2011.5. 9(Mon)


●注目コンビ・その2―― A.パッパーノ&サンタ・チェチーリア管、発売中

東京のラ・フォル・ジュルネ音楽祭も無事終了、満開のツツジを目に、あたたかな5月になりました。
P.ヤルヴィ&パリ管の会員先行受付も開始されて大好評の中、今度はイタリアの雄アントニオ・パッパーノ指揮ローマ・サンタ・チェチーリア管弦楽団のカジモト・イープラス会員限定先行受付が、いよいよ5月12日(木)から始まります。


ローマ・サンタ・ チェチーリア管弦楽団  アントニオ・パッパーノ指揮
10月5日(水)19時 東京オペラシティ コンサートホール

カジモト・イープラス会員限定先行受付
5月12日(木)12時 ~ 5月16日(月)18時 (おかげさまで好評のうちに終了いたしました)
一般発売  ●お申し込み
5月21日(土)10時 ~


今、コンサート会場で配布しておりますチラシ裏にも、音楽ライターの柴田克彦さんが、このコンビ初の来日であった前回、2007年の「鮮烈!」さを熱く書かれておりますが、同じ記憶をお持ちのファンの方々もかなり多いのではないでしょうか?(何を隠そう私もその1人。) 
当時の新聞・雑誌評にも「鳥肌がたつほどの鮮やかさで音が立ち上がり、一瞬にしてモノクロがカラーになったような衝撃」といった言葉が続々と掲載されました。私も最初の曲(ベルリオーズ「ローマの謝肉祭」でした)から出だしの部分のまぶしさ、音の厚み、エネルギーがあまりに眩くて、目が開けられないような錯覚を覚え、全身の毛穴が開いてゾクッ!ときた感覚は忘れられません。不遜な言い方ながら、職業柄、ほとんどの世界の超一流オーケストラや指揮者を聴いてきて、今やちょっとやそっとでは驚かない・・・ハズだったのですが、これには心底驚嘆しました。





★イタリア最高峰のシンフォニー・オーケストラ
イタリアのオーケストラというと皆様も恐らく、ミラノ・スカラ座のオーケストラのようにオペラはこの上なく素晴らしいけれど、コンサートはどうなの?というイメージをお持ちではないかと思います(私もそうでした)。確かにイタリア全般的にはそういうところがあります。ただ、その中にあってサンタ・チェチーリア管は元々コンサートのオーケストラとしてスタート、マーラーヤドビュッシーやストラヴィンスキー、そしてトスカニーニやフルトヴェングラーが指揮をして、レスピーギの「ローマの松」「ローマの噴水」などを初演しています。最初からイタリア最高のシンフォニー・オーケストラだったのです。
また、表記として「サンタ・チェチーリア音楽院オーケストラ」と書くこともあり、そうなの?音楽院の学生のオケなの?と誤解されることもあるのですが、そうではなく、丁度前回書きましたパリ管の前身であるパリ音楽院管弦楽団と同じように、このイタリア随一、世界的にも屈指の音楽院を卒業した(教師も含め)人間、またはその関係のプレーヤーなど、レベルの高さを認められた者が団員となるわけで、結果当然かなりの腕利き揃いのエリート・オーケストラであるわけです。

サンタ・チェリーリア音楽院はこのように、まさにパリ音楽院などとならび目覚しい才能を世界に輩出している学校で、古くはイ・ムジチ合奏団などはここの学生が結成したアンサンブルですし、現在の団員でも、ホルンのアレッシオ・アレグリーニやクラリネットのアレッサンドロ・カルボナーレなどはソリストとしても活躍しています。またアバド率いるルツェルン祝祭管にも何人かが参加しています。そしてまた、毛色(?)は違いますが、コントラバス4人の驚異的腕前を誇る(そして愉快痛快な)「ベース・ギャング」もサンタ・チェチーリア管の元メンバーや現メンバーです。

そんなわけで、このオーケストラはとにかく上手いです。ウィーン・フィルやコンセルトヘボウ管、ドレスデン・シュターツカペレのように他に2つとない、自分たちだけのサウンド―― 底力のある、深く厚い低弦と、ヴィヴィッドで熱い、高弦や管楽器の品格あるカンタービレが灼熱の中に一体となった―― を持っています。こういう音と音楽を聴いていると、やはりイタリアというのはドイツやイギリスに比べても文化・芸術においてははるかに先進国であったのであり、数々の彫刻や建築と同じく地中海ラテン芸術の底知れない力を感じずにはおられません。

いや、思い出すにつけ、前回の来日公演で演奏されたレスピーギ「ローマの松」や、アンコールでのヴェルディ「運命の力」、マスカーニ「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲などは絶品でした。若い方々の言い方を真似れば、"神!"というところでしょうか?





