2010.2. 8(Mon)


●あたたかく、厳しく、細やかに―― チェロの名匠イッサーリス、発売!


寒い1週間でしたね。北国の方々は特に雪で大変だったと思います。
しかし今週は随分マシになるようで、ともかくも春が少しずつ垣間見えてきましたね。

さて、弊社も春に向かってチケット発売が続きますが、今度はチェロの鬼才、スティーヴン・イッサーリスのカジモト・イープラス会員限定先行発売が開始です。

スティーヴン・イッサーリス チェロ・リサイタル
6月17日(木)19時開演 紀尾井ホール
カジモト・イープラス会員限定先行受付 2月11日(木)12時 ~ 2月15日(月)18時
                           (おかげ様で好評の内に終了致しました)
一般発売 2月20日(土)10時~ [お申し込み]






チェロという楽器は、ヴァイオリンに比べて地味に見られがちですが(などと書くとチェロを弾かれる方に怒られますね)、どっこい、現代のチェロ界は実に多種多様な才能がひしめいています。
巨星ロストロポーヴィチは亡くなりましたが、かのヨーヨー・マやミッシャ・マイスキーら人気チェリストをはじめ、ハインリヒ・シフ、ダーヴィト・ゲリンガス、アンヌ・ガスティネル、もっと下の世代でもトゥルルス・モルク、マリオ・ブルネロ、ジャン=ギアン・ケラス、ピーテル・ヴィスペルウェイ、タチアナ・ヴァシリエヴァ・・・
実に豊富

しかしその中にあって、独自のわが道をひたすら行き、今やヨーヨー・マやマイスキーにも肩を並ぶほど中身の濃い音楽をやる名匠―― それがイギリスの名チェリスト、スティーヴン・イッサーリスです。

最近の共演相手も現代を代表する第一級のオーケストラ、指揮者であることはもちろん、
巨匠クリストフ・エッシェンバッハには、自身が指揮でもピアノの場合でも、シューマンを演奏する際の共演者に指名され、
サイモン・ラトルとはベルリン・フィルやエイジ・オブ・エンライトメント管で、度々共演しています(同じイギリス人、そして似た髪形だから!?)。
近年ハイペリオン・レーベルからリリースされた、チェリストにとっての金字塔であるJ.S.バッハ「無伴奏チェロ組曲・全曲」のCDも国内外で数々の賞を受賞しています。

実はここ数年、東京でのリサイタルを行っておらず、6年ぶりと久々なのですが、
ファンの方々にはよくご存知の通り、横浜の神奈川県民ホールで、
2006年「シューマン・プロジェクト」、2009年「アニヴァーサリー」(ハイドン、メンデルスゾーンを特集)という2つのビッグ・プロジェクトを行い、リサイタル、室内楽、協奏曲すべてで現在の彼の姿を―― トレードマークであるガット弦から紡ぎだされるあたたかく細やかで、心に直接語りかけるような美しい音色夢見るようなロマンティシズムと荒ぶる厳しいダイナミズム、感情の振幅の大きいスケール感―― 
そういった"偉大な"、しかしながら人懐っこいヒューマンな芸術家の姿を披露してくれました。


私も、個人的なもので恐縮なのですが、ひとつ思い出がありまして、
それは1994年、イッサーリスの初来日の時のこと。
彼はN響の定期公演で、現代作曲家ジョン・タヴナーの「プロテクティング・ヴェイル(奇跡のヴェール)」という曲を弾きました。
この曲は、ちょっと宗教的・瞑想的な雰囲気の音楽で、伸ばす音がやたらと多く、自分で譜面がめくれない、ということで私が譜めくりをすることになったのです。
(NHKホールという巨大な舞台で、オーケストラの前、ソリストとコンサートマスターにはさまれ、目の前には大指揮者、おまけに客席にはテレビ・カメラがあり生放送というド緊張のえらい事になりました。)
その時のイッサーリスの静かな音とともに、彼の背中から漂う、それこそ"神秘"のオーラときたら!
これは一生忘れられません。哀しみの微妙な色合いを含んだ、なんともいえない時間でした。


さて、またしても長々書いてしまいましたが、
イッサーリスの今回のプログラムは、サン=サーンス、(今年生誕200年の)ショパンリストフランクのそれぞれ名ソナタという、これ以上ない堂々たる、そして彼のロマンティックな面が最大級に活かされるものです。
2009年の来日時にもコンビを組み、素晴らしく細やかなピアニズムを聴かせてくれた、中国系カナダ人ピアニスト、コニー・シーとの絶妙のアンサンブルにもぜひご期待下さい


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スティーヴン・イッサーリス プロフィール

Monday February 8, 2010