2009.10. 6(Tue)


●ニューヨークからNYPオープニング・コンサートのレポートが届きました!


さあ、いよいよ10月8日からニューヨーク・フィルの来日公演が始まります!!
それに先立ち、先日いよいよ新音楽監督に就任したアラン・ギルバートのもと、新しいシーズンのオープニング・ガラ・コンサート批評(ニューヨーク・タイムズ紙)をご紹介いたしましたが(辛口で知られるニューヨークの批評でこうした評が出るのは珍しいことです)、ニューヨーク在住の音楽ジャーナリスト、小林伸太郎さんもそのコンサートを会場で聴かれた一人。
小林さんからも、さらに臨場感あるレポートを送っていただきましたので、ぜひお読み下さい!



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シーズン・オープニングのガラ・コンサートは、いつも期待感に満ち溢れているものだが、夏の間会うことがなかった知り合いと再開を果たし、秋の訪れを実感するシーズンの初めのコンサートは、他のどんなコンサートとも違う華やぎがあるものだ。今年のニューヨーク・フィルハーモニックのオープニングは、コンサート開始前からとりわけ活気あふれたものだった。アラン・ギルバートがニューヨーク・フィルハーモニックの第25代音楽監督として、初めてのシーズンを開始するからだ。

 フィルハーモニック創設以来、初めて生粋のニューヨーカーが音楽監督に就任するからだろうか、とにかくニューヨークの彼に対する期待は絶大なものがある。9月16日のオープニングでも、彼が舞台に登場するや否や、会場はブラボーの声と共に大きな喝采に包まれた。
最初に演奏されたのは、コンポーザー・イン・レジデンスであるマグヌス・リンドベルイの世界初演策、《EXPO》。新たな時代を新たな曲で開こうという、ギルバートの意気込みが感じられるプログラミングだ。フィルハーモニックが新作をオープニングで演奏したのは、実に1962年以来のことだという。果たしてリンドベルイの10分ほどの新作は、レンジの広いフィルハーモニック・サウンドの純然たる可能性とギルバートの統率力をショーケースした、興味深いものになっていた。

次いで演奏されたメシアン《ミのための詩》オーケストラ版は、なんと今回がフィルハーモニック初演であったという。ソプラノ・ソリストのルネ・フレミングはこの大曲を暗譜で歌ったのも驚きであったが、このシュールで美しい曲を静かな集中力で聴かせたオケのサウンドも印象的だ。そして最後は、ベルリオーズ《幻想交響曲》。現代音楽の祖先的存在であるこの曲を最後に持ってきたというプログラムの妙も去ることながら、ウォール・ストリート・ジャーナル紙が『ギルバート氏とフィルハーモニックは、この曲のロマンティックなカラーとグロテスクなバイタリティーだけではなく、真にバイロン的なウイットを引き出した』と評した演奏は、観客から熱狂的な支持を得ていた。

ニューヨーク・タイムズ紙が『ギルバート氏とオーケストラにとって素晴らしい始まり(great beginning)』と評した今回のオープニング。ギルバート時代にますます期待させる、フレッシュでエネルギッシュな一夜であった。

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Tuesday October 6, 2009