2009.4.20(Mon)


●来日迫るロシアの俊英A.コロベイニコフ!~エピソード集~


4月とは思えないあたたかい(暑い?)日が続きますね。
さて、5月に入るとロシアの若手の中でも注目株、
「ラ・フォル・ジュルネ」でも人気のアンドレイ・コロベイニコフが来日、
東京では初めての本格的なリサイタルを開きます。

コロベイニコフはすでに日本でもファンが多く、
そんな中、彼をよく知る身近なファンの方から
これまでに日本を訪れた時のエピソードをいくつか送っていただきました。
ちょっと普通に思い浮かべるタイプのピアニストとは違った人だな、
とは思っていましたが、なかなか面白いエピソードばかりです。
コロベイニコフの素顔や音楽に対しての姿勢がうかがわれるものばかりですので
ぜひ読んでみて下さい。

 


●いつでもどこでも、そのときに持てる全力で演奏

  2004年11月、日本の友人が勤務する公立高校の音楽の授業に参加。気持ちよく演奏し、教師たちからも「ふだん感情を表さない生徒が感動をあらわにしていた」と言われて、胸をなでおろした。
ところが「では次のクラスの生徒を入れます」と言われてびっくり。「2クラスと言われたが、いまのが2クラスいっしょなのだと思って力を出し尽くしてしまった。もう1回なんて... 気持ちを集中させられるだろうか。どうしよう!」 2回目を終えたときには心を消耗し尽くしていた。
  また、2006年2月に長崎で重度障害者施設を慰問したときも、こちらには反応がよくわからなかったが、職員たちは「やはり本物の音楽は違う。彼らのこんなにうれしそうな表情は見たことがない」と、感動して話してくれた。
  どのような場でも、そのときに出せる全力で、真剣に演奏するのがアンドレイなのだ。



●思いついたことは何でもやってみたい

  2006年3月の沖縄の那覇では、地元の若い音楽家たちとJ.S.バッハの室内楽を共演。アンドレイはピアノを含めた全員を横一直線に並ばせ、「全員がソリストのつもりで、お客に向かって弾いて欲しい」。
面食らったのは共演の5人。でも、やってみた結果は「心配だったが、思ったよりは上手くやれた。」 一方、アンドレイはすました顔で、「一度やってみたかったんだ。みんなプロだから大丈夫だと思って。」



●腕力なし

  この繊細な音は腕力のなさから出てくるというのだ。大人になって、筋肉が付いてくると音がにごるから、筋力をつけないようにしろと言われてきたそうだ。
  ほんとうに力はなくて、いっしょに買い物に行って荷物を持ってくれても、すぐに「重くてだめ。」と返してくる。
  そんなアンドレイでも、自分の心のやさしさには抵抗できない。ベネチアに日本の盲人といっしょに旅行したときには、「こんなに重いスーツケースを運んだなんて先生に知られたらしかられてしまう」と言いながら、盲人の荷物を運んでくれた。「弱い立場にある人を助けるのは当然」と。



●著作権

  2006年3月の沖縄の那覇。地元ゲストとの演奏がもう一つ。ソプラノ、フルート、ピアノの組み合わせで編曲された沖縄の歌を2曲だ。ただ編曲に一部、どうしても自分の感性に合わないところがあって「間違ったことにして、思い通りに弾いちゃおうか」と話していたのだが、編曲者が聴きに来ると聞いて「それでは楽譜を尊重しなくては」と緊張。
  その前の高知では、やはり地元のテノールをゲストに、彼のために作曲された作品を。こちらでは「メロディーがすばらしいから自分でも伴奏を作曲したくなった」というので作曲者の同意を得て、オリジナルの伴奏をした。後日、テープを聴いた作曲者から、「これからもアンドレイにはアンドレイの編曲でこの曲を演奏してほしい」との希望がよせられた。
  法学者アンドレイの研究テーマは「表現者の著作権」だ。それだけに、自分の仕事の中でも著作権の尊重は重要と考えている。



●島の子どもたちと2台ピアノで共演

  2006年3月の宮古島。会場にはピアノが2台あると聞いて、「誰でも弾くソナチネ・アルバムに入っているモーツァルトのソナタK545の3つの楽章をそれぞれ別の子どもに弾いてもらおう。僕は第2ピアノでグリークが作った併奏曲を弾く。モスクワでの演奏会ではプロ同士で弾いているけど、二つが重なるとすばらしいんだ。」 選ばれて弾いた子どもは小学生から高校生まで。良い思い出になっただろう。
  その前に演奏した長崎では、共演した市民オーケストラの高校生のヴァイオリニストと、彼の高校のオーケストラと2007年に共演すると約束をしたのだが、指揮者でもある教員の都合で実現させられなかった。自分が機会を与えられて成長してきたことを考えて、後輩たちの励みになればうれしいというアンドレイのサービス精神のゆえだったのだが...



●ネクタイはどこに?

  2004年11月のパルテノン多摩大ホール。フル編成の学生オーケストラと、モーツァルトとチャイコフスキーと、協奏曲2曲を弾いたアンドレイだが、ノーネクタイ。終わって楽屋に戻ったとたん、「あった!」 蝶ネクタイは、ズボンのお尻のポケットでぐしゃぐしゃになっていた。
  この蝶ネクタイ、ちょっとかしげてつけるのがアンドレイの「験(げん)担ぎ」。さすがに20歳をすぎた現在ではやらなくなったが。



●日本ではじめての買い物

  2004年10月の犬山。犬山城を見学しての帰り道で入った古道具屋。アンドレイがみつけたのは、赤い万古焼きの小さな虎の置物。雑なつくりで、ほこりだらけで、250円。どうしてもそれを買うと言う。「僕は寅年生まれだから。」

 



いかがでしたか?


こうした多感なアンドレイのピアノ・リサイタル。
→ チケットはこちらまで



→ アンドレイ・コロベイニコフ プロフィール

 

Monday April 20, 2009