音楽朗読劇「借りた風景」

~明子さんの被爆ピアノ、その記憶とともに~
Narratorio “Borrowed Landscape” in Hiroshima



illustration by Akira Kusaka

DATE

2025.2.16sun.
15:00

2025年2月16日(日) 15:00 開演(14:30 開場)

PROGRAM

Message「明子さんのピアノ」から
お話:二口とみゑ(HOPEプロジェクト代表)
 
音楽朗読劇 「借りた風景」(日本語上演)
脚本:タウフゴルト 作曲:藤倉大
Narratorio “Borrowed Landscape”
Script by tauchgold / Music by Dai Fujikura
翻訳:中村真人(協力:那須田瑛)
 
 ヴァイオリン:北田 千尋
コントラバス:エディクソン・ルイス
ピアノ:小菅 優
朗読:大山 大輔、多和田 さち子、西名 みずほ、日髙 徹郎

*「明子さんの被爆ピアノ」によって演奏される場面が一部分あります。

TICKET

  • 全席自由席 3,500円

主催:一般社団法人 HOPEプロジェクト 
制作:KAJIMOTO

協力:広島交響楽協会、広島女学院中学高等学校、広島テレビ
助成:(公財) ヒロシマ平和創造基金『ヒロシマピースグラント』
後援:広島県、広島市、広島県教育委員会、広島市教育委員会、広島女学院同窓会、朝日新聞広島総局、中国新聞社

TICKET

一般発売
2024年12月19日(木)10:00 ~

借りた風景

第二次世界大戦で生き残った実在する3つの楽器
今を生きる架空の音楽家の視点で、
それらの楽器が歩んできた歴史とその記憶が語られる

楽器は、モノは、持ち主の手を、かつてあった場所を記憶しているのだろうか…

被爆80周年の広島で、
戦争と平和、避難と追放の歴史に思いを馳せる


音楽朗読劇 「借りた風景」
Narratorio “Borrowed Landscape”

第二次世界大戦中、ブダペストの地下室に何年も閉じ込められていたヴァイオリンの名器ストラディヴァリウス。1939年、ポーランドからイスラエルの地に逃れる際に置き去りにされたコントラバス。広島の原爆で若い持ち主を失い、沈黙したピアノ(「明子さんのピアノ」)。

21世紀初頭、これらの楽器は再発見され、新たな音楽的な命が吹き込まれた。3つの楽器の史実を土台としながら、今を生きる3人の架空の音楽家の視点を通じて、これらの楽器が歩んできた歴史とその記憶が語られる。虚構と現実が混在しながら、戦争と平和、避難と追放、そして人びとに美と相互理解をもたらす芸術の意義という普遍的な主題を問いかける。

ドイツ ラジオ放送初演時 予告動画 
*映像中、小菅優(ピアノ)のみが今回公演出演メンバーです。

本作の脚本家、タウフゴルトはこう語る。

「数百年にわたり弾き継がれ、戦争や平和の時代を乗り越えてきたヴァイオリンがあります。ヴァイオリニストは寄贈者から楽器を借りているだけでなく、いつか返却するときまで、ある意味で時間を借りているといえます。つまり、楽器は演奏者を単なる現在から、音楽的、政治的、社会的な歴史へと拡げるのです」

タウフゴルトは、借景で知られる京都の圓通寺を訪れたときの強い印象から、本作を『借りた風景』と名付けた。


脚本:タウフゴルト Script by tauchgold
ドイツを拠点にハイケ・タウフ(Heike Tauch)とフロリアン・ゴルトベルク(Florian Goldberg)によるユニットで、ラジオ、舞台のフィールドで社会風刺、歴史ドラマ、哲学的な内容をテーマとした作品を手掛けてきた。
https://tauchgold.de/

*音楽朗読劇 「借りた風景」(Narratorio “Borrowed Landscape”)脚本の著作権管理: henschel SCHAUSPIEL

作曲:藤倉大 Music by Dai Fujikura
15歳で単身渡英し、J.ベンジャミンらに師事。1998年セロツキ国際作曲コンクールに当時最年少で優勝したのをはじめ、これまでに数々の作曲賞を受賞。国際的な委嘱を手掛け、NHKなどのテレビ番組への楽曲提供も多数手がける。
https://www.kajimotomusic.com/artists-projects/dai-fujikura/


明子さんの被爆ピアノとは

撮影:中奥岳生

1926年アメリカBaldwin社製。ロサンゼルスで生まれた河本明子さんが愛用し、1933年一家と共に広島へ。1945年8月6日 原爆投下。学徒動員作業中に明子さんは被爆し、翌7日夕方「急性放射能障害」のため19歳の生涯を閉じました。ピアノも爆風により、多くのガラス破片で傷つきました。2005年8月、調律師 坂井原浩氏による困難な修復作業により、被爆60周年平和祈念「被爆ピアノ・チャリティーコンサート」にて美しい音を響かせました。以来、あの日の出来事を現在へ伝える貴重な「被爆遺品」として平和の調べを奏でています。このピアノは一般社団法人 HOPE プロジェクトが所有し、広島市平和記念公園レストハウスにて保管・展示しています。
https://www.akikos-piano.com/

