2009.10.15(Thu)
★エマールのリサイタル迫る!大阪公演を終えて
【現代音楽の旗手エマール、ドビュッシーとベートーヴェンを熱演!in 大阪】
来る10月17日、理知的かつ音楽への愛情あふれる演奏で世界を魅了している大ピアニスト、ピエール=ロラン・エマールが、東京オペラシティコンサートホールで個性的なピアノ・リサイタルを行います!
ドビュッシーの《ベルガマスク組曲》とベートーヴェンの《「エロイカ」の主題による15の変奏曲とフーガ》の間に、現代音楽(ベンジャミンとシュトックハウゼン)を挟むという、レパートリー豊かなエマールならではの斬新なプログラムを目にして、17日を待ち望んでいる音楽ファンの方々もさぞや多いことでしょう。今回は、一足速く大阪にてソロ・リサイタルを大成功させたエマールの様子を、同行のマネージャーよりレポートさせていただきます!
ちょっと長い文章になってしまいましたが、ぜひ最後までお付き合い下さい。 (ちなみに私、新人です。よろしくお願い致します。)
10月9日早朝に大阪に到着したエマールは、パリからの長旅の疲れも見せず、エネルギッシュに7時間の練習をこなし、翌日にはバリトンの俊英マティアス・ゲルネとのドイツ・リートの夕べ(「ウィーン音楽祭in OSAKA 2009」)で会場を魅了しました。今回のツアーは、大阪と東京でのゲルネとのデュオ、大阪と東京でのソロ・リサイタル、そして東京と武蔵野でのジョナサン・ノット指揮バンベルク響との共演と、盛りだくさんのスケジュールです。おまけに本日(10/14)は、札幌にいるバンベルク響の友人たちをはるばる訪ね、ブラームスの協奏曲第1番のリハーサルをこなしております!
メシアン夫人イヴォンヌ・ロリオに師事したのち、早くからブーレーズに才能を見出され、今では現代音楽を解する知的なピアニストとして名高いエマールですが、その素顔は、日々真摯にピアノと向き合い、日本の文化や自然をこよなく愛する、穏やかで心の暖かい音楽家です。わずかな暇をも惜しんで毎日数時間のピアノの練習に打ち込むという、ハード・スケジュールの合間を縫って、行く先々で大好きな日本食を堪能し、日本庭園や北海道の大自然に感動しています。
(↑ハードなのに余裕ありますね。さすが大家。)
さてそんなエマール、去る13日には「ウィーン音楽祭in OSAKA 2009」の一環で、大阪のいずみホールにて「ウィーンの息吹とパリのエスプリ」と題したソロ・リサイタルを行い、大成功を収めました。曲目は、モーツァルトの《ピアノ・ソナタ第6番》とベートーヴェンの《「エロイカ」の主題による15の変奏曲とフーガ》というオーストリア/ドイツの作品、そして、故郷フランスの音楽であるドビュッシー《ベルガマスク組曲》、パリを愛したショパンの《子守歌》・《スケルツォ第2番》を並べた、お洒落なプログラムでした。
まず、エマールのショパンですが、甘くロマンティックな演奏とは程遠く、しかし奇をてらったところのない、その「シンプルさ」に心打たれました。テンポの遅すぎない《子守歌》ではピアノにそっと触れているような絶妙な弱音で慈愛を表現し、《スケルツォ第2番》では曲の構造がクリアに描かれており、もっともっとエマールのショパンを聴いてみたい!と切に感じました。エマールの演奏を聴くと、ショパンの音楽語法(とりわけ和声)が、いかに当時の作曲のルールから逸脱した独創的なものであったかが分かります。
さて、東京でも演奏予定のドビュッシー。4つの舞曲から成る《ベルガマスク組曲》のために、早朝から本番前まで調律師さんと何時間にも渡ってピアノの音色やタッチを入念にチェック。その甲斐あってか、とくに<パスピエ>では、まさにフランスの「エスプリ」とエマールの指先の繊細さが見事に溶け合った素晴らしい演奏を披露しました。与えられた1台のピアノの上で、エマールが魔法のようにコントロールしてみせる音量や音の色彩の幅には、驚かされます。有名な<月の光>では、《子守歌》とは対照的に比較的自由にテンポを揺らし、きらきらと万華鏡のように移り変わっていくサウンドが、いっそう美しく際立っていました。
プログラムの最後を華やかに飾ったベートーヴェン。(余談ですが、フランス人のエマールは、英語が堪能であるだけでなく、ゲルネやバンベルク響のメンバーとはドイツ語で流暢に音楽談義をします。本人曰く、ドイツ音楽を体得するためには、自分にとってドイツ語の理解が不可欠とのことです。さすがです!)
