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チェンバロ 中野 振一郎NAKANO Shinichiro

PROFILE


豊かな表現力と企画力が光る、日本を代表する名手。ヴェルサイユ、バークレーの古楽音楽祭やライプツィヒ・バッハ・フェスティバルなど多くの音楽祭より招かれる。1991年、K. ギルバート、B. ファン・アスペレンらと共に名誉ある「世界の9人のチェンバロ奏者」に選ばれた。1999年にはオーケストラ・ディレクターとしてコレギウム・ムジクム・テレマンを率いた。2004年度文化庁芸術祭大賞、09年レコードアカデミー賞など受賞多数。10年、音楽之友社より『チェンバロをひこう~憧れの名器をはじめるための名曲集』を出版。
 京都出身。1986年、桐朋学園大学音楽学部演奏学科(古楽器専攻)卒業。
 1990年10~11月に大阪で開いた4回連続の独奏会「ヨーロッパ・チェンバロ音楽の旅」により「大阪文化祭金賞」等を受賞。翌年7月にはフランスの 「ヴェルサイユ古楽フェスティバル」のクープラン・サイクルに出演。ケネス・ギルバートやボブ・ファン・アスペレンら欧米を代表する名手と肩を並べ「世界の9人のチェンバリスト」の一人に選ばれる。
 1992年6月、「バークレー古楽フェスティバル」へ最年少の独奏家として招かれる。
 1993年にはロンドンの独奏会場ウィグモア・ホールのデビュー・リサイタルを開き、「日本人には珍しいパーソナリティーを持っている」と的確な評価を受けた。
 1994年10~12月、サイモン・スタンデイジとの二重奏を含む3回連続の演奏会「チェンバロ三夜物語」を東京で開き、その「豊かな表現」(音楽評論家・岡部真一郎氏=日本経済新聞)が改めて注目を集めた。
 1995年3・6・10月と日本経済新聞社主催の「日経リサイタルシリーズ/ワークショップ オブ ミュージック」に出演し、「柔軟・自由・ほどよい即興で自然体、“楽興の時”をきざんでゆく」(音楽評論家・故中河原理氏=1995年6月19日付朝日新聞・夕刊)、「さりげない素顔を見せるこの若い音楽家は、間違いなく、日本が世界に誇るべき名手である」(音楽評論家・岡本 稔氏=1995年10月20日付日本経済新聞・夕刊)と評された。
 1999年2月のドイツ招聘演奏旅行ではコレギウム・ムジクム・テレマンを率いて見事に聴衆を沸かせ、ソリストとしてだけではなく、オーケストラの音楽を構成するディレクターとしての魅力を国際的にアピールした。同年10月にはバッハの大曲「ゴルトベルク変奏曲」をCD収録しリサイタルを開催。「各変奏が持つ世界を可能な限り忠実に描出しようとする真摯な姿勢には心を打たれる」「先人たちの遺産を鑑み、大地をしっかり踏まえた中野の解釈の方が説得力が大きい」「この基本的な解釈にさらなる年輪が刻まれるのを見守っていきたい」(音楽評論家・岡本稔氏=1999年11月9日付日本経済新聞・夕刊)と絶賛された。
  2003年5月末にはドイツより日本から唯一招聘を受け、「バッハ・フェスティバル・ライプツィヒ2003」に出演。ソロ演奏会及びコレギウム・ムジクム・テレマンとの共演等、ソリストあるいはミュージックディレクターとしての力量を遺憾なく発揮。中でもライプツィヒにおける「ゴルトベルク変奏曲」は特筆すべき公演で、現地でも高い評価を得た。この様子はNHK教育テレビ「芸術劇場」にて放映され国内でも話題を呼んだ。
 2004年7月から8月に掛けて行ったドイツでの単独リサイタルツァーでは現地でも大絶賛され、同年10月に開催したリサイタルは「平成16年度文化庁芸術祭・大賞」を受賞した。
 2011年に、年1回・全6回のリサイタル・シリーズ「F.クープランの全景~中野振一郎によるオルドル全曲公演」(主催:日本テレマン協会)を上野の東京文化会館にてスタート。
 毎年、アジア最大級の音楽祭「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」(東京)でも個性的なリサイタル・プログラムを披露し好評を博している。近年は、幅広いレパートリーと楽しいトークによるレクチャー・リサイタルも日本各地で高い人気を呼んでいる。
 録音にも意欲的で、フランス、イタリア、ドイツ各国の作曲家の作品による多数のソロ・アルバムをリリース。中でも2000年にリリースした「ゴルトベルク変奏曲」ではヒストリカル・チェンバロとモダン・チェンバロによる演奏とをあわせて収録し、レコードアカデミー賞に輝いた。コレギウム・ムジクム・テレマンとの共演によるCDも2000年以来多数リリースしている。2004年5月にはバッハの「フランス組曲」を発表(レコード芸術の特選版)。「パーセル作品集」では2009年度第47回レコードアカデミー賞(音楽史部門)に輝いた。2010年には「エリザベス朝のヴァージナル音楽」と「太陽王ルイ14世時代のクラヴサン音楽」を同時リリースし話題を集めた。デビュー25周年を記念した「チェンバロ名曲集」(若林工房)および「デュフリ全集」(コジマ録音/浜松市楽器博物館コレクションシリーズ)も好評を博している。最新盤は、「大いなる転換期の音楽 ~18世紀英国王室とカークマンの時代~」(2012、コジマ録音/浜松市楽器博物館コレクションシリーズ)。
 著書に『チェンバロをひこう~憧れの楽器をはじめるための名曲集』(2010/音楽之友社)がある。
 京都市立芸術大学、大阪・相愛大学、名古屋音楽大学で後進の指導にも励んでいる。
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