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2013/10/02 | ニュース

◆北村朋幹が語るSonata quasi una Fantasiaの深奥 ~トッパンホール≪エスポワール・シリーズ≫に向けて




 ドイツで研鑽中の北村朋幹、22歳。
 独自の角度から作品に明晰な光を当て、その新たな姿を見出していくアプローチが魅力の若きピアニストが、このたび初めて自らのシリーズに挑みます。
 トッパンホールという舞台で創る3回の真剣勝負、≪エスポワール・シリーズ≫。その第1回は、ソロ・リサイタルです。
 本番直前、北村が”今” の想いを語ります。

 


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 Sonata quasi una Fantasia(幻想曲風ソナタ)。ベートーヴェンが彼の2つのソナタに与えたこの題名は、演奏する者には何かとても独特で、その言葉だけで無限に想像が広がるような、魅力的な響きがします。
 演奏という行為の醍醐味は、1枚の紙に白黒印刷された、作曲家が遺した無数の手掛かりを如何に読み取り、本質的でいながらもどこまで想像的な音に変換できるか、そしてその音たちを如何に紡いで、現実世界のどこにもないような世界を描けるか、というようなところにあると思うのですが、この2つのソナタにはそういった可能性、奥行きが無限に秘められています。曲中何度か現れる、どれだけ綿密なプランニングをしても絶対に掴みきれないほどの自由なFantasia(幻想)の部分は、まるで人の心の深奥にある混沌がそのまま露わになったようで、そこに僕は、作曲者自身ですら知り得なかった、“彼”の姿があるように思います。
 この本当に素晴らしい連作を、一度に弾かせていただくのは今回が初めての経験になります。公演まであと1週間、方向性は段々と見えつつも幽か、当日どのような演奏になるのか、実はまだ自分でも想像がつきません。この常に移ろう心(混沌)に残された時間にたっぷり向き合いつつ、本番を楽しみにしています。


北村朋幹
2013年10月


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【公演情報】
2013/10/12(土) 17:00開演
会場:トッパンホール

【プログラム】
シューマン:森の情景 Op.82
ホリガー:《パルティータ》より 〈舟歌〉
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第14番 幻想曲風ソナタ 嬰ハ短調 Op.27-2 《月光》
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第13番 幻想曲風ソナタ 変ホ長調 Op.27-1
バルトーク:野外にて Sz81

チケットお問い合わせ ⇒ トッパンホールHP

北村朋幹 プロフィール
 

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