2011.2. 8(Tue)


●祝・初来日から50年!ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 Vol.1

梅の花が咲いてきました。また少し寒さが戻ってきたとはいえ、春が少しずつでも近づいてくることを感じますね。

リッカルド・シャイー指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団来日公演がいよいよあと3週間と迫ってきました!前回の来日は相当インパクトがあり大反響、新聞・雑誌にも多くとりあげられましたし、実に楽しみです。
タイトルにも書きました通り今回の来日は、「初来日から50年」という素敵な節目の公演なのです。
初来日は1961年で、指揮は当時のカペルマイスターであるフランツ・コンヴィチュニーでした。すごく"ドイツ的"な(?)ドイツ人によるその演奏はガッシリと、文字通り重厚だったようですね。

記念すべき今回のゲヴァントハウス管来日公演に向けて、何回かのシリーズで色々な話題をアップしていきたいと思います。
今日は演奏プログラムについて。






■2人のアントニウス

ブルックナードヴォルザーク、鋭い方はすでにお気づきだと思いますが、ファーストネームが「アントン」と「アントニン」。国が違うので表記は異なりますが、「アントニウス」に由来する、つまりは同じ名前です。
これはシャイーの確信犯的プログラムだったのしょうか?
実はこっそり問い合わせを出しているのですが、返事をいただけていません。
皆さんで考えてくれよ」とニンマリしているのでしょうか?

ただこの2人、名前のことはともかく、
大体同じ頃(ブルックナーは1824-1896、ドヴォルザークは1842-1904ですから後者がやや後輩なくらい)に活動していたわけで、
もちろん作風は相当違うまでも、ブルックナーはハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンに発するドイツ・オーストリア系の直系
ドヴォルザークもまた、当時の交響曲のメインストリームであった、そのドイツ・オーストリア系音楽に自国の要素を注ぎ込んで自らのアイデンティティを世に示した、という面で、案外2人は近いものがあったのではないでしょうか。かのブラームスもドヴォルザークに大いなる才能と共に親近感を感じて、彼を世に出すべく尽力したくらいですから。


■ゲヴァントハウス管のドヴォルザークは(日本で)28年ぶり

これはマエストロ・シャイーが教えてくれました。
以前に日本でドヴォルザークを演奏したのは、1983年の来日時にクルト・マズアの指揮で「交響曲第9番・新世界から」を演奏した以来のことだそうです。

そう聞くと、「そういえばゲヴァントハウス管のドヴォルザークってピンと来ないな。久しぶりというのも彼ら自体があまりドヴォルザークを演奏していないんじゃないか?」
と思う方もいらっしゃるのでは、という気がしますが、実はそうでもありません。
先程の項でも書きましたが、チェコのドヴォルザークはドイツからそんなに文化圏として遠いところにいるという訳でもなく、ゲヴァントハウス管も普段は結構演奏しています。
それと同時に、これもファンの方ならばご存知と思いますが、1964年から68年にかけてチェコの名匠、ヴァーツラフ・ノイマン(後にチェコ・フィルの首席指揮者となる)がこのオーケストラのカペルマイスターを務めているのです。その時期には、当然といいますか、ノイマンはゲヴァントハウス管と、ドヴォルザークやスメタナをはじめチェコ音楽を多く取り上げていて、録音も多く行っています。その時期にドヴォルザークの演奏にかけて相当仕込まれたであろうことは想像に難くありません。(その頃のレコードは多くが廃盤ですが、とてもいい演奏だった記憶があります)


■ドヴォルザークの「第7交響曲」

先日、アマチュア・オーケストラをやっている弊社の同僚と話したのですが、
最近ドヴォルザークの「第7交響曲」を演奏してくれる海外オケって少ないと思いませんか?(アマ・オケでは結構人気があって、演奏機会が多いのですが。)
チェコ・フィルも最近では日本で演奏していませんし、今回はこの名曲を聴ける非常に貴重な機会だと思います。

もっともドヴォルザークの交響曲といえば「第8」「第9」ではないか、と若いファンの方々は言われるかもしれませんが、それは「第7」をぜひ実演で、そして良い演奏でぜひぜひ聴いていただきたいと思います。
確かにこの「第7」はドヴォルザークとしては異色かもしれません。
なぜって、何かこの明るくみずみずしいメロディーメーカーの曲にしては、暗くて悲愴的な、そして全体的に厳しい印象をもたらすからです。
確かに「厳しい」・・・。その後の「第8」に比べると素朴ではなく、第1楽章にチェコ人の反骨精神を象徴するフス教のコラール古い宗教的旋律が使われたりするせいで、その合間に響くいつもの(私たちがよく知っている)ドヴォルザークの明るくやさしいメロディが、より心に深く沁みる、といった具合。
しかし、ドヴォルザークが明るく伸びやかで・・・というのはメンデルスゾーンに対する誤解と同じで、ドヴォルザークの、例えば交響曲でいえば第1番とか、その後の「スターバト・マーテル」や晩年の「レクイエム」を聴けばわかるように、彼はむしろ宗教的ともいえる、厳しい精神を胸に秘めた人でした。ですから、今回の「第7交響曲」は聴ける機会が希少という以上に、ドヴォルザークの秘めたる本領を体験できる絶好の機会だと思っています。

それから前項にも関連しますが、
時代をさらに遡ると、1895年から1922年までカペルマイスターを務めた伝説の指揮者、アルトゥール・ニキシュ同時代のドヴォルザークの音楽をこよなく愛し(特に「第7」が好きだった、という話です)、日本公演云々という以前に、ニキシュ&ゲヴァントハウス管は世界中にドヴォルザークの音楽を広げる使徒でもあったのです。


今回のゲヴァントハウス管来日公演、ぜひ楽しみにしていてください!


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Tuesday February 8, 2011