© C. DAGUET
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ARTIST
COMPOSER

Michael Jarrell

ミカエル・ジャレル

1980年代にデビューして以来、ミカエル・ジャレルは、自身が関心を寄せる絵画や彫刻、舞踊、文学から触発されながら作曲活動を展開してきた。彼の音楽は、20世紀の西洋音楽の歩みを特徴づける知的潮流の中に位置する。この上なく繊細なパッセージと雄弁で表情豊かなパッセージのあいだを行き来するジャレルの書法は、オーケストラの色彩や響きを細部まで掘り下げようとするソリストたちに大きな解釈の余地を残してもいる。

エマニュエル・パユ、ルノー・カプソン、タベア・ツィンマーマン、イリア・グリンゴルツ、フランソワ・ルルー、ポール・メイエ、ベルトラン・シャマユをはじめとする数々の一流ソリストたちがジャレルに新作を委嘱し、彼の新曲を初演し、彼の音楽を好んで取り上げている。今日、ジャレルの作品は演奏会のプログラムにおいて重要な地位を占めている。

テクストがはらむ幾つもの多様な解釈の可能性を探求するジャレルが手がけた主な舞台作品として、《Cassandre(カッサンドラ)》(1993〜1994, 原作:クリスタ・ヴォルフ)、《Galilée(ガリレイ)》(2005, 原作:ブレヒト)、《Le Père(父)》(2010, ハイナー・ミュラー原作)、《Siegfried, nocturne(ジークフリート、夜想曲)》(2013, 台本:オリヴィエ・ピィ、出演:ボー・スコウフス)、《Bérénice(ベレニス)》(2018, 原作:ラシーヌ、出演:バーバラ・ハンニガン、ボー・スコウフス、演奏:フィリップ・ジョルダン指揮パリ国立歌劇場管弦楽団)が挙げられる。

1958年ジュネーヴ生まれ。ジュネーヴ音楽院でエリック・ゴディベールに作曲を師事したのち、フライブルク・イン・ブラスガウのフライブルク音楽大学に留学し、クラウス・フーバーのもとでさらなる研鑽を積んだ。

1991年10月から1993年6月まで、フランス国立リヨン管弦楽団のレジデント・コンポーザーの地位にあった。1996年にはルツェルン・フェスティバルのレジデント・コンポーザーを務め、2000年にはヘルシンキの現代音楽祭ムジカ・ノヴァで大々的に作品が紹介された。ザルツブルク音楽祭からの委嘱により2001年に《Abschied(別れ)》を発表。

1993年からウィーン国立音楽大学の作曲教授として教鞭を執り、2004年からはジュネーヴ音楽院の作曲教授も務めている。ジュネーヴ在住。ベルリンの高等研究所から招聘され、2015年9月から一年間、同地に滞在した。

Official Web Site
michaeljarrell.com

#6 Michael Jarrell | #swissmusicprize winners 2019

DISCOGRAPHY