Ken-ichi Furube
古部 賢一
日本を代表するオーボエ奏者の一人であり、柔らかく甘い音色と響き、バロックから現代音楽に至る幅広い様式に対応する柔軟性と優れた音楽性が高く評価されている。
東京芸術大学在学中の1991年、弱冠22歳で小澤征爾が音楽監督を務めていた時代の新日本フィルハーモニー交響楽団に首席オーボエ奏者として就任以降、2020年3月まで30年間にわたり大きな功績を残した。現在、同団特任首席奏者。HPAC特別奏者。
1995年から翌年にかけて、アフィニス文化財団 海外研修員としてドイツ国立ミュンヘン音楽大学大学院に留学。これまでに、オーボエを中山和彦、北島章、小畑善昭、小島葉子、ランダル・ヴォルフガング、ギュンター・パッシンに、また室内楽を村井祐児、中川良平の各氏に師事。
イタリア合奏団、ミラノ・スカラ弦楽合奏団、ザルツブルク室内管、東京 フィル、N響室内合奏団など国内外の数多くのオーケストラのソリストとして活躍している。これまでに、ハンブルク北ドイツ放送響(現・NDRエルプフィル)、ベルリン・ドイツ響、シュトゥットガルト室内管などにも客演首席奏者として招かれるほか、ラ・フォル・ジュルネTOYKO、セイジ・オザワ松本フェスティバル(旧・サイトウ・キネン・フェスティバル松本)、宮崎国際音楽祭、木曽音楽祭などにもソリスト、室内楽奏者として定期的に出演。
リサイタルや室内楽にも積極的に取り組み、ドイツを代表するチェンバロ奏者、クリスティーネ・ショルンスハイムとのデュオを国内およびライプツィヒ・バッハ博物館で行うなど、バロック演奏でも高い評価を得ている。
現代作品の演奏も数多く手がけ、メシアンの遺作「4のコンセール」やシュニトケ「オーボエとハープのための協奏曲」の日本初演、また日本を代表する現代作曲家である故・林光のソナタを自ら委嘱・初演している。近年では2016年春、ポリーニ・プロジェクトの一環でベリオ作曲の『セクェンツァVII』を東京文化会館にて好演。また、ピアノの塩谷哲、ギターの渡辺香津美、鈴木大介、箏の野坂惠璃とのコラボレーションなど、ジャンルを超えた活動も展開している。
録音は、ソロ・デビュー・アルバム 『ドルチェ』、ミラノ・スカラ弦楽合奏団と共演した『アマービレ/イタリア・バロック協奏曲集』(以上キングレコード)、鈴木大介(ギター)とのデュオ・アルバム『DAYDREAM』(フォンテック)、『カフェ1930』(キングレコード)などのCDをリリースしている。
東京音楽大学教授、相愛大学特別講師のほか、ソニー国際オーボエコンクール東京、日本音楽コンクール等の審査員を務めるなど、後進の指導にもあたっている。2000年、第10回出光音楽賞受賞。
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