2009.11.21(Sat)


★ブロムシュテット&チェコ・フィル来日公演始まる!


巨匠ブロムシュテット率いるチェコ・フィルがいよいよ来日しました。「KAJIMOTO音楽日記」でもお伝えしたように、今回チェコ・フィルは1959年の初来日から50年、という記念の来日公演。

初日の東京オペラシティでの曲目はベートーヴェン「田園」交響曲とブラームス「第1」交響曲です。





いや~、あっという間の2時間。まるで一晩のコンサートが全体で1つの音楽のように思えるほどでした。何しろマエストロ・ブロムシュテットの元気なこと!!82歳とは到底信じられません。指揮台にぴょこっと飛び乗る姿にも驚かされますし。テンポは速めで音楽は常に前向き、後ろなんか決して振り返らないとばかりの指揮ぶりで、まぶしいくらいのエネルギーを放射していました。

前半の「田園」。歩みは軽快ながら、ずっしりと手応えある響きが聴こえた時にまずちょっとびっくりしました。ここ10年くらいで、チェコ・フィルからこういう重みのある響きを聴いたのはいつだったでしょう?(クーベリックと来日した1991年以来?)先日プラハで行われたこのコンビの定期公演で、「いつものチェコ・フィルと違う!」と現地の方々が唸ったということに早速納得です。
全体に速めのテンポの中、細かいニュアンスや音色の変化より、まずはフレージング、呼吸、流れに重きがおかれ、みるみるうちに推進力が生まれて強いエネルギーがわき起こります。そうして止めどなく流れる音楽が圧倒的でした。
ご存知の通り、「田園」には、例えば第1楽章には「田舎に着いた時の爽快な気分」とか、第2楽章の「小川のほとり」といった"標題"がついていますが、マエストロの高潔で若々しいエネルギーとオーケストラのふくよかな音色の結びつきは、そうした標題をいったん忘れさせてしまうくらいでした。それより、曲の姿の純粋な美しさが聴いている私の前に立ち現われてくるのです。
まるで、言ってみれば一筆書きのような演奏です。フィナーレの祈りに向けて高揚を続ける演奏に、本当に胸が熱くなりました。

後半のブラームスもまた、やはり一筆書きのよう。こちらの曲の方がロマンティックな分、オーケストラの響きの上品さがより生きたかもしれません。ずしりと重厚でありながら、実に美しい音が鳴っていました。
一筆書きの勢いの中でも、そういうチェコ・フィル特有の上質で柔らかく拡がる音は、決して荒くならないのです。しかし改めて思いましたが、チェコ・フィルの音はあたたかく素朴でありながら、明るくて洒落た音ですね。明朗な音。この音のおかげで「重厚」でも必要以上に重苦しくならず、演奏の流れがより美しいものになっていた気がします。そうして訪れたフィナーレでのクライマックスではすべてを出しつくした爽快感がありました。
もちろん盛大な拍手とともに大歓声です(^^)

ところでこのブラームス、私は特に第3楽章の、ちょっと息抜きのような晴れやかでチャーミングな演奏が気に入ったのですが、なんと、彼らはこの楽章をアンコールに演奏してくれました。
本プロでのこの楽章で、オケ自慢の「ビロードの弦」もさることながら、木管楽器のハーモニーの美しさがすごく印象深く、これはウィーン・フィルやベルリン・フィル、もちろんアメリカのメジャー・オケとも違う独特の「きれいな」響きだなあ、などと感じ入っていました。ですから、これがアンコールで再び演奏されたのは嬉しかったですし、彼らがそうしたかったのもわかるような気も・・・。
管楽器といえば、金管楽器も、第4楽章の序奏でのコラールのような箇所で、ちょっと聴いたことのないくらい美しい、まるでパイプオルガンのような響きを出していました。

こうして初日の公演が終わりましたが、今日は何と言っても、美しくあくまで音楽的なオーケストラの響きを引き出した上で、「だまって俺についてこい」とばかり"親父の指揮"でグイグイ音楽を引っ張ったマエストロ・ブロムシュテットの指揮が素晴らしかったです。
実は私、今日は風邪気味で少々体調が悪かったのですが、マエストロのエネルギーでデトックス?、すっかり疲れが吹っ飛び、元気になってしまいました。

きっとマエストロ、23日のブルックナー「第8交響曲」では、曲が曲だけに一段と深いものを引き出すでしょうし、
25日のドヴォルザーク・プロ攻守交代(?)、オーケストラに下駄をあずけて、自分は要所の引き締めに徹するのではないでしょうか?_

ああ、楽しみです。

ぜひ皆様も、残りのチェコ・フィル公演に足をお運び下さい!


チケットのお申し込みはこちらまで 当日券もございます。



チェコ・フィル来日迫る!その1 ~初来日から50年
チェコ・フィル来日迫る!その2 ~ブロムシュテットとチェコ・フィル
チェコ・フィル来日迫る!その3 ~名匠ブロムシュテットのブルックナー

Saturday November 21, 2009