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ARTIST
ORCHESTRA

The Philadelphia Orchestra

フィラデルフィア管弦楽団

アメリカの楽壇を牽引する存在にして、世界屈指のオーケストラでもあるフィラデルフィア管弦楽団は、1900年の創設以来、その独特なサウンドと、聴衆の心をつかみ想像力をかきたてる能力、そして楽団に息づく伝統への敬意と革新性によって、名声を博してきた。楽団は、一世紀以上のあいだ脈々と受け継がれてきた高い芸術性を保ちながら、アメリカ国内外の聴衆にパワフルな聴取経験を提供すべく、常にチャレンジ精神を維持してもいる。

フィラデルフィア管弦楽団の8人目の音楽監督の地位にあるヤニック・ネゼ=セガンにとって、今シーズンは監督就任から7年目に当たる。彼以前に音楽監督として楽団を高みへと導いたのは、フリッツ・シェール、カール・ポーリヒ、レオポルド・ストコフスキー、ユージン・オーマンディ、リッカルド・ムーティ、ヴォルフガング・サヴァリッシュ、クリストフ・エッシェンバッハであり、2008年から2012年まではシャルル・デュトワが楽団の首席指揮者を務めた。

ネゼ=セガンとフィラデルフィア管弦楽団の協力関係は各方面で絶賛されており、米紙『ニューヨーク・タイムズ』は、「ネゼ=セガン氏はスコアの隅々までを完全に意のままにしている。彼はまた、この卓越した楽団と極めて良好な関係を築いていることを、いっそう明白に示すことになった」と評している。ネゼ=セガンは、同団の楽員たち、聴衆たち、そして楽団の活動拠点であるフィラデルフィアの地域住民のあいだで高い人気を誇っており、幅広いレパートリーに通じた彼との演奏会は、各地で完売している。さらにネゼ=セガンは、ポスト・コンサート・カンヴァセーションズと題された公演後のトーク・イヴェントにも定期的に参加し、来場者との交流をはかっている。

フィラデルフィア管弦楽団がアメリカの“文化大使”としてのぞんだ海外ツアーの華々しい歴史も、多くの特筆すべき出来事に彩られている。楽団は、1936年にアメリカのオーケストラとして初めてヨーロッパ大陸横断ツアーを実現させた後、1949年にはイギリス・ツアーを行い、第二次世界大戦後に大西洋を渡った最初のアメリカのオーケストラとなった。さらに1973年には、アメリカのオーケストラとして初めて中華人民共和国で演奏。1999年にも、やはりアメリカのオーケストラとして初めてベトナムを訪れた。2014年、新音楽監督ネゼ=セガンと初のアジア・ツアーを、翌年には初のヨーロッパ・ツアーを行い、各地で絶賛された。後の2016年のアジア・ツアーも大成功を収めている。

このほかにも、フィラデルフィア管弦楽団には数々の「世界初/アメリカ初」の記録がある。輝かしい伝統を誇る楽団は、ラフマニノフから《交響的舞曲》の世界初演を、バーバーから《ヴァイオリン協奏曲》の世界初演をそれぞれ任されたほか、マーラーの《交響曲第8番「千人の交響曲」》、ストラヴィンスキーの《春の祭典》、シェーンベルクの《グレの歌》など数多くの大作をアメリカ初演している。またフィラデルフィア管弦楽団は、電気録音を行い(1925年)、ラジオ放送され(NBC、1929年)、映画のサウンドトラックを演奏し(パラマウント映画「The Big Broadcast of 1937」、1936年)、全国テレビで放送された(CBS、1948年)世界初のオーケストラでもある。

ネゼ=セガンのリーダーシップのもと、フィラデルフィア管弦楽団は再び名門ドイツ・グラモフォン・レーベルと手を組み、ストラヴィンスキーの《春の祭典》とレオポルド・ストコフスキーによるJ.S.バッハの編曲作品を録音した。ドイツ・グラモフォンから2015年8月にリリースされたネゼ=セガンとの2枚目のアルバムでは、ピアニストのダニール・トリフォノフとの共演で、ラフマニノフの《パガニーニの主題による狂詩曲》を取り上げた。また2018年3月に発表したネゼ=セガンとの3枚目のディスクには、バーンスタインの《ミサ曲》を収めている。目下、トリフォノフとはラフマニノフのピアノ協奏曲の全曲録音プロジェクトを進めており、2018年10月には第2番と第4番の協奏曲を収録したアルバムがリリースされたばかりである。近年は、インターネット上での公演のライヴ配信や、ライヴ・レコーディングのオンライン販売などにも力を入れている。さらにネゼ=セガンの音楽監督就任初年度から、楽団は毎週日曜に地元のWRTI-FMで特集され、ラジオでも再び存在感を高めることとなった。2017年には、デジタル・ラジオSiriusXMで全米に向けた放送も開始された。

現在フィラデルフィア管弦楽団は、年間300回を超えるコンサートと、出版、録音、放送などのメディアを通じて、毎年、世界各地の100万人以上の音楽愛好家たちに演奏を届けている。例年9月から5月までの冬の定期公演シーズンには主にフィラデルフィアで演奏。このほかカーネギー・ホールで毎年コンサート・シリーズを開催し、ワシントンDCのジョン・F・ケネディー・センターでもたびたび演奏している。

フィラデルフィア管弦楽団の定期公演は、活動拠点であるキンメル・センターで開かれている。同センターは二つの演奏会場を擁しており、その一つがフィラデルフィア管弦楽団のために設計・建築された2,500席のヴェライゾン・ホール、もう一つが室内楽コンサート用の650席のペレルマン・シアターである。建築家ラファエル・ヴィニオリが音響技師ラッセル・ジョンソンの協力を得て設計したキンメル・センターには、演奏会、レコーディング、教育活動に適した最新の設備が揃っている。また楽団は、マン・センターやフィラデルフィア市内のさまざまな会場にも精力的に演奏を届けており、とりわけ無料のコンサート・シリーズや教育プログラム、地域との連携から生まれた企画などが好評を得ている。

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