《「エロイカ」変奏曲》では、各変奏の異なる性格をまるでカメレオンのように捉えて、時にピアノの弦の限界に挑むかのような力強いタッチで、ドビュッシーやショパンで見せた「エスプリ」とは打って変わった、重厚な「ウィーンの息吹」を会場に巻き起こしていました。演奏会の最初に演奏したモーツァルトのソナタの変奏曲が、ベートーヴェンの変奏曲と最後に呼応する、素晴らしいプログラムでした。
エマールの魅力を、ぜひ一人でも多くの方に堪能していただきたいと思います。皆様、17日は、東京オペラシティへ聴きにいらしてください!
→ チケットのお申し込みはこちらまで
→ ピエール=ロラン・エマール 特集ページ
→ ピエール=ロラン・エマール プロフィール
メシアン夫人イヴォンヌ・ロリオに師事したのち、早くからブーレーズに才能を見出され、今では現代音楽を解する知的なピアニストとして名高いエマールですが、その素顔は、日々真摯にピアノと向き合い、日本の文化や自然をこよなく愛する、穏やかで心の暖かい音楽家です。わずかな暇をも惜しんで毎日数時間のピアノの練習に打ち込むという、ハード・スケジュールの合間を縫って、行く先々で大好きな日本食を堪能し、日本庭園や北海道の大自然に感動しています。
(↑ハードなのに余裕ありますね。さすが大家。)
さてそんなエマール、去る13日には「ウィーン音楽祭in OSAKA 2009」の一環で、大阪のいずみホールにて「ウィーンの息吹とパリのエスプリ」と題したソロ・リサイタルを行い、大成功を収めました。曲目は、モーツァルトの《ピアノ・ソナタ第6番》とベートーヴェンの《「エロイカ」の主題による15の変奏曲とフーガ》というオーストリア/ドイツの作品、そして、故郷フランスの音楽であるドビュッシー《ベルガマスク組曲》、パリを愛したショパンの《子守歌》・《スケルツォ第2番》を並べた、お洒落なプログラムでした。
まず、エマールのショパンですが、甘くロマンティックな演奏とは程遠く、しかし奇をてらったところのない、その「シンプルさ」に心打たれました。テンポの遅すぎない《子守歌》ではピアノにそっと触れているような絶妙な弱音で慈愛を表現し、《スケルツォ第2番》では曲の構造がクリアに描かれており、もっともっとエマールのショパンを聴いてみたい!と切に感じました。エマールの演奏を聴くと、ショパンの音楽語法(とりわけ和声)が、いかに当時の作曲のルールから逸脱した独創的なものであったかが分かります。
さて、東京でも演奏予定のドビュッシー。4つの舞曲から成る《ベルガマスク組曲》のために、早朝から本番前まで調律師さんと何時間にも渡ってピアノの音色やタッチを入念にチェック。その甲斐あってか、とくに<パスピエ>では、まさにフランスの「エスプリ」とエマールの指先の繊細さが見事に溶け合った素晴らしい演奏を披露しました。与えられた1台のピアノの上で、エマールが魔法のようにコントロールしてみせる音量や音の色彩の幅には、驚かされます。有名な<月の光>では、《子守歌》とは対照的に比較的自由にテンポを揺らし、きらきらと万華鏡のように移り変わっていくサウンドが、いっそう美しく際立っていました。
プログラムの最後を華やかに飾ったベートーヴェン。(余談ですが、フランス人のエマールは、英語が堪能であるだけでなく、ゲルネやバンベルク響のメンバーとはドイツ語で流暢に音楽談義をします。本人曰く、ドイツ音楽を体得するためには、自分にとってドイツ語の理解が不可欠とのことです。さすがです!)
《「エロイカ」変奏曲》では、各変奏の異なる性格をまるでカメレオンのように捉えて、時にピアノの弦の限界に挑むかのような力強いタッチで、ドビュッシーやショパンで見せた「エスプリ」とは打って変わった、重厚な「ウィーンの息吹」を会場に巻き起こしていました。演奏会の最初に演奏したモーツァルトのソナタの変奏曲が、ベートーヴェンの変奏曲と最後に呼応する、素晴らしいプログラムでした。
エマールの魅力を、ぜひ一人でも多くの方に堪能していただきたいと思います。皆様、17日は、東京オペラシティへ聴きにいらしてください!
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