30年ものあいだルツェルン・フェスティバルと疎遠であったのか、不思議に感じたことだろう。
(以上、要約訳)
Roman Kühne
Neue Luzerner Zeitung(新ルツェルン新聞)
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[イーヴォ・ポゴレリッチ ピアノ・リサイタル(川崎/東京)]◆12月6日(金)19時開演
ミューザ川崎シンフォニーホールショパン: ピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調 op.35 「葬送」
リスト: メフィスト・ワルツ第1番
ショパン: ノクターン ハ短調 op.48-1
リスト: ピアノ・ソナタ ロ短調
◆12月8日(日)19時開演
サントリーホール〈ベートーヴェン・プログラム〉
ピアノ・ソナタ第8番 ハ短調 op.13 「悲愴」
ロンド・ア・カプリッチョ op.129 「失われた小銭への怒り」
ピアノ・ソナタ第22番 ヘ長調 op.54
ピアノ・ソナタ第23番 ヘ短調 op.57 「熱情」
ピアノ・ソナタ第24番 嬰ヘ長調 op.78
チケット料金 ◎好評発売中S¥13,000 A¥10,000 B¥7,000 C¥5,000 (両日とも)
→
チケットのお申し込み[イーヴォ・ポゴレリッチ ピアノ・リサイタル(名古屋)]◆12月4日(水)19時開演
三井住友海上しらかわホール曲目:
《ベートーヴェン・プログラム》
ピアノ・ソナタ第8番 ハ短調 op.13「悲愴」
ロンド・ア・カプリッチョ op.129 「失われた小銭への怒り」
ピアノ・ソナタ第22番 ヘ長調 op.54
ピアノ・ソナタ第23番 ヘ短調 op.57 「熱情」
ピアノ・ソナタ第24番 嬰ヘ長調 op.78
チケット料金S¥14,000 A¥12,000 B¥10,000
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チケットのお申し込み→
イーヴォ・ポゴレリッチ プロフィール