★オーケストラの実力を引き出す現代屈指の指揮者、パッパーノ
こんな凄いオーケストラにしては来日回数が少なく、前回2007年まではあまり評判にならなかったのは何故でしょう?これまではティーレマンやチョン・ミュンフンらの指揮での来日でしたが、何と言っても2005年から音楽監督を務めるアントニオ・パッパーノの実力と「相性」だからこそでしょう。
オーケストラにとって「相性」は重要。ウィーン・フィルやニューヨーク・フィルのような「自分が強い」オーケストラが力を出し切れない演奏をする例はよくあります。パッパーノはやはりオーケストラと同じ国の血を持つということもあるでしょうし、彼によって(近年では)初めてサンタ・チェチーリア管の素晴らしい力が引き出され、私たちの耳に届いたのだと思います。

さて、パッパーノはバレンボイムのアシスタントなどを経て、若い時から頭角を現していましたが、多分グッと私たちの視界に入ってきたのは1993年にウィーン国立歌劇場のワーグナー「ジークフリート」でドホナーニの代役として指揮をとり、この名門オペラハウスで大成功デビューを飾った時ではないでしょうか?
(私は丁度その後に来日したウィーン・フィルのコンサートマスター、ライナー・キュッヒルさんに「この間、パ、パ、パパーノという面白い名の若いイタリア人が素晴らしい「ジークフリート」を指揮したんだよ」という話を聞いたのをよく覚えています。なにしろキュッヒルさんは滅多に指揮者をほめないので。)

その後の彼の活躍は皆様もご存知の通り。ベルリン・フィルコンセルトヘボウ管シカゴ響ロンドン響などトップ・オブ・トップ・オーケストラへの客演を続け、サンタ・チェチーリア管とともに、ロンドンのコヴェントガーデン王立歌劇場(ロイヤル・オペラ)の音楽監督を務めています。
昨年もこのオペラハウスと来日して、ヴェルディ「椿姫」やネトレプコ主演のマスネ「マノン」で大変な名演を披露し、彼もまた、パーヴォ・ヤルヴィらと並び、中堅世代では世界でも屈指の指揮者だということを改めて見せつけてくれました。


★「イタリアとロシアは相思相愛」―― 今回のプログラム
この言葉は先日、ある高名なロシアのソプラノ歌手がインタビューで語っていた言葉です。文化的に昔から、イタリアとロシアは強い絆で結びついていました。音楽でいえば、例えばチャイコフスキーはよくイタリアに旅行していましたし(「イタリア奇想曲」がありますね)、ヴェルディは「運命の力」の初演をペテルブルクのマリインスキー劇場で行っています。アバドやムーティもロシアの作品を好んで指揮していますよね。
単純に考えると、スタイル感の違いはあっても、カンタービレの美しさや情感で通じる部分が多いのでしょう。

さて、そうした「相性」を反映して、今回のプログラムはプッチーニの(彼には珍しい交響作品である)「交響的前奏曲」と共に、
ロシアを代表する名曲、ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番と、リムスキー=コルサコフ「シェエラザード」が演奏されます。
協奏曲を弾くロシアの豪腕ヴィルトゥオーゾ・ピアニスト、ベレゾフスキーはパッパーノと世界中で共演していますし、「シェエラザード」のメロディの美しさ、ドラマティックな「千夜一夜」の劇は、サンタ・チェチーリア管の美質にうってつけです。


またまた今回は、とりわけ長々と書いてしまいましたが(力入りすぎ?)、
パッパーノ&サンタ・チェチーリア管の公演、どうぞ、ぜひぜひ楽しみにしていて下さい!



■チケットのお申し込みはこちらから

カジモト・イープラス会員限定先行受付
5月12日(木)12時 ~ 5月16日(月)18時 (おかげさまで好評のうちに終了いたしました)
一般発売  ●お申し込み
5月21日(土)10時 ~


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Monday May 9, 2011