



Orchestre de la Suisse Romande
スイス・ロマンド管弦楽団
スイス・ロマンド管弦楽団(OSR)は、1918年にエルネスト・アンセルメによって創設された。これまで700名を超える演奏家たちが歴史を築いてきたOSRは、現在、音楽/芸術監督ジョナサン・ノットのもと、22の異なる国籍をもつ112名の固定メンバーによって構成されている。年間の総公演数は80を超え、そのうち約20公演の会場はスイス国外である。ジュネーヴとローザンヌでの定期公演はもとより、毎年恒例の「国連の日」やジュネーヴ市のためのオーケストラ公演も行い、さらにジュネーヴ大劇場でオペラも演奏している。長年にわたり、歴史的な名録音と、20世紀フランス・ロシア音楽の演奏で高い評価を得てきたOSRは、今や確固たる国際的名声を誇る。
2017年1月、イギリス人指揮者ジョナサン・ノットが音楽/芸術監督に就任。これまで、パウル・クレツキ(1967-1970)、ヴォルフガング・サヴァリッシュ(1970-1980)、ホルスト・シュタイン(1980-1985)、アルミン・ジョルダン(1985-1997)、ファビオ・ルイージ(1997-2002)、ピンカス・スタインバーグ(2002-2005)、マレク・ヤノフスキ(2005-2012)、ネーメ・ヤルヴィ(2012-2015)が音楽監督として、また山田和樹(2012-2017)が首席客員指揮者として、楽団の発展に貢献した。OSRは、現代の管弦楽曲、とりわけスイスの現代作曲家たちの作品の普及と演奏を、つねに楽団の重要な使命の一つに掲げている。実際、世界に冠たるOSRは、同時代の作曲家たちの発掘と支援を通じて、音楽史に大いに寄与してきた。これまでOSRが新作の世界初演を任された作曲家として、イーゴリ・ストラヴィンスキー、ダリウス・ミヨー、アルテュール・オネゲル、フランク・マルタン、アンドレ=フランソワ・マレスコッティ、ベンジャミン・ブリテン、ヴィトルト・ルトスワフスキ、ハインツ・ホリガー、ウィリアム・ブランク、ペーテル・エトヴェシュ、ジェイムズ・マクミラン、パスカル・デュサパン、ミカエル・ジャレルが挙げられる。
2019年に始動したアーティスト・イン・レジデンス制度は、OSRの芸術性をいっそう深めており、レジデント・アーティストたちは、シーズン中に幾度も楽団と活動を共にする機会を得ている。過去に同ポストを担ったアーティストに、作曲家のヤン・ロバン、ミカエル・ジャレル、ピアニストのフランチェスコ・ピエモンテージ、マーク・ペレノウド、ヴァイオリニストのフランク・ペーター・ツィンマーマン、クラリネット奏者のマルティン・フレスト、指揮者のダニエル・ハーディングがいる。OSRが2024/2025年シーズンにレジデント・アーティストとして迎えるのは、サクソフォン奏者のヴァランティーヌ・ミショーである。
OSRは2022年に、アシスタント・コンダクター(副指揮者)のポストも創設した。この新制度によって、有能な若手指揮者たちは、音楽/芸術監督とOSRの活動に密に携わり、演奏会のプログラミング、レコーディング、オペラ、ツアーの準備に関わる機会を得ている。OSRは2024年から、アシスタント・コンダクターを、才能ある女性指揮者に限定して募集していく方針である。
OSRは創成期から、スイス放送協会のフランス語放送局「ラジオ・テレヴィジョン・スイス(RTS)」と密な協力関係を結んできた。これにより、楽団の演奏は早くからラジオで放送され、世界中のあまたのリスナーのもとへ届けられた。またOSRは、デッカ・レーベルから100点以上の録音をリリースしており、その伝説的な名演は、国際的な音楽シーンでの楽団の地位を高めることになった。このほか、OSRが10社を超える国外のレーベルから発表した録音は、多数のレコード賞に輝いている。
世界各地でツアーも行っているOSRは、これまでにヨーロッパ(ベルリン、ロンドン、ウィーン、ザルツブルク、パリ、アムステルダム、モスクワ、サンクトペテルブルク、マドリード)、アジア(東京、ソウル、北京、上海、ムンバイ)、北米・南米の主要都市(ボストン、ニューヨーク、サンフランシスコ、ワシントン、サンパウロ、ブエノスアイレス、モンテビデオ)などの一流のホールで演奏を披露している。名高い国際音楽祭からも引く手あまたのOSRは、2000年以降、ブダペスト春の音楽祭、オランジュ音楽祭、カナリア諸島音楽祭、ルツェルン・フェスティバル、同イースター音楽祭、エクス=レ=バンのロマンティックナイト・フェスティバル、ラジオ・フランス・モンペリエ音楽祭、グシュタード・メニューイン音楽祭、モントルー九月音楽祭、サンタンデール音楽祭、アムステルダムのロベコ・サマーナイト、オーストリアのグラフェネック音楽祭、ロンドンのBBCプロムスなどに出演している。またOSRは、ジュネーヴ湖畔で音楽祭を主宰し、多数の来場者たちを魅了している。2020年夏の第1回開催以来、同音楽祭には、ヨアフ・レヴァノン、マルゼナ・ディアクン、シルバ・オクテット、フランチェスコ・ピエモンテージらがゲスト出演しており、今シーズンにはジャズ・ミュージシャンのマット・ダスクが登場する。
OSRの主たる使命の一つは、未来の観客となる若い聴衆にオーケストラ音楽の魅力を伝えることにあり、若者たちを対象に幅広い活動を展開している。とりわけ、青少年たちのコンサート鑑賞の事前準備となる教育プログラムを作成するワークショップ・シリーズや、より年少の子どもたちに楽器演奏体験も提供する「Concerts pour petites oreilles(小さなお耳のためのコンサート)」、ヴィクトリア・ホールでのファミリー向け演奏会シリーズ、学校公演、児童へのリハーサル公開などを、教育局との協力で行なっている。またOSRは、毎年スイスのフランス語圏を積極的に周り、全州の児童たちに演奏を届けている。
OSRは、ジュネーヴ市、ジュネーヴ州、ヴォー州、ラジオ・テレヴィジョン・スイス、ジュネーヴおよびローザンヌのOSR友の会、そして多数の協賛企業・個人賛助会員から支援を受けている。
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