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佐藤俊介が第57回サントリー音楽賞を受賞! 佐藤俊介が第57回サントリー音楽賞を受賞!

弊社所属のヴァイオリニスト、佐藤俊介が第57回(2025年度)サントリー音楽賞を受賞いたしました。
サントリー音楽賞は、公益財団法人サントリー芸術財団(代表理事・堤 剛、鳥井信吾)が1969年の鳥井音楽財団設立から実施している「わが国の洋楽の発展にもっとも顕著な業績をあげた個人または団体に贈る賞」となります。
今後とも佐藤俊介の活躍にご注目いただけましたら幸いです。
第57回サントリー音楽賞について
受賞理由
古楽か、モダンか。佐藤俊介は、そうした問いや対立を、過去のものにする可能性を秘めたパイオニアである。
奏法、楽譜、楽器、そうした過去のものに対する敬意と健やかな好奇心を、無限の創造の糧とする。そんな古楽の究極の目的は、人間の普遍性の探究といえるだろう。国境や時代を超え、「人間」そのものを掘り下げる。ゆえに、多様性の宝庫となる。
佐藤は10代の頃、米国で古楽への関心を抱いた。研鑽ののち、今は古楽器とモダン楽器の両方を、分け隔てなく自身の声としている。卓越した国際感覚と語学力も、世界中の音楽家との柔軟なコミュニケーションを促進する礎となった。オランダ・バッハ協会第6代芸術監督を経て、演奏、指揮、指導、教育を通じ、世界各地で自らを飛躍させつつ、次代の才能を育てている。
そうした歩みが昨今、日本の音楽シーンにもさまざまな恵みをもたらしている。東京交響楽団への客演は、聴衆以上に奏者たちにセンセーショナルな目覚めをもたらした。東京藝大チェンバーオーケストラへの指導、およびみずみずしい即興精神にあふれるスリリングな弾き振りは、若い奏者たちの視野を大きく世界へと開かせ、音楽に生きる人生の幸福を再認識させるものとなった。フォルテピアノのスーアン・チャイと各地で敢行したベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ全曲演奏も、遊び心と挑戦心を前面に出し、受け身ではない能動的な「聴き方」を聴衆に提案。音楽業界を大いに触発した。
そして昨年、満を持してロマン派以降の音楽を主な対象とする古楽オーケストラ「Past Forward Ensemble(PFE) 」を創設。今年5月、独ケルンで船出する。過去へと向かう探究心を、未来を編む力とする。そんな志を託された名称の通り、あらゆる偏見や先入観を取り払い、より自由な精神で、音楽と人々を連ねてゆくことを目指している。
分断に歪み、混迷を深めるいまの時代において、佐藤は芸術家にしかできないことをきわめてアクチュアルに示し続けている。楽しむだけではなく、思考を突き動かすためにこそ、音楽を。今回の贈賞は、そうした佐藤のビジョンを照らし、クラシック音楽の未来の一翼を担うひとりとして、今後の歩みへの期待を示すもの
である。
(吉田純子委員)