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2020/04/28 | ニュース

◆こんなときだから・・・公演プログラム冊子より、はみ出しページを特別蔵出し!(5)―― フィラデルフィア管編


今日は、昨12月に来日したヤニック・ネゼ=セガン指揮フィラデルフィア管弦楽団のプログラム冊子から。

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A男: フィラデルフィア管弦楽団のような超有名で超一級、歴史も長いとなると、録音も膨大な量があるよね。B子は好きなCDある?

B子: 私はCD以前、LPレコードの時代に買ったものがたくさんあるわよ。今回の来日公演にちなんだものでいえば、ジェイムズ・レヴァインが指揮したマーラーの「交響曲第5番」(1977年録音)。 あれ、好きだわ。

A: 発売当時、すごく話題になったらしいね。新時代のマーラー演奏だって。

B: そうらしい。今でこそマーラー演奏は百花繚乱だけど、70年代くらいだとワルターやクレンペラーのような伝説的指揮者は別として、バーンスタインの主情的、クーベリックのボヘミア流自然、それからショルティのダイナミックでメカニカルな、といった3つが主流で、レヴァイン&フィラデルフィア管のものはそのどれとも違う・・・織り糸の1本1本が見えるような、明澄なマーラーだったのよね。

A: 今聴いても新鮮。フィラデルフィア管のプレイヤーたちがいかに名手揃いか、というのがその印象を増幅してる。

B: A男くんの好きな録音は?

A: ぼくもたくさんあるけどさ。じゃB子にならって今回のツアー曲目でいえば、ヴォルフガング・サヴァリッシュが指揮したドヴォルザークの「新世界」交響曲(1988年録音)。

B: ドイツのプロフェッサー的マエストロがアメリカの超一流を指揮してのドヴォルザークって想像もつかないわ。

A: それが大ホームラン!当時の批評で、諸井誠さんがクリーンヒットって言い方をしていたけど。この厳格なマエストロがいい具合に豊麗サウンドを引き締め、きちんとした形式感とオケのヴィルトゥオージティが不思議なとけあい方をしているんだ。それでいて自然。チェコの楽団でもこうは・・・といった演奏が生まれた。一度ぜひ聴いてみて。

B: へえー。それにドヴォルザークがアメリカにいた時書いた、というのも関係あるのかな?アメリカの楽団だからこそ、曲の中にある、作曲家が汲んだアメリカ音楽のイディオムが滲み出た、とか。

A: あるかもしれない。有形無形のうちにね。
そしてフィラデルフィア管といえば忘れちゃいけないのが、ラフマニノフが自作のピアノ協奏曲第2、3番を弾いた歴史的録音。

B: そうでした!前者がストコフスキー指揮(1929年録音)、後者がオーマンディ指揮ね(1939、40年録音)。

A: ラフマニノフはロシアから亡命してフィラデルフィアに住んでいたからね。この楽団とは切っても切れない関係なんだ。フィラデルフィア管は彼の作品をいくつか初演してる。

B: これを聴くと、ラフマニノフ凄いわよ。20世紀最高のピアニストだということがよくわかる。意外にもさくさくと速いテンポで進むんだけど、あっさり見える中に密度は尋常じゃない。

A: クリーヴランド管を指揮していた大指揮者ジョージ・セルの言葉も有名だよね。ラフマニノフの「パガニーニの主題による変奏曲」のリハーサルで、「そこはフィラデルフィア管のような響きを出してくれ」って。
 

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