Ayana Tsuji
Violin Recital

辻 彩奈 ヴァイオリン・リサイタル 

Violin: AYANA TSUJI
Piano: EMMANUEL STROSSER

©Makoto Kamiya

DATE

2025.3.18tue.
19:00

2025年3月18日(火) 19:00 開演(18:30 開場)

VENUE

東京/紀尾井ホール

PROGRAM

イザイ
悲劇的な詩 Op. 12
フランク
ヴァイオリン・ソナタ イ長調
ルクー
ヴァイオリン・ソナタ ト長調

TICKET

  • S¥5,000
  • A¥3,000

主催:KAJIMOTO
協賛:名古屋宗次ホール
後援:株式会社 ソニー・ミュージックレーベルズ

TICKET

一般発売
2024年10月10日(木)10:00


俊才の深化を示す
意味深長な名曲リサイタル

辻彩奈の活躍と進化は目覚ましい。艶やかな音で奏される訴求力抜群の音楽は、様々な経験を経て語彙やスケール感をグングンと増している。中でも肝となっているのが隔年で行う紀尾井ホールでのリサイタル。ここで彼女は、2019年のバッハ無伴奏全曲をはじめとする意欲的な演目を披露し、深化を印象付けてきた。すなわちこれは辻の今を濃密に表す重要な公演なのだ。

今回のポイントはエマニュエル・シュトロッセとの共演。弦楽器奏者の信頼厚いこのフランスの名手は、温かく滋味深い音楽を紡ぎ出す。辻も19年と20年のラ・フォル・ジュルネ・ナントでの共演で手応えを得たが、21年の紀尾井ホール公演で予定された彼の出演はコロナ禍で叶わなかった。ゆえに今回は正真正銘“待望”の共演となる。プログラムはフランス・ベルギー派に因んだベルギー作曲家の作品。哀愁が漂うイザイの「悲劇的な詩」に、超ポピュラーなフランクのソナタ、情熱と叙情味に溢れた名曲ルクーのソナタが続く。両ソナタはイザイのために書かれた作品で、しかもルクーはフランクの弟子という、意味深い内容だ。中でもフランクのソナタは、22年に辻がアルゲリッチと生気漲る快演を2度展開しているだけに、より進化した今シュトロッセと奏でる音楽に注目が集まる。

辻が、フランスで大家パスキエに学んだ成果も生きる演目を、エスプリ豊かな名手と組んでいかに聴かせるか? そこには稀有の俊才の新境地と更なる深化が待っている。

柴田 克彦(音楽評論家)


©Makoto Kamiya

辻 彩奈 (ヴァイオリン) 
Ayana Tsuji, Violin

1997年岐阜県生まれ。東京音楽大学卒業。2016年モントリオール国際音楽コンクール第1位。モントリオール響、スイス・ロマンド管、トゥールーズ・キャピトル管、N響、読響、都響など国内外の主要オーケストラと共演している。2018年「第28回出光音楽賞」、2023年「第24回ホテルオークラ音楽賞」を受賞。小林健次、矢口十詩子、中澤きみ子、小栗まち絵、原田幸一郎、レジス・パスキエの各氏に師事。2020年、自らが権代敦彦に委嘱した「Post Festum」を世界初演。コロナ禍にあって国内公演の代役で幅広く活躍したことは、レパートリーを広く拡充すると共に、経験を深く積むことにつながった。NPO法人イエローエンジェルより貸与のJoannes Baptista Guadagnini 1748を使用。



©Jean-Baptiste Millot

エマニュエル・シュトロッセ(ピアノ) 
Emmanuel Strosser, Piano

出身地であるストラスブールで音楽を学び始めた後、パリ国立高等音楽院にてピアノをジャン=クロード・ペヌティエに、室内楽をクリスチャン・イヴァルディに師事。レオン・フライシャー、ドミトリー・バシキーロフ、マリア・ジョアン・ピリスにも教えを受けている。フィレンツェ国際室内楽コンクールで入賞を果たし、1991年のクララ・ハスキル国際ピアノ・コンクールのファイナリストに選出された。クフモ音楽祭、プラード音楽祭、ラ・ロック・ダンテロン、モナコの春の芸術祭、ラ・フォル・ジュルネ(ナント、ビルバオ、東京、リオ)など、ヨーロッパの主要な音楽祭に招かれている。