2012.5. 8(Tue)


★ポゴレリッチ、ショパンの協奏曲2曲を快(怪?)演!


イーヴォ・ポゴレリッチがいよいよサントリーホールに登場!。
昨日サントリーホールで行われた「イーヴォ・ポゴレリッチ――The Legendary Romantics」1st Nightにおける、ショパン:ピアノ協奏曲第1&第2番の演奏を、客席で聴いたスタッフがレポートしてくれました。

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いつものことですが、またしてもロビー開場です。ステージ上のポゴレリッチはパーカーのような私服に雪駄(!?)といういでたちで、しかし入念に、何かを確かめるように音を出していました。舞台袖に引き上げたのが、18:45分頃。

さて、これからこちらの主観的な感想を書くことをお許しください。(いつもそう、といえばそうですが・・・) ここ数年ポゴレリッチのコンサートを開催してきて、こういう気分になったのは初めてだからです。



午前中に行われたリハーサル


昨日のコンサート、そこはやはりポゴレリッチ、実に特異な解釈で「何でここをこういう風に弾くんだろう?」「ショパンの楽譜をどう見たらこんな発想に?」という部分は続出します。テンポも例によって・・・例えば両曲とも緩徐楽章ではグッと遅いものになりますし、速い楽章でも抒情的な楽想になるとやはりそう。また左手の伴奏音型を突如強調してバッハのように対位法的に弾いたり・・・とディテールをあげていけばキリがありません。そして湧き上がるパワーも合わせ"巨人的"。(もちろん音楽が、です)

しかし今回はそういう中でも、通してみれば比較的テンポが妥当なこと(第1番フィナーレのコーダはむしろ平均的な演奏より速いくらい)、ここ数年見られた叩きつけるように音を割ってしまう最強音も抑制され、タッチは非常に美しく、時に得も言われぬ神秘的な音色を紡ぎ出していたこと・・・それらが相まって、「特異」ではあっても、全体がある種の調和(?)をもって確かな世界が成立していたことは見逃せません。
これにはショパンを知り尽くしたポーランドの精鋭奏者の集まりであるシンフォニア・ヴァルソヴィア、そして昔から信頼している指揮の山下一史さんの共演も、かなり大きな力になっていたのだとは思いますが。

(ところで開演前に山下さんに話を伺いましたが、「彼は確信をもった解釈で弾いているから、打ち合わせさえきちんとして考えを把握すれば、そんじょそこらのピアニストが"感じ"だけでショパンっぽく弾いているのより余程合わせるのはラク」というようなことを仰っていました。成程)

そして思いもよらぬことですが、私はそんな今回のポゴレリッチを聴いて、何か嬉しい気分、幸福感のようなものを感じていたのです。重ね重ね主観的な物言いで恐縮ですが、これが近年と大きく違う、今回最大の驚きです。
もちろんショパンのピアノ協奏曲が2曲とも、この作曲家の「青春の音楽」ということもあるでしょうが、熱に浮かされるたり悲しみに落ち込んだり、まさにロマンティックな息吹がそこにありました。

3月のベルリンでのリサイタルの折、現地の音楽評論家・城所孝吉さんがそのレポートを「音楽の友」5月号誌上に「ポゴレリッチ イズ バック!」と書かれていましたが、確かにそんな気がします。


さて明日はソロ・リサイタルです。
ぜひ多くの方々に聴いていただければ幸いです。


イーヴォ・ポゴレリッチ ― The Legendary Romantics

<2nd Night - Solo Recital>
5月9日 (水) 19:00開演 サントリーホール

■曲目
ショパン: ピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調 op. 35 「葬送」
リスト: メフィスト・ワルツ第1番
ショパン: ノクターン ハ短調 op.48-1
リスト: ピアノ・ソナタ ロ短調

料金:
[5/7] S¥17,000 A¥14,000  B¥11,000 C¥7,000
[5/9] S¥15,000 A¥12,000  B¥9,000  C¥5,000

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イーヴォ・ポゴレリッチ プロフィール


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Tuesday May 8, 2012