2012.4.20(Fri)


●鬼才ポゴレリッチ上陸前に!Vol.2―― 本人が語る(!)~ショパン&リスト、2人のLegend~


鬼才ポゴレリッチの日本上陸を前に、彼の異世界に斜めから鋭く!切り込んでみようという本連載。
本日は、いよいよポゴレリッチ本人の登場です。
彼に素朴な疑問をいくつか投げてみましたので、どうぞお楽しみください!




Q 今回は「The Legendary Romantics」と題し、 二夜の異なる公演に挑むわけですが、「Romantic」という言葉は貴方にとってどのような意味をもちますか。

A 人間の最も本質的な部分に結びつく何か、です。

Q 第一夜ではショパンのピアノ協奏曲第1番を日本で初めて演奏しますね。

A そうです、とても楽しみです。2010年のショパン生誕200年を目指して、第1番の練習を開始したのです。実はあの記念すべき年に、ショパンの出生地ワルシャワにて、彼の誕生日に演奏させてもらいました。非常に光栄でした。

Q 第1番を初めて日本で演奏するに当たり、楽しみにしていることは何ですか。

A この作品に満ち満ちている感情を表現することですね。無条件に人の心をひきつける実に魅力的な協奏曲です。

Q 第1番に比べ、第2番はより内省的で規模も小さいと思いますが、この2曲の個性をどのように捉えていますか。

A 両曲ともショパンが若かりし頃に書いたものですし、インスピレーションに富んだ作品ですので、比べるのは難しいですね・・・。いずれも、ところどころ舞踊のリズムを元に書かれている点を意識するようにしています。

Q 今回の"弦楽合奏版"の協奏曲の魅力は何でしょうか。

A ずばり、「親密さ」!

Q 第二夜のリサイタルではショパンとリストを織り交ぜて演奏なさいます。ところで、リストはショパンに対して、尊敬の念と同時に、少々の嫉妬心も抱いていたという可能性はないのでしょうか?

A リストは特に誰にも嫉妬していなかったのではないでしょうか。嫉妬という感情は彼の本性には属さないものだと私は思いますし、何といっても彼は当時、トップ・ヴィルトゥオーゾの座に君臨していましたからね。リストもショパンも、互いに尊敬し合っていたのだと思います。

Q では、もしもリストが"作曲家として"ショパンにジェラシーを感じていたのだとすれば、それはショパンのどのような部分に対してだと思いますか

A リストとショパンは作曲家として全く異なる道を歩んでいたというのが私の見解です。リストは、"音楽が音楽以外の何らかの創作のきっかけを持つ"という考えに依拠した「標題音楽」から影響を受けていましたし、一方でショパンは、それとは真逆の作曲コンセプトを持っていましたから。

Q 作曲家として新たな音楽言語を創造したか否か、という点では、ショパンよりもリストのほうが、未来を見つめていたといえるのでしょうか?

A ショパンは実は、リストと同じくらい革新的な作曲家であったと思います!両者の作品とも、「ある個人による霊感に満ちた創作活動の一例」と形容できますし、彼らから湧き出てくる音楽的アイデアは驚くほど豊富です。

Q 今回演奏する「ピアノ・ソナタロ短調」はリストが残した唯一のピアノ・ソナタで、シューマンに献呈されています。このソナタにリスト以外の作曲家の影がもしも見えるとすれば、それは誰でしょうか。

A ベートーヴェンですね。ご存じのとおり、リストはベートーヴェンから多大なる影響を受けました。リストのロ短調ソナタは、楽章間の途切れが存在しない一つの楽章、一つの作品として提示されている点で実に革新的な作品だと思います。



イーヴォ・ポゴレリッチ ― The Legendary Romantics

<1st Night - Concert>
5月7日 (月) 19:00開演 サントリーホール 
■ピアノ: イーヴォ・ポゴレリッチ
■指揮: 山下一史
■管弦楽: シンフォニア・ヴァルソヴィアのメンバー

■曲目 ショパン:ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 op.11
      ショパン:ピアノ協奏曲第2番 ヘ短調 op.21
                   (両曲とも弦楽合奏版)
                                 ほか

<2nd Night - Solo Recital>
5月9日 (水) 19:00開演 サントリーホール

■曲目
ショパン: ピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調 op. 35 「葬送」
リスト: メフィスト・ワルツ第1番
ショパン: ノクターン ハ短調 op.48-1
リスト: ピアノ・ソナタ ロ短調

料金:
[5/7] S¥17,000 A¥14,000  B¥11,000 C¥7,000
[5/9] S¥15,000 A¥12,000  B¥9,000  C¥5,000

チケットのお申し込み
イーヴォ・ポゴレリッチ プロフィール


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Friday April 20, 2012