© Håkan Röjder
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ARTIST
CONDUCTOR

Robert Trevino

ロバート・トレヴィー

ロバート・トレヴィーノは、今日の音楽界を担う最もエキサイティングなアメリカ人指揮者の一人として、また同世代中、最も引く手あまたの才能ある指揮者の一人として、瞬く間に頭角を現した。実際ここ3年のあいだに、彼はスペインのバスク国立管弦楽団(旧:エウスカディ管弦楽団)の音楽監督と、スウェーデンのマルメ交響楽団の首席指揮者に就任した。2つの楽団について、トレヴィーノは「音楽に宿る真実に迫るために、人生をかけて鋭意努力しているさなかに、自分と全く同じ情熱を抱く演奏家たちに出会えたとき、全てが意味をなします。そのとき私たちは、何か特別なことが、自分たちの手の届く場所にあると確信することになります。幸運なことに私は、これら二つの特別なオーケストラと結ばれ、それぞれ異なる、しかし補完的なアプローチを追求しています。そして彼らと一緒にいると、音楽を取り巻く大家族の一員であるような感覚をおぼえます」と語っている。

トレヴィーノは2013年12月にボリショイ劇場で、ヴァシリー・シナイスキーの代役としてヴェルディ作曲《ドン・カルロ》の新演出を指揮し、一躍、国際的な注目を浴びることになった。ロシアの聴衆および評論家たちはトレヴィーノの才能を熱狂的に歓迎し、「モスクワではヴァン・クライバーン以来、これほど大きな成功を収めたアメリカ人演奏家はいない」と讃えた。トレヴィーノはすぐさま、ゴールデン・マスク・アワードの「新制作における最優秀指揮者」部門にノミネートされた。さらに、このセンセーショナルな成功を受け、トレヴィーノは複数の世界屈指のオーケストラから共演依頼を受け、指揮台に立った。

しかしながら、トレヴィーノが「一夜にして」手にしたように見える成功は、長年にわたり地道に準備されてきたものである。すでにプロの指揮者としてデビューする以前に、彼は伝統的な学校教育システムと距離を置き、入手可能なスコアを一つ一つ徹底的に学んでいた。彼の才能はまもなくデイヴィッド・ジンマンの目に留まる。トレヴィーノはアスペン音楽祭のアスペン指揮奨学生としてジンマンに師事し、同音楽祭から、ジェームズ・コンロン記念・優秀指揮者賞を贈られた。直後の2011年、トレヴィーノは小澤征爾記念・指揮奨学生としてタングルウッド音楽祭で研鑽を積んだ。さらに、若い音楽家の育成を目的とするニューワールド交響楽団からも招かれ、マイケル・ティルソン・トーマスから指導を受けた。ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団ではレイフ・セーゲルスタムのシベリウス交響曲全曲演奏プロジェクトに助手として関わっている。またトレヴィーノは、エフゲニー・スヴェトラーノフ国際指揮コンクール(フランス)の入賞者でもある。

これまで、シンシナティ交響楽団のアソシエート・コンダクター(2011~2015)、リンカーンセンターのニューヨーク・シティ・オペラのアソシエート・コンダクター(2009~2011)を歴任。

近年は、ますます頻度が高まっていく一流オーケストラへのデビューのために世界各地をまわっている。初共演した主な楽団として、ロンドン交響楽団、ミュンヘン・フィルハーモニック、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団、チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団、サンフランシスコ交響楽団、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団、デトロイト交響楽団、ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団、サンパウロ交響楽団、NHK交響楽団、トロント交響楽団、クリーヴランド管弦楽団、ウィーン交響楽団、オランダ放送フィルハーモニー管弦楽団(アムステルダムのコンセルトヘボウにて)、ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団、ローマ・サンタ・チェチーリア国立管弦楽団、ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団、フランス国立管弦楽団、ベルリン放送交響楽団、ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団が挙げられる。またトレヴィーノは、レコーディング・デビュー(デッカ・レーベル)も果たした。

トレヴィーノは初共演で評判を呼んだ楽団の多くから、再び招かれてもいる。また彼の演奏映像は、仏独共同テレビARTEなどを通じて、たびたび配信されている。2019/2020年シーズンには、バスク国立管弦楽団、マルメ交響楽団、アイルランド国立交響楽団、アントワープ交響楽団のヨーロッパ・ツアーをそれぞれ率いる。同シーズンには、パリ管弦楽団、ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団、オレゴン交響楽団へのデビューのほか、故郷のフォートワース交響楽団との共演も予定されている。さらに、チューリヒ・トーンハレ管弦楽団、サンパウロ交響楽団、ウィーン交響楽団、バンベルク交響楽団、南西ドイツ放送交響楽団、トリノのRAI国立交響楽団とも再び共演する。オペラの分野では、昨シーズンのワシントンD.C.での《エフゲニー・オネーギン》に続き、チューリッヒでの《カルメン》の指揮に期待が寄せられている。

トレヴィーノの公演は、たびたび好評を得ており、ウィーン交響楽団との演奏は、公演レヴュー・サイト「Concertnet」にて「ドヴォルザークの交響曲第7番の威厳に満ちた演奏の後、(アンコール曲で)聴衆は演奏中に手拍子でリズムを取り、最後には喝采を浴びせた。なかには自席で今にも踊り出しそうな観客までおり、会場の熱気は次第に高まっていった」とレポートされている。またチューリヒの『ノイエ・チュルヒャー・ツァイトゥング』紙は、トレヴィーノのトーンハレ管弦楽団への客演を「3公演の初日に(…)会場には熱狂の渦が巻き起こった」と伝えた。

トレヴィーノは、新作の委嘱や初演にも積極的に関わっており、彼が密な信頼関係を築いた多くの優れた現代作曲家に、オーガスタ・リード・トーマス、サー・アンドレ・プレヴィン、ジェニファー・ヒグドン、フィリップ・グラス、シュラミト・ラン、ジョン・ゾーンらがいる。

トレヴィーノは、自身が演奏活動に注いできた愛情について、次のように述べている。「指揮者として歩み始めたごく初期の頃からずっと、私にとって“音楽をする”という行為は、音楽のために全てを捧げるという“選択”に基づいているわけではありません。むしろそれは、抑えがたい欲望に駆られての行為です。周囲の人々は、少しは休んだらどうかと私に助言します。でもいやなのです!私は、自分が音楽の中に見出そうとしているものの核心に、まだ触れることが出来ていません。私の目の前にオーケストラがいて、彼らが時間を一分たりとも無駄にしたくないと、愛を持って真剣にリハーサルに取り組んでくれるとき、そして自分とともに音楽の旅に出てくれる聴衆がそこにいるとき、私は“音楽に携わる人生はなんて素晴らしいのだろう”と実感します。」トレヴィーノの指揮を目の当たりにする者、あるいは普段の彼に接する者は、誰であれ、彼の言わんとすることが理解できるはずである。

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