2009.3. 4(Wed)


◆藤倉大作曲 "secret forest" NHK交響楽団 第57回「尾高賞」受賞

イギリスを中心に活動する新鋭の作曲家の藤倉大は、昨年、紀尾井ホール・いずみホール共同委嘱を受けて作曲した"secret forest"がすぐれた管弦楽作品として高く評価され、下記の通りNHK交響楽団 第57回「尾高賞」を受賞しました。


「尾高賞」は、故・尾高尚忠氏の生前の音楽界に遺した功績を讃えて1952年(昭和27年)に制定された、すぐれた邦人作曲家によるオーケストラ作品を顕彰するために設けられた作曲賞です。

3月4日(水)午後2時より、マンダリンオリエンタル東京において、贈呈式が行われました(海外滞在中のため代理人出席)。また受賞作品は、6月1日(月)午後7時から、東京オペラシティコンサートホールで開催される「MUSIC TOMORROW 2009」(NHK交響楽団、指揮:ジョナサン・ノット)で演奏されます。



第57回「尾高賞」受賞作品

受賞作品: 藤倉 大/secret forest for ensemble (2008)
     (いずみホール・紀尾井ホール共同委嘱) [約18分]
作曲年: 2008年
国内初演: 2008年11月5日 紀尾井ホール
アール・レスピラン第23回定期演奏会 新世紀への架け橋 II
高関 健 (指揮)
アール・レスピラン (管弦楽)

『第57回尾高賞 受賞によせて』

藤倉大

 この度は尾高賞を有り難うございました。僕はイギリスに住んで16年、もうすぐ17年目を迎えることになり、人生の半分以上日本の外で暮らした事になります。日本は中学校の卒業後即イギリスに行ったので、日本での作曲家としての活動はとてもつい最近の事で、イギリスから、ヨーロッパ、アメリカと音楽活動が広がったあとやっと日本にたどり着いたという感じです。
  僕にとっては、日本は外国であり母国である、とても遠い一番近い国、と言った所でしょうか。両親も日本に住んでいるので、余計に母国と感じるのかも知れません。
  もちろん僕が関わるすべてのプロジェクトは全力以上を投球して作曲するのですが、日本からの委嘱、作曲賞はとても特別な気分で、今回賞をいただいた作品《secret forest》も日本の紀尾井ホール+いずみホール共同委嘱で、日本のアンサンブル、アール・レスピランの初演の為に書かれた作品です。イギリスでは、いつもリハーサルの時間が少なく、いつも実用的な楽譜、音楽しかできません。この《secret forest》を初演していただいた日本のアール・レスピランには長く丁寧なリハーサルをしていただき、楽器の空間配置、指揮者とステージ上の関係など、その場で僕も楽譜を変えて試してみたりと、とても充実した音楽創作の経験をさせて頂きました。もちろん僕にとって、全く演奏時に問題の無い楽譜を作る事はできますし、それをせざるを得ない場合も多々あります(その時の僕のチャレンジは、音楽の構造、「音楽の内部」の実験、、、となる訳ですが)、実際演奏家とその場でいろいろと話し合いながら決めて行ったりして行く作業が大好きで、リハーサルも創作の一部と考えています。ですので、日本からのプロジェクトの場合は日頃試したかったものなどを試せる良いチャンスでもあるということもあり、国際的に有名な日本人の礼儀の良さはオーケストラ/アンサンブルにも言える事だと思うし、特別なのです。
  僕にとって特に特別な作品に賞をいただき嬉しく思います。

パリの地下、イルカムにて

Wednesday March 4, 2009