Yu Kosuge,
Piano
Yu Kosuge, Piano
©RamAir.LLC
主催:KAJIMOTO
共催:東京オペラシティ文化財団
協力:ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル
ご来場の皆様に安心してお聴きいただくため、当公演では新型コロナウイルス感染症に対しての感染予防、拡散防止に細心の注意を払い、様々な対応策を講じた上で公演を実施いたします。
「この大地に縛られたままでいるな
爽やかに力を出し、飛び出せ!
頭と腕は明るい力と共に
どこでも故郷にする私達が太陽を呼べば
どんな悩みもなくなる」
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ(1749-1832)
「さすらいの歌」より
(「ヴィルヘルム・マイスターの遍歴時代」から)
今、私たちはパンデミックという危機に苛まれ、人類が試されていると思わざるを得ない日々が続いています。しかし実際のところ、このような試練を受けている人間は、より一緒に力を合わせないといけないはずなのに、差別や格差などの問題が逆に露わになってきてしまっています。歴史を振り返り、今気づくことから学ぶことが沢山あるのにも関わらず。
そして、音楽家でいることの意味について、社会の中での音楽の存在について、今だからこそ考えさせられています。生きていくために直接必要なものではなくても、心が動かされること、感動することは、人間が共に生きていくために欠かせないことだと信じています。
2017年から始めたFour Elementsは今年最終回を迎えます。今まで、生命にかかせない「水」や「火」、そして魂などの見えないものに焦点をあてた「風」をテーマにプログラミングをしていきましたが、これらはどんどん人間そのものに近づいています。今回の「大地」は、森、緑のような「生」を感じる作品、土にかえるとも言う「死」、そして人それぞれの原点を形作ったかけがえのない故郷をもとに、ピアノ音楽の骨格ともいえる作品の数々をお聴きいただきたいと思います。
この4年間、私にとってFour Elements(水、火、風、土)から連想させられる美しさや残酷さは、人生そのものを反映しているように感じました。
今改めて、このプロジェクトを始動するときに引用した、エンペドクレスの「四元素は「愛(ピリア)」によってひとつの宇宙となり、「憎(ネイコス)」によって離散する、それらはすべて──過去、現在、未来─の源である」という言葉を思い出します。この宇宙を保つためには、「憎」ではなく、私たち人間一人一人が「愛」を齎さないといけない。そうすれば、絶対に希望があるはずだと信じられるのです。
小菅 優
「風が奮い起こす!生きなければ!」
ポール・ヴァレリー(1871-1945)
「海辺の墓地」より
2019年11月29日(金)19時開演
東京オペラシティコンサートホール
「火の力は恵み深い、それを人間が馴らし、
見張るなら」
フリードリヒ・フォン・シラー
(1759-1809)
「鐘の歌」より
2018年9月21日(金)19時開演
東京オペラシティコンサートホール
「わたしが与える水を飲む者は、
永遠に渇くことはない。
わたしが与える水は、
その人の内で泉となって、
永遠の命へとわき出るのである」
新約聖書
(ヨハネによる福音書4:14)
2017年11月30日(木)19時開演
東京オペラシティコンサートホール