本公演では劇中、藤倉 大:「Akiko’s Diary」を実際の明子さんのピアノによって演奏し、ご本人の日記の一部も朗読されます。

小菅優による、明子さんのピアノでの演奏 藤倉 大:「Akiko’s Diary」

小菅優コメント 藤倉 大:「Akiko’s Diary」について

PERFORMERS

演奏 Musicians

ヴァイオリン:北田千尋 (広島交響楽団コンサートマスター)
Chihiro Kitada, Violin
広島市出身。桐朋学園大学音楽学部卒業、同大学院修士課程修了後、ブリュッセル王立音楽院に留学。数々の国際コンクールに入賞。広島県教育委員会より「メイプル賞」、広島市長より「フェニックス賞」受賞。日本フィルハーモニー交響楽団、スロヴァキア放送交響楽団など国内外のオーケストラと共演。カルテット・アマービレのメンバーとして活動し、第65回ARDミュンヘン国際音楽コンクール弦楽四重奏部門にて第3位及び特別賞受賞。2024年7月広島交響楽団コンサートマスターに就任。
https://www.chihirokitada.com/

コントラバス:エディクソン・ルイス(ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団)
Edicson Ruiz, Contrabass
1985年カラカス生まれ。ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団メンバー。11歳でコントラバスを始め、ベネズエラの音楽教育システム「エル・システマ」のオーケストラに所属。15歳で、米インディアナポリスで開催されたソロコンクールに優勝。17歳でベルリン・フィルのオーディションに合格。これまでにザルツブルク音楽祭、ルツェルン音楽祭をはじめ、多くの著名なオーケストラと共演しているほか、室内楽の活動も精力的に行っている。
https://www.kajimotomusic.com/artists-projects/edicson-ruiz/

©Takehiro Goto

ピアノ:小菅 優  
Yu Kosuge, Piano
2005年カーネギーホールで、翌06年にはザルツブルク音楽祭でそれぞれリサイタル・デビュー。ドミトリエフ、デュトワ、小澤等の指揮でシュトゥットガルト放送響やスイス・ロマンド管などと共演。10年ザルツブルク音楽祭でポゴレリッチの代役として出演。その後も世界的な活躍を続ける。現在は様々なベートーヴェンのピアノ付き作品を徐々に取り上げる新企画「ベートーヴェン詣」に取り組むほか、「ソナタ・シリーズ」も進行中。14年に第64回芸術選奨音楽部門 文部科学大臣新人賞、17年に第48回サントリー音楽賞受賞。
https://www.kajimotomusic.com/artists-projects/yu-kosuge/

朗読 Narrators

©Yoshinobu Fukaya

大山 大輔 (バリトン歌手・役者)
Daisuke Oyama
東京藝術大学首席卒業。同大学院オペラ科修了。“井上道義×野田秀樹”による《フィガロの結婚》フィガ郎や、佐渡裕指揮《メリー・ウィドウ》のダニロ、手塚治虫原作・宮川彬良作曲 歌劇《ブラック・ジャック》タイトルロール、など独自性の強い作品での主役として圧倒的な存在感を示している。また役者として演劇作品への出演や、劇団四季ミュージカル《オペラ座の怪人》ではタイトルロールとして客演するなど幅広く活躍。洗足学園音楽大学ミュージカル・声楽コース講師、カクシンハン・スタジオ(演劇研修所)講師。
https://www.kajimotomusic.com/artists-projects/daisuke-oyama/

多和田 さち子 (朗読者・Reading Notte代表)
Sachiko Tawata
学習院大学大学院人文科学研究科博士課程修了。文学作品の朗読と音楽による舞台を中心に活動。2008年から朗読団体Reading Notte代表。作品分析や朗読技術の研鑽、朗読公演の構成・演出に努める。東区民文化センター「歌曲のしらべ」、ノートジャパンの邦楽ノート影絵シリーズ、近々では「ピアノで語る朗読劇 金子みすゞ もうひとつの世界」(2024年10月)、NHKFMシアターなどに出演。ほかにReading Giorno代表、ユニット 詩音~うたね~・アンサンブルTYSTA所属。朗読講座講師。はつかいち朗読劇コンクール審査員。「ふだんぎ朗読」チャンネルで朗読配信も行う。

西名 みずほ (広島テレビ放送アナウンサー) 
Mizuho Nishina
1980年生まれ、広島県出身。神奈川県立外語短期大学卒、広島大学文学部卒。2004年広島テレビ入社。夕方ワイドやスポーツ番組MCを経て、現在「テレビ派」中継、「ひろおく便り」を担当。「三四郎のDearボス」などのナレーターを務める。国立広島原爆死没者追悼平和祈念館の被爆体験記朗読ボランティア。2児の母。幼少期からフルートが趣味の母の影響でクラシック音楽を聴いて育ち、ヴァイオリン、ピアノにも親しんできた。同じくこどもの頃から読書や朗読、演劇も好きで大学では英米文学を学ぶ。
https://www.htv.jp/announcer/nishina.html

日髙 徹郎 (朗読者・Reading Notte)
Tetsuro Hidaka
觀風会所属(観世流津田和忠に師事)。20代より勤務の傍ら謡曲を学ぶ。1968年観世流入門。2001年インターネット朗読公開。2004年から2011年までHOPE主催「お話コンサート」出演。2009年から舞台朗読及び演劇出演。2012年から映画出演。主な舞台出演:「Reading Notte朗読夜会第二~九夜」、広島市アステール能楽堂「神歌シテ」など。YouTube朗読:チャンネル名”Ted Hidaka”で配信中。OFFICE KANON.H.C所属


ACCESS

広島女学院中学高等学校 ゲーンスホール
〒730-0014 広島県広島市中区上幟町11-32
広島バス「女学院中高」停留所下車 徒歩約1分 / JR「広島駅」下車 徒歩約12分 
広島電鉄「女学院前」電停下車 徒歩約3分 / 広島電鉄「八丁堀」電停下車 徒歩約10分

※会場には駐車場がございませんので、ご来場には公共交通機関をご利用ください。