2009.10.18(Sun)
●続トゥガン・ソヒエフ / ウィーン・フィル・デビュー・現地レポート
朝晩、めっきり涼しくなりましたね。朝の出がけのキンモクセイの香りのいいこと。
さて、先日、来月トゥールーズ・キャピトル国立管弦楽団を率いて来日公演を行う、話題の若手指揮者トゥガン・ソヒエフの衝撃的なウィーン・フィル・デビューをお知らせしましたが、ウィーン在住の音楽ジャーナリスト、山崎睦さんからその折の現地レポートが届きました。
ぜひお読み下さい!
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トゥガン・ソヒエフ、ウィーン・フィル定期演奏会に登場!
ズービン・メータに率いられて9月に日本を訪れていたウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(VPO)は25日の東京公演を成功裏に終了後、27日の上海を経て29日はソウルのおけるツアー最終公演に臨むはずであった。ところがウィーン時間で29日の正午前、まさにソウルでのコンサート開始直前に楽団広報部からプレス・リリースがメールで送られて来て、メータが個人的理由で当日のコンサートから降板、代りにトゥガン・ソヒエフが指揮する、さらに10月3,4日のウィーン楽友協会における定期演奏会も彼が引き継ぐという内容だから、当地で衝撃が走ったのは言うまでもない。しかも4日はソヒエフがサンクトペテルブルクのマリインスキー劇場でオペラの指揮をすることになっていたから、契約を解いてもらうようVPOが同劇場に要請してソヒエフを確保したほどの物入りだ。
ソウルの曲目であるハイドン「交響曲第104番」、ソプラノのスミ・ジョー独唱による『こうもり』と『椿姫』の抜粋、そしてブラームス「交響曲第4番」をソヒエフは変更せず、一度のリハーサルのみで本番を指揮した。定期演奏会では1曲目のヴェーベルン「パッサカリア」をハイドンに変更した他は、ツァイスル「ヘブライ・レクイエム」、ブラームス「交響曲第4番」、と予定通りのプログラムを完走した。
ここで誰もが驚いたのはオーケストラ界の頂点であるVPOが、今シーズンはアーノンクール、ブーレーズ、ヤンソンス、ラトル、ティーレマン等、厳選された11名の指揮者が登場する定期演奏会に、未だかつてVPOを振ったことのないソヒエフを起用したことであり、若い指揮者がその曲目をほとんど変更することなしに引き受けたことだ。
ウィーンのコンサートでは、緊急事態を救ったソヒエフを定期会員があたたかく迎え、終演後は単独でステージに呼び戻されるほどの歓迎を受けている。彼は、アメリカに亡命したウィーンの作曲家であるツァイスルの、1945年にロサンジェルスで初演された「レクイエム」の譜面を以前に見たことがないはずだが、この独唱・合唱付きの大曲をほとんど初見同様に指揮したにもかかわらず、作品のポイントを押えて演奏効果を上げているのは立派だ。
ブラームスに対しては、さすがにウィーンは手強くて、"チャイコフスキー寄りの解釈"という批評も出ている。ただVPOでブラームスを振ること自体が、そもそも大家にしか許されない事実を鑑みるとき、"勇気あるマエストロ!"の見出しで当地批評界の大御所にして伝説的な存在であるカール・レーブルが日刊紙「エーステルライヒ」に含蓄のある批評を掲載している。後日、レーブルに話を伺ったところ、ソヒエフの音楽に取り組む真摯な姿勢が非常に好感を与えたこと、そして老批評家をして「彼はこれからの人だ!」と言わしめたのがソヒエフの"VPOデビュー"における大きな戦果に違いない。
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ますます私たちにとって、目の離せないホットな存在となったソヒエフ。
ぜひ皆様も、今の彼の音楽を会場で直に聴いてみませんか?
●チケットのお申し込みはこちらまで
→ 2009年11月10日 (火) 19:00開演 サントリーホール
→ 2009年11月12日 (木) 19:00開演 サントリーホール
●関連リンク
→ トゥガン・ソヒエフ ウィーン・フィル定期公演にデビュー!!
→ トゥガン・ソヒエフ プロフィール
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