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スペシャル・プロジェクト 音楽による人材育成システム 「エル・システマ」El Sistema

PROFILE

■エル・システマとは 
~「オーケストラは社会の縮図!」~
1975年*ホセ・アントニオ・アブレウ氏の提唱により生まれた、南米ベネズエラで現在約35万人以上の青少年が参加する音楽教育システムです。
政府支援のもと、子どもたちに無償で楽器と音楽指導を提供。子どもたちは、高い演奏技術だけではなく、集団での音楽体験を通じて優れた社会性(忍耐力・協調性・自己表現力)を身につけられるとして、その効果は世界中で注目されています。犯罪や非行への抑止力としても役割を果たし1990年以降は貧困と青少年の犯罪が深刻な問題であるベネズエラで、健全な市民を育成する社会政策の一環として推進されるようになりました。障害者が参加するプログラムや、刑務所内における更生プログラムとしての実施も行われています。
 
エル・システマの理念
1. すべての人が経済的事情を懸念することなく、音楽にアクセスできることを保障
2. 集団(オーケストラ)での音楽活動を通じ、コミュニケーション能力を高める
3. 社会規範と自己の個性の表現を両立することを、音楽体験を通じて学ぶ
*ホセ・アントニオ・アブレウ博士 
元文化大臣、経済学者であり音楽家である氏は、ユネスコ平和大使に任命されており、世界文化賞、旭日大綬賞、ドイツ文化勲章などを受賞。芸術文化が「裕福な一部の人間だけに享受されてはならない」という信念のもとエル・システマを創設した。「音楽は不幸を希望に変える」として音楽の可能性を追求している。2012年ノーベル平和賞ノミネートの個人188人のうちの1人。
 
 
世界的な音楽家も輩出!
高い音楽性と、参加することで生まれる社会的な有益性が共存していることが、エル・システマの特徴です。
■「百年に1人の天才」と称されるロサンゼルス交響楽団音楽監督グスターボ・ドゥダメル。
■ベルリンフィルハーモニー交響楽団首席コントラバス奏者のエディクソン・ルイス。■サイトウ・キネン・フェスティバル2011でサイトウ・キネン・オーケストラを指揮したディエゴ・マテウスや共演したフランシスコ・フローレス
■ユース・オーケストラの中でトップの実力を誇るベネズエラ・シモン・ボリバル交響楽団(旧:シモン・ボリバル・ユース・オーケストラ・オブ・ベネズエラ)は、ルツェルン・フェスティバルをはじめ世界各地の音楽祭から招待。その高い音楽水準はクラウディオ・アバドやサイモン・ラトルからも評価されている。
 
◆エル・システマのしくみ
・ 教室はベネズエラ全土に約190か所。現在170以上の青少年オーケストラと70以上の児童オーケストラが存在。合唱団やブラス・アンサンブルなどを含め約400もの音楽団体が存在。
  • 年齢によって「未就学児オーケストラ」「児童オーケストラ」「青年オーケストラ」と区別されている。この他に選抜の青年オーケストラが各地域に存在し、意志のある子供たちがオーディションを受けて合格したならば入団できるしくみ。
  • 教育プログラムには「スズキ・メソード」を採用。「どの子も育つ」という信念のもと、合奏によって協調性を養いながら感性を磨き美しい心を育て、人間教育をする。
  • 2~5.6歳までの初心者は、最初の3ヶ月のみペーパーオーケストラという実際の楽器に触れる前に行われるクラスを受講。その間に生徒は楽器の取り扱い方、部品の名前、持ち方、構え方などを習う。
  • 設立以来、政権が交代しても政府資金予算は年々増加。社会福祉庁からの助成金。
  • エル・システマで教育を受けた者が成長し、全国の指導員や運営機関の事務員として働くという流れができ、雇用の創出が可能。
 
◆エル・システマと日本の関わり
エル・システマにおける指導法の基礎は、小林武史が1979年ベネズエラに渡り伝えた日本の「スズキ・メソード」(現:才能教育研究会)です。そしてスズキ・メソード発祥の地が松本であることから、2011年のサイトウ・キネン・フェスティバルでは、エル・システマ出身のディエゴ・マテウスがサイトウ・キネン・オーケストラを指揮。フランシスコ・フローレスも共演しました。
 
高校の英語教科書に「エル・システマ」が登場!
2013年春から、高校生が使用する英語の教科書「ユニコーン」にエル・システマが題材として採用されました。
(※教科書写真挿入)
 
◆世界のエル・システマムーブメントと日本の展望 
■現在、世界25ヶ国以上に波及。(ラテン・アメリカ諸国、イギリス、スコットランド、韓国、オーストラリアなど。)
■アメリカでも、ニューイングランド音楽院が2009年に立ち上げた「エル・システマUSA」をリソースセンターとして、全国60-70ヶ所でエル・システマ応用プログラムを実施。
■特にドゥダメルが音楽監督に就任したロサンジェルス交響楽団はエル・システマをベースにした「Take a Stand」という音楽教育プログラムを主導しており、2012年には指導者・研究者を対象にシンポジウムを開催し米国内27州と日本を含め海外13カ国から500人が参加しました。
日本では、一般社団法人エル・システマ ジャパン(Friends of El Sistema,Japan)が福島県相馬市の「音楽による生きる力をはぐくむ事業」と協定し、エル・システマの理念に基づいた子どもオーケストラの設立に取り組んでいます。
 
◆メディアからの注目
 欧米において「世界で最も進んだ音楽教育システム」と評価されているエル・システマですが、日本でも多くのメディアに取り上げられています。
■TV
・2001年1月21日TBS CBSドキュメント「60minutes」
・2009年7月31日 NHK BS1「きょうの世界」
・2010年4月30日 NHK BS1「世界のドキュメンタリー」
・2010年7月24日 BS TBS「未来へのおくりもの」
・2012年2月8日 日本テレビ「一億人の大質問!?笑ってコラえて!」
■新聞
・『東京新聞』2006年1月10日・6月27日夕刊 「コラム放射線」
・『読売新聞』2007年3月13日夕刊「コラム耳の渚」
・『東京新聞』2007年10月7日「私説・論説室から「少年犯罪とオーケストラ」」
・『朝日新聞』2009年1月7日「劇場に行こう」、2月7日「音楽が育む生きる力」
・2011年 時事通信に取り上げられ、地方紙多数に掲載。他、読売新聞など。
■雑誌
Newsweek日本語版「南米の神童がクラシックを熱くする」、2008年1月2日9日合併号
Japan Times「子供の生活の鍵を握る『エル・システマ』」、2008年7月5日
「ソトコト」2009年3月号
Newsweek日本語版「Society & The Arts」、2012年3月7日
■書籍
山田真一(2008)『エル・システマ―音楽で貧困を救う南米ベネズエラの社会政策』教育評論社
山田真一(2011)『貧困社会から生まれた“奇跡の指揮者”~グスターボ・ドゥダメルとベネズエラの挑戦~』ヤマハミュージックメディア
 
◆ディスコグラフィー
DVD
「Promise of Music(プロミス・オブ・ミュージック)」(2008)
「El Sistema(エル・システマ)」(2009)
「Live From Salzburg(ライブ・フロム・ザルツブルク)」(2009)
CD  (Gstavo Dudamel / Simon Bolivar Youth Orchestra of venezuela)
ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」&第7番 (2006)
マーラー:交響曲第5番(2007)
チャイコフスキー:交響曲第5番(2007)
Fiesta (2008)
ストラヴィンスキー:バレエ「春の祭典」 (2008)
(※DVD/CD販売元は全てユニバーサルミュージッククラシック)
 
 
■KAJIMOTOエルシステマ室
エル・システマ出身の音楽家やオーケストラの招聘、日本人アーティストのベネズエラへの派遣・交流事業を行っています。
エル・システマの高い音楽的内容だけでなく、教育・社会的な意義が広く認知されることを目標として掲げ、通常のコンサートに限らず、教育プログラムにも力を注いでいます。現在は英語の教科書を使用している学校でのワークショップなどを開発しています。
 
招聘実績と予定
2008年]
12月    シモン・ボリバル・ユース・オーケストラ・オブ・ベネズエラ日本公演
(※冊子のPDF挿入)キャプション→「オフィシャルレポート」
 
2010年]
10/12月 フランシスコ・フローレス招聘(東京交響楽団、札幌交響楽団と協演。) 
シモン・ボリバル金管五重奏団日本ツアー
 
2011年]
2 藤倉大がグスターボ・ドゥダメル30歳とエル・システマ36周年を祝って新作「Tocar Y Luchar for orchestra」を献呈、ドゥダメル指揮で世界初演。
3 エル・システマ・ユース・オーケストラ・オブ・カラカス(指揮:クリスティアン・バスケス / ディートリヒ・パレーデス)(震災の為中止)
8月 フランシスコ・フローレス(リサイタルおよびサイトウ・キネン・オーケストラと協演、岩手県立大船渡高校でのワークショップ)
11 エディクソン・ルイス(桐朋学園、都立日比谷高校でのワークショップ、千葉県少年少女オーケストラの指導)
 
[2012年]
10 シモン・ボリバル弦楽四重奏団日本ツアー
 
[2013]
10月 エル・システマ・ユース・オーケストラ・オブ・カラカス(指揮:ディートリヒ・パレーデス/アンドレス・リヴァス)日本ツアー予定。
※東京を中心にEl Sistema Festival開催予定。
 
 
将来の交流事業計画に参加予定のアーティスト
◆指揮者
グスターボ・ドゥダメル、クリスチャン・バスケス、ディートリヒ・パレーデス、ディエゴ・マテウス、マヌエル・フラード、ナビル・シェハタ、ラファエル・パイヤーレ、井上道義 
◆オーケストラ
エル・システマ・ユース・オーケストラ・オブ・カラカス
シモン・ボリバル・ユース・オーケストラ・オブ・ベネズエラ
テレサ・カレーニョ・ユース・オーケストラ・オブ・ベネズエラ
◆アンサンブル
ベネズエラ・ブラス・アンサンブル、シモン・ボリバル金管五重奏団
シモン・ボリバル弦楽四重奏団
◆ソリスト
フランシスコ・フローレス(トランペット)、アレハンドロ・カレーニョ(ヴァイオリン)、エディクソン・ルイス(ベルリンフィル首席コントラバス奏者)、フェリクス・メンドーサ(打楽器)、小菅優(ピアノ)、小曽根真(ピアノ)
◆合唱
ホワイト・ハンド・コーラス
作曲家
藤倉大
 

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