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ピアノ ピーター・ゼルキンPeter Serkin

PROFILE


 情熱的かつ高潔な芸術家として知られる米国出身の名ピアニスト。5世紀におよぶ広範なレパートリーを誇り、オーケストラとの共演、リサイタル、室内楽やレコーディングなどの演奏活動を通して、世界中に音楽作品の真髄を伝えている。
 アドルフ・ブッシュを祖父、ルドルフ・ゼルキンを父に持つ。ホルショフスキー、父ゼルキン、シュナーベルなどのもとで研鑽を積んだ後、1959年、G・セル指揮クリーヴランド管弦楽団との共演でカーネギーホール・デビュー。以後、小澤征爾、ブーレーズ、バレンボイム、アバド、ラトル、レヴァインらの指揮で一流オーケストラと共演を重ねてきた。室内楽ではA・シュナイダー、P・フランク、ヨーヨー・マ、ブダペスト弦楽四重奏団、上海クァルテット、自らも創立メンバーの一人となっているグループ“タッシ”と共に活発な活動を続けてきた。
 20・21世紀の重要な作曲家たちを熱心に支持するゼルキンは、世界初演を任されることも多く、とりわけ、武満徹、ヘンツェ、ベリオ、ナッセン、ゲール、ウォリネン、リーバーソンらが、ゼルキンのために作品を書いている。
 現在、バードカレッジ音楽院で後進の指導にも励んでいる。



●コンサート評から


現代最高の音楽家の一人

10代の頃から大胆で自己主張の強い演奏で注目されたピーター・ゼルキンだが、柔軟さと円熟味が加わった現在、世界で最も思慮深く、個性的な音楽家と言われている。
幅広いレパートリーを持ち、素晴らしいバッハ弾きであると同時に、現代音楽の優れた解釈者であり、武満徹を含む数多くの作曲家が彼に作品を捧げている。
今回のプログラムでは、その武満作品と、武満徹がこよなく愛したバッハの作品に焦点をあてたピーター・ゼルキンならではのプログラミング。バッハは「ゴル トベルク変奏曲」を今までに3度も録音するほど、ピーター・ゼルキンにとってはこだわりのある作曲家である。バッハ/武満の深遠なる宇宙がどのように描き 出されるか、大変期待される。

(ニューヨーク・マガジン誌)

繊細な情感と力にみちたピアノ

N響定期演奏会第1496回、後半に置かれたブラームスは一瞬たりとも気が抜けない緊張に貫かれた演奏だった。ピーターのピアノはこれまで来日していくつ かのリサイタルをきいているが、これほど感銘を受けたのははじめてだ。張りつめた感情から生まれる繊細な情感と力が、大きく音を揺り動かしていく。それは 父ゼルキンの剛直な精神性よりも、もっと繊細で生々しいロマンティシズムであり、それは師であるホルショフスキーに近いものだろう。

(三橋圭介:週間オン・ステージ新聞 2003年10月31日)

ブラームスの奥深い魅力を再認識

ピーター・ゼルキンとN響のブラームスのピアノ協奏曲第1番には、そのマジカル・モーメントがあった。重苦しい絶望感から、祈りを通じて次第に心が開放さ れ、やがて明るい光の元へ。そんなブラームスの心の軌跡を深読み出来るほどの奥行きをたたえた演奏であり、それをソリストとオケが共有していたのが嬉し い。ピーターはソロ・リサイタルでも素晴らしい「ディアベリ変奏曲」と「雨の樹素描」を聞かせてくれたし、現代曲とクラシックの間にアーチをかけることの 出来る現役で唯一のピアニストなのかもしれない。

(片桐卓也:モーストリークラシック 2003年12月号)

 

 

ARTIST NEWS

2017年8月5日に行われた下野竜也指揮/広島交響楽団との共演による「平和の夕べ」コンサートでのブラームス:ピアノ協奏曲第1番の2楽章が「テレビマンユニオンチャンネル」にアップされました。どうごご覧ください。 (2017.10.1)

http://tvuch.com/social/296/
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