SIR ANDRÁS SCHIFF
PIANO RECITAL

サー・アンドラーシュ・シフ
ピアノ・リサイタル 2023

Piano

Sir András Schiff

ⒸNadia F Romanini

DATE

2023.9.29fri.
19:00

2023年9月29日(金) 19:00 開演(18:30 開場)

PROGRAM

曲目は、当日ステージ上でシフのトークを交えながら発表されます

TICKET

  • S¥15,000
  • A¥12,000
  • B¥8,000

主催 : KAJIMOTO

DATE

2023.10.1sun.
17:00

2023年10月1日(日) 17:00 開演(16:30 開場)

PROGRAM

曲目は、当日ステージ上でシフのトークを交えながら発表されます

TICKET

  • S¥15,000
  • A¥12,000
  • B¥8,000

主催 : KAJIMOTO

TICKET

カジモト・イープラス会員限定先行受付
2023年6月29日(木)12:00〜7月2日(日)18:00

一般発売
2023年7月8日(土)10:00

前進を続けるシフ
静かで自由な集中を伴う、開かれたコンサートへ

「現代最高の鍵盤奏者のひとり」アンドラーシュ・シフ。

単に“ピアニスト”とするより、この方が適切だろう。彼はフォルテピアノも弾き、先日はクラヴィコードによるJ.S.バッハ作品集の録音までリリースしたのだから。シフのピアノは若い頃から明るい自発性に溢れ、それでいて作曲家の“精神”がそのまま透けて届くような演奏をしていた。今もそれは変わらず、音はより美しい深みを湛え、いっそう自身の個性を反映し、そこには矛盾がなく自然な合一がある。シフは絶えず前進を続ける。

「前進」。シフは前回の日本公演において、たっての希望で「曲目は事前に決めず、ステージ上で話を交えながら発表する」という形態のリサイタルを行った。聴衆ははじめ戸惑ったが、最終的には多くの方がそれを愉しみ、音楽との新鮮な出会いを味わった。シフは公演プログラム冊子のインタビューでこう語っている。「パンデミックの辛い時期に色々なことを考えました。クラシック音楽にはどんな未来が待っているのでしょう?予測可能なコンサートは良いことなのか?私たち演奏家にとっても、その日その会場、楽器によって条件が変わるのですから、曲目の選択もそれによって自発的であるべきですし、トークを交えることで聴衆と演奏者の間の壁を取り払えるのではないか」。

それは3時間半を超えるものとなったが、持ち前のユーモアと強い意志が反映した、シフ自身の想像をも上回る結果になったのでは。そこで響いたバッハ、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンらの音楽自体もより自由に飛翔していた。もちろん、シフのこれまでの膨大な音楽力の蓄積があってのことだ。蓄積したのは、日本の聴衆との信頼関係も然り。

今回もシフはこのスタイルでコンサートを行う。再びあの静かで自由な集中を伴った、至福の時間と空間が待っている。私たちも再び彼の挑戦を愉しもう。

MESSAGE
from
Sir András Schiff


今回の演奏会は、確かに私が普段おこなっているレクチャーやレクチャー・コンサートの延長線上にありますが、それだけにとどまりません。このアイデアが頭に浮かんだのは、私たち演奏家が演奏する機会を失ったパンデミックのさなかでした。

クラシック音楽には、どんな未来が待っているのでしょう? 

昨今、コンサートはきわめて“予測可能なもの”になりつつあります。果たしてそれは良いことでしょうか? 私たちピアニストは、幸運なことに、信じられないほど豊富なレパートリーに囲まれ、あまたの傑作の中から演奏曲を選ぶことができます。しかし、その選択は自発的であるべきです。今回の私の選択は、その時の気分のみならず、会場や、その音響、さらに楽器によって変わります。当日の朝にコンサートホールへ行き、インスピレーションを得て、その日の夕刻に自分が何を弾きたいのか思いめぐらすことになります。もちろん、そのためには沢山の曲を手の内に収めておく必要がありますが……。さらに舞台上でのトークによって、聴衆と演奏家のあいだに在る壁や境界を取り払うことも、企画のねらいです。私たち演奏家は、聴衆の方々と同じ人間であり、他の惑星からやって来た生き物ではないのですから。
聴衆の皆様には、ぜひサプライズと新しい発見を体験していただきたいと思っています。
きっとお楽しみいただけると思います。

サー・アンドラーシュ・シフ

Sir András Schiff | Schubert Lecture-recital – Live at Wigmore